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第三十話 ババ抜きをしたのは間違いだった

 夕暮れ時、王都の恋する夏通り(サマーストリート)にある、傭兵向けの酒場兼簡易宿、赤い蠍亭の二階の一室で。


「よっ! お・か・え・り」


 と、俺はベッドに寝そべったまま、帰ってきたナガレを迎えた。


 ドアを開けた姿勢のまま固まる彼女に、不平を漏らす。


「けっこう遅かったな。どこ行ってたんだ? 待ちくたびれたよ」


「どうやって入ってきたんだ、テメェ!」


 長い艶のある黒髪を振り乱し、激昂する彼女を尻目に、下の酒場でもらってきた果実で味付けした水を、瓶からコップに注いで優雅に飲む。


「ナガレの恋人だって言ったら、部屋に案内してくれたよ。傭兵さんってあんま接点なかったんだけど、みんな親切なんだな」


「テンメェエエエエ!!! さっき、酒場通ってきたとき、店にいた連中が全員ニヤニヤしてたのはそういうことかよ!!」


 彼女がトレードマークである木刀をこちらに振り下ろしてくる。

 俺は、それをラヴィの【影歩き(シャドウステップ)】を使って、ひょいと避けた。


「前に、俺の寝床を襲撃してきただろ。そのお礼だ」


「根に持ってたのかよ!」


「俺は安眠妨害されるのが一番嫌いなんでな。まぁあのときは起きる寸前だったから許すけども。二度とやるな、という警告だ」


 ぐぬぬと歯(ぎし)りをする彼女は置いといて。


 改めて、その宿の部屋の中を見渡す。

 だいぶ狭くはあるが、機能性は十分で、いかにも傭兵用といった造りだ。

 

 壁には武器をかけておくための留め金があるし、ベッドの脇には簡単なデスクもある。

 

