04:クエスト受注
更新が遅れて申し訳ないです。なんとか話がまとまりました。
軽く食事を済ませ、食事代を払う。適当に料理を頼んだが、中々美味かった。これなら込み合うのも頷ける。ただ一つ問題なのはこちらの文字が読めないことだ。
これは早急に解決するべきだと思う。おかげでメニューが全く読めなかった。正直文字が読めないだけでこれだけ苦労するとは思わなかった。
それと先程ここの店員にこの国の貨幣価値について聞いてみたが、自分の持ち合わせの金貨10枚、これだけあれば普通の家族は1ヶ月は不自由なく生活出来るらしい。
銅貨12枚で銀貨1枚、銀貨12枚で金貨1枚という何とも分かりやすい12進法だった。さらに金貨の上に白金貨というものがあるらしいがこちらは商人や貴族のやり取りで使われる程度で庶民には余り馴染みがないらしい。
そんな大金を簡単に出してくれたハロルドという男は一体何者なのだろう?
そんなやり取りをした後クエストボードに向かう。腹ごしらえが済んだら次は仕事だ。だが分かっていたことだが何が書いてあるか分からない。
「端に赤と緑に塗られてると思うんですけど、赤が主に討伐系のクエストで緑が採取系のクエストです。そこから外して持ってきてもらえれば詳しく説明しますよ」
ギルドの受付嬢がカウンターから身を乗り出して教えてくれた。他者から見れば冒険者初心者にしか見えないのだろう。実際初心者なのだから仕方ないが。
貼られてるクエストから適当に討伐系のクエストを取って受付に持っていく。低ランクのクエストだからそこまで強い敵はそうそう居ないだろう。
「えーといきなりゴブリン討伐ですか……いくら低ランクのクエストとはいえ初めから飛ばしすぎじゃないですか?」
どうも手に取ったクエストはゴブリン討伐らしい。この反応を見ると中々強い相手のようだ。
「そんなに強い相手なのか?」
「いえ、そこまで強くはないですけど、問題は数で1つの巣穴で平均して2~30体は居るそうです。なのでこういったクエストはパーティーを組んで挑むのが普通なのですが、どなたかパーティーを組んでみてはどうです?」
そう言われてもこの世界に知り合いは商人のハロルドさん位しかいない。冒険者の知り合いなんかいる訳がない。つまるところソロで挑むしかないということだ。
「そういえばこのクエストはゴブリンの巣穴ごと討伐するのか?」
「ゴブリン討伐と言えば巣穴に居る全てのゴブリンを倒すのが基本ですよ。巣穴と言っても小さな洞窟を住処にしているだけであってそこまで大層な場所ではないです。それと少しでも残っているとまた直ぐに数が増えてしまいますから。だからパーティーを組むのを勧めているんです」
すぐに増えるとかよくご家庭の台所に出没する黒いアレに似ているな。
まあ害虫駆除と同じ要領でやればいいだけの話だ。こういうのに丁度いい武器がMTの中に有ったはずだ。
「まあソロでも大丈夫だろう。倒してしまえば同じ話だ」
「随分自信が有るみたいですね。分かりました、今回はソロでのクエスト受注になりますので十分気を付けて下さい。それと最後に人が拐われている事がたまに有るので見つけ次第保護してください。その……ゴブリンは人間の女性を使って数を増やすみたいで……」
最後の一言を話すときの彼女の顔色が暗くなった。だいたい連れ拐われた人がどうなるかは簡単に想像がつくだろう。行った先で中に誰も人がいないことを願おう。
それでも人が居るかもしれないから巣穴ごと焼き払う事は出来ないようだ。仕方ない1体ずつ仕留めよう。
「まあいいさ。さっさと始末して、誰か居たら保護すればいい。ただそれだけだろう?」
こちらの生物にどれだけ近代兵器が通用するかは分からないが生きている以上いつかは死ぬだろう。それまで鉛の弾丸を浴びせてやればいいさ。
それでは初仕事といこうか。
「それではギルドカードを提示してください」
ギルドカードを受付の上に置く。すると羊皮紙に書かれた文字が浮かび上がり、カードに吸い込まれていく。まったく魔法の類いは見ていて飽きないな。
「これでクエストの手続きは完了です。本当は持ってきたクエストをここでカードと一緒に提示してもらってさっきみたいに魔法で手続きするだけなんですけどね。」
最初のあれは初心者に対する気遣いだったのだろうか? それよりも手続きが済めばあとは出発するだけだ。
「最後に目的地ですが、この街の西門を出て暫く行った先に森が有ります。そこに有る洞窟がゴブリンの巣穴のようです。どうかお気を付けて」
その言葉を背に酒場を後にする。まずは一旦西門に向かおう。
しかし歩いて門まで向かうが案外遠いな。ここまで来るのに馬車だったからそう感じるのだろう。それに歩いてみてこの街の広さが実感できる。ここは思っていたよりもずっと広いようだ。
適当に西へ向かう大通りを歩いたら目の前に大きな門が見えてきた。あそこが西門のようだ。MTに方位が表示されていなければきっとまだ街の中をさ迷っていただろう。
門を抜けて街から出ると目の前に草原が広がっていた。その中を街から繋がるように街道が伸びている。まだまだ目的地までは遠いようだ。
出来れば明るいうちに街まで戻ってきたいな。
そのためにはさっさと歩いて目的地まで行こう。そして仕事を早く終わらせよう。
異世界の貨幣価値を考えるのも案外難しいですね。次話で戦闘回を書こうとと思います。また更新が遅れるかも知れませんが何卒よろしくお願いします。




