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Act.03 ―弱い者虐め― ①
Act.03 ―弱い者虐め―
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浅間は『さわり公園』の木々を突っ切って、その奥の竹藪に転がり込んで、そのまま藪の中に身を潜ませていた。
鬱蒼としていて散歩コースにも選ばれないそこは、身を隠すには打って付けの場所だった。
あまりの屈辱に、膝を抱えている腕が、肩から震えを起こして止まらなかった。
竹を掻き分けてできた薄い引っかき傷を摩りながら、凍えるようにガチガチと歯を鳴らした浅間に6月の陽光が降り注ぐ。
先ほどの数分の出来事で、浅間の老け顔は年齢よりも、ずっと老け込んで窶れ衰えていた。
それから陽が落ちるまでの間、その中に蹲っていた。
まるで、浦島太郎が玉手箱を開けた後のように老け込み、アニメなどの二次元でなら、生気をなくして、配色がされていない白一色の描写で彼は表現されていることだろう。
それとも、孤独の心理描写で、浅間の周りだけブリザードが降り荒んでいるかも知れない。