 彼女はもう長いこと、この宿を借りているらしく、以前シエナに作ってもらった例の現住所リストにも、ここが記載されていた。


「ナガレも領地を持ってるんだろ? 金はあるだろうに、なんでここなんだ?」


「うるせー! 落ち着くんだよ、こういうとこの方が!」


 まぁ俺もあのバカでかい王の寝室に慣れるまでだいぶ掛かったし、気持ちは分からないでもない。


 ナガレは動揺から立ち直ったのか、決闘を挑んできたあの日のような、根拠不明の勝気な笑みを浮かべ、詰め寄ってきた。


「ちょうどいい。オレと(ひと)勝負しろや」


「いいよー」


 デスクの上に打ち捨てられていた、たわしを手に取り、特に考えもせず承諾する。


 これは、この間の祝勝会のビンゴで最下位の賞品として彼女が手に入れた、一個一銀貨もする高級たわしだろう。

 しかしこの宿で生活する限り、使い道はなさそうだった。






    ☆






 場所を変えるぜ、とナガレが俺を連れていったのは、同じ二階の一番奥の部屋。


 彼女がノックをすると、すぐにドアが開き、鼻のあたりに横一文字の刀傷がある美人が、中から顔を出した。

 歳はナガレよりいくらか上だろう。肌が大きく露出した革の部屋着をつけている。


 先ほど、下の酒場を仕切っていた店員のお姉さんであり、俺をナガレの部屋に案内してくれた恩人でもある。


「あら、お二人さん。どうしたの? お楽しみの真っ最中だと思ったけど」


「んなわけねーだろ! そもそもこいつとは恋人なんかじゃねーからな! 騙されたんだよ、イライザが!」


 イライザと呼ばれた一文字傷の女性は、目をぱちくりとさせると、俺の方を見る。


「そうなの?」


「いえ、恋人です。ラブラブです」


「この期に及んで、嘘重ねんじゃねえええええ!! めんどくさくなるだろうがあああ!!」


 ナガレに襟首を掴まれ、前後に揺さぶられ、仕方なく白状する。


「すいません。ホントは仕事仲間です。割りと仲はいいと思うんですけど」


 イライザさんは手を口に当て、くすくすと目を細めて笑う。


「みたいね。とりあえず、中に入ったら?」


 招いてくれた彼女の部屋は、ナガレが泊まっているそれよりも遥かに広く、調度品も揃っていた。

 真ん中に木のテーブルがあり、その周りに椅子が三つほど並んでいる。

 俺たちはそこに腰を下ろした。


 ナガレは出された水を、ぐいっと飲み干して、親指で俺を指してくる。


「これからコイツと決闘するからよ。イライザには立会人になってほしいんだ」


「あら、物騒な話ねぇ。貴女の同僚さんってことは、この人も円卓の騎士?」


 彼女はナガレの素性を知っているのか。


 俺は今日も姿を欺く腕輪、匿名希望(インコグニート)をつけてきているので、国王が目の前にいるとは気付いていないようだが。


「ええ、はい。円卓の騎士の新入り、ミレアスです。どうぞよろしく」


 偽名で自己紹介して、美人さんと握手をする。


 と、ナガレは不機嫌そうな顔で、俺たちの手をそれぞれ握って引き剥がしてきた。


「トランプ貸してくれ。持ってただろ?」


「いいけど……ええ? もしかして、決闘ってトランプ遊びでするの?」


 呆れた顔でイライザさんがデスクから取り出したそれを受け取り、ナガレがババ――魔女の書かれた絵柄の札を一枚抜き、シャッフルを始める。


「ババ抜きだ。ミレ……アスもやったことくらいはあんだろ?」


「あるけどさぁ。ババ抜きって二人でやるもんじゃないんじゃないかな」


 ちらっと、イライザさんを見る。


 彼女は両手を合わせて、目を細めた。


「それじゃあ、オープン参加で私も一緒にやろうかな。私の順位は、決闘には無関係ってことで」


「別にいいけどよぉ」


 カードを三つの束に分けながら、ナガレが口を尖らす。


「一人だけ真剣勝負じゃないってのもよくねーな。最下位になったやつには罰ゲームつけようぜ」


「脱衣にしよう」


「は?」


 俺が即座に提案した内容が聞こえなかったわけではなかろうが、ナガレは耳に手を当て、こちらに向けてきた。


「脱衣にしよう。最下位になったら、身につけているものを一つ外す。俺かナガレのどっちかがギブアップしたら終わりってことで」


「いいわね、それ!」


 なかなか愉快な性格のようで、イライザさんは諸手(もろて)を挙げて賛成してくれた。

 彼女は二、三回負けたら下着が露出するような軽装だが、特に臆するところはないらしい。


「サイッテーだぞ、オメェ!」


 久しぶりにナガレの殺意丸出しな視線を受ける。

 しかし二対一だし、断れば俺が勝負を降りると分かっているのだろう。


 憤怒の形相のまま、カードを配り終える。


 それぞれ自分の手札の確認をして、ペアになる数字のカードはテーブルに捨てていく。

 三人対戦なので、皆、そこそこ手札が残った。


 時計回りで、カードを一枚ずつ取っていく。


 といってもそんな盛り上がるゲームでもないので、他愛もない世間話に興じる。


「ナガレはいつから、この宿泊まってんの?」


「ああ? 覚えてねえ。けっこう前だよ。円卓の騎士になる前からだ」


 俺とイライザさんは全然真剣ではないのだが、ナガレだけは必死の形相で、自分の手札を睨んでいる。

 それを保護者のような目で見て、イライザさんが俺に話してくれる。


「この子、昔は傭兵やってたのよ。それで、泊まってた宿から追い出されたって言うから、ここに私がつれてきたってわけ」


「なにやらかしたんだよ、ナガレ……」


「宿に併設されてる酒場でガラの悪い男傭兵に絡まれたから、ぶっ飛ばしてやっただけだ! オレは悪くねえ!」


 まぁ俺も、それはさすがに悪くないと思う。

 けらけら笑って、イライザさんは俺のカードを一枚抜く。


「傭兵やってる女の子って少なくはないけど、同業の男に舐められたりするからねー。ま、うちの宿は女の子優先だし、そういう男はすぐ出禁にするから、安心だけど」


「その割にゃあ、こんな怪しいやつをあっさり部屋に通しやがったけどな」


 イライザの手からカードを抜き、ナガレが恨み言を口にする。

 舌打ちをしたのは、数字が揃わなかったからなのか、俺を通したことをまだ怒っているのか。


「長年、傭兵やってると、悪い人とそうでない人の見分けくらいつくようになるのよ」


 イライザさんが俺の方を見ながら言うが、彼女の目には今の俺はどんな風に映っているのだろうか。

 しかし顔の刀傷から、なんとなく察しはついていたが。


「イライザさんも傭兵なさってたんですね」


「一応現役だよ。最近は裏方ばっかやってるけどね」


 話しているうちに、だんだん皆の手札が少なくなっていく。

 ただ、いまだババは巡ってこない。

 どちらの手の中にあるのだろう。


「イライザは傭兵ギルドの幹部なんだよ。親父がマスターやってんだ」


「ナガレ、その言い方、親の七光りみたいだからやめてくれる?」


「イライザは傭兵ギルドの幹部なんだよ。親父がマスターやってるけど、幹部になったのには関係ないし、完全に実力」


「貴女ねぇ……」


 困らせられて満足したのか、ナガレはニヒヒ、と口端を上げて笑う。


 そしてその表情が突然固まった。


 俺が、彼女の持つ、あるカードに手を掛けた瞬間だった。


 イライザさんと二人、視線だけで意思疎通する。


 もしかして、ナガレって、ババ抜きもめちゃくちゃ弱いんじゃないか?






    ☆






 とりあえずナガレの赤い作業着風衣服(ジャージ)の上を剥ぎ、白い簡素なシャツを露出させた。

 続いて、作業着風衣服(ジャージ)の下も。


 そうしたら生意気にもショートパンツを履いていやがったので、ギブアップまでは今しばらく、かかりそうだった。


「くそぅ……なんでオレばっかり負けるんだよ……」


 そりゃババの位置が顔に全部出てるからだが。

 涙目になっても勝負を続ける彼女を見てると、なんだか罪悪感を覚える。


 手を抜くべきか否か迷っているうちに、もう一度勝ってしまった。


 上でも下でも、もう一枚脱げば下着が露出する状態である。

 ナガレはそれでもギブアップせず、悩んだ挙句、下のショートパンツを脱いだ。


 テーブルで隠れているので、真正面にいる俺からは見えない。

 だが、彼女が先ほどまで履いていたショートパンツがテーブルの上に登場したときは、興奮しなかったといえば嘘になる。


「ぜってえ、その場から動くんじゃねえぞ」


 ドスの効いた声で、脅してくる。

 ナガレの横のあたりに座るイライザが、視線を下に向けて、先ほどの反撃をする。

 

「私からは見えるけどね。へぇー、なかなか可愛いのつけてるのね」


「うるせー!」


 さすがに次でギブアップしてくれるだろう……と、二人で負かすと、ナガレは肩をぷるぷる震わせながら、シャツに手をかけた。

 一気にめくり上げ、そして床に投げ捨てる。


 彼女の胸部には白い包帯状の長い布がぐるぐると何周も巻かれており、リクサほどではないにせよ、かなり立派な双丘がその下で自己主張している。

 ああ、決闘のときに俺が【スリ】で盗んだのは、これだったのか。


 彼女は胸のあたりを片腕で隠しながら、もう片方の手で器用にトランプをシャッフルして、威勢よく言ってきた。


「さぁ、もう(ひと)勝負だ!」

 

「いいけどさぁ」


 残念ながら、彼女の豊満な胸は全然隠せていない。


 イライザさんと目を合わせ、互いに苦笑いを浮かべる。


 顔にモロに出る癖をナガレが直さない限り、結果は変わらないと思うのだが。


 彼女一人を半裸に剥いたのは、さすがに本気で悪いような気がしてきた。








    ☆






 ナガレにわざと負けるのは容易なことだった。


 彼女のところにババが来たら、顔色を見てそれを抜いてあげればよかったし、彼女がこちらのババを抜きそうなときは、さりげなく誘導してやると簡単に意図したとおりに動いてくれた。

 俺達も、脱げる衣服は全部脱いだ。


 俺はパンツ一丁だし、イライザさんも絹製の下着の上下だ。

 極力、彼女の方には目をやらないようにしているが、まったく視界に入らないというわけでもない。


 下着姿の女性二人の前で自分も服を脱いでいくというのは、なかなか得がたい体験であり、蜘蛛型決戦級天聖機械(オートマタ)アスカラくんと戦ったとき以上の胸の高鳴りを俺は覚えていた。


 しかし、それもそろそろ終わりになりそうだ。

 次の勝負で、誰かに限界がくる。


 まずイライザが上がった。

 ナガレにババを押し付けた上で、最後のペアをテーブルに捨てて、片目を(つむ)り、舌を出す。


「ごめんなさいね、お二人さん。決闘だしね。二人で決着をつけてね」


 ここまでは予定調和といえるが……。


 問題は、ここで最後に、ナガレに勝つべきか、負けるべきかということだ。

 残り二枚となった彼女の手札のうち、どちらがババかは、表情ですぐ分かる。


 別にここで負けても俺にリスクなどないのだ。

 これ以上、彼女の悲しい顔を見るのも嫌だし。


 手を向けると、彼女が顔を輝かせるほうのカードを、俺は取った。

 ぐっとガッツポーズをするナガレを見て、まぁこれでよかったかな、と自分を納得させる。


 最後、こちらのババを引かないように誘導して、彼女にペアを作らせ、上がらせる。


「か、勝った! オレの勝ちだな! ついに勝ったぞ! やったあああああ!!」


 自分が下着姿であることも忘れて、ナガレは両手を天井に向けて突き上げる。

 白い布で隠された胸が揺れるのを、俺がじっと見つめているのにも気付かない。


「オラ! どうだ! 負けを認めるだろ!? それとも、そのパンツも脱ぐか!? アァン!?」


 勝った途端にこの調子の乗りようである。

 やはり勝利を譲ってやったのは間違いだったか。


「……イライザさん。確か傭兵ギルドの開祖って、初代円卓の騎士の一人ですよね」


「え? ええ。そうだけど」


 きょとんとする彼女に、慎重にたずねる。


「そこの幹部さんってことは、円卓の騎士について、何か聞いてますか?」


 ぴくっと、彼女の表情が動く。

 それでおおよそ見当はついた。


「ええ。円卓の騎士が何をしてるのか(・・・・・・・)、知っている。この間、アスカラの地上絵の方から、光の帯が王都に向けて飛んできたり、あそこで大爆発が起きた件とかでしょう? どちら(・・・)が出たのかは知らないけど」


 あの件は新聞でも報じられ、円卓の騎士による魔物の討伐ということなっているが、報道規制のため詳細は伏せられている。

 彼女の口ぶりは、それ以上のことを知っていることを暗に示していた。

 

 過去より、滅亡級の魔神(デーモン)天聖機械(オートマタ)がやってくることを知っているのだ。

 そしてそれを討伐するのが、円卓の騎士の責務であることも。


「こんな格好で、なんなんですけどね」


 俺はパンツ一丁ではあるが、正確には身につけているものが、もう一つあった。

 左腕につけていた細い銀色の留め金のない腕輪(バングル)匿名希望(インコグニート)を外し、テーブルに置く。


 俺の本来の姿を見て、イライザさんは目を丸くした。

 改めて、正しく名乗る。


「すいません、偽名を使って。本当は、ミレウスって言うんです」


「こ、国王さま!? まさか、そんな……」


 慌てて椅子から降り、床に膝をつこうとする彼女を、ナガレが止めた。


「いいよ別に、コイツにそんなかしこまらなくたって。パンツ一丁のエロガキだぞ」


「そうそう。今日は一市民のミレアスくんとして来てるから、これまでどおりに接してよ」


 というか下着姿で膝を突かれても、目のやり場にも、反応にも困るし。


 いずれにしても、だ。


 匿名希望(インコグニート)を指でくるくる回しながら、ナガレに告げる。


「んじゃ俺が一個外したから、決闘を続けようか」


「はぁ!? 脱衣じゃねえだろ、それ! 衣服か、それ!? (ころも)か!?」


「『身につけているものを一つ外す』ってルール決めるときに、はっきり言ったはずだぞ。恨むなら、きちんと確認しなかった自分を恨め」


 念のため、ズルする余地を仕込んでおいてよかった。

 

 なおも抗議するナガレを、今度は完膚なきまでに叩きのめした。






    ☆






 結局、ナガレは下着を外す勇気はなく、そこでギブアップした。


 罰ゲームを(まっと)うできなかった罰ゲーム――ということで、俺とイライザさんの共同案で小間使い服(ディアンドル)を着せて、下の酒場で例の高級たわしを使って洗い物をさせる。


 その様子を眺めながら、酒場の席でイライザさんと夕飯をとった。

 彼女は俺が国王だと知っても、要望どおり今までと変わらず接してくれた。


 ヒーヒー言いながら、慣れない水作業に悪戦苦闘するナガレの姿を自動現像擬似投影機(ポラロイドカメラ)で撮影する。


「お、おい、テメェ! 何撮ってやがる!」


「撮ってない、撮ってない。気のせい、気のせい」


 現像された擬似投影紙(フォトグラフ)を、イライザさんと二人、確認する。


「あら、可愛く写ってるわよ、ナガレ」


「うんうん、小間使い服(ディアンドル)、よく似合ってると思うよ、ナガレ」


「やっぱり撮ってんじゃねーか!」


 飛んできた皿を二人でかわす。


 彼女の怒りを、なだめすかすのには、けっこうな労力が必要だった。


 しかしこの擬似投影紙(フォトグラフ)は、それに見合うだけのお宝だろう。


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【第七席 ナガレ】

忠誠度:

親密度:★★★

恋愛度:★★★★

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