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Political correctness   作者: 憐夜
4/6

現実の辛さと砂糖

はいすみませんはいすみません…ちょっと私情で…とかなんとかで

遅れましたてか忘れてました

それでは第二幕(と言っても変わらないけど)

どうぞ~!

【セルシアンヌ=メルリーチェ /バトラス湖畔】


 からん、その乾いた音に反応を示したのはセルシアンヌだけではなく、ゾディアも同じだった。何かに気が付いている。そんな顔、そんな空気を醸し出しているゾディアの横顔を眺めながらつい、ああ素敵、なんて思ってしまうけれど、今のこの事態がそんな悠長なことを考えていられるほどに軽いものではないことをぴりぴりと肌で感じていることも事実で。ぶるり、と身震い。怖いのではない、楽しいのだ。これから何が起きるのか楽しみで仕方がない。例え何も起きずとも、こうしてゾディアと共に居られるのならどのような状況でも楽しいのだけれど。

 だが、ゾディアから発せられた、"見に行って来るから場所とっといてくれ"、という言葉に表情が曇り、「 え、 」と小さく声が漏れる。本当は、共に行きたい。音のした方へ一人で行かせるだなんて、何が起きるか分からないのに。そんなもやもやした気持ちを吹き飛ばすようにぶんぶんと顔を左右に振る。ゾディアはセルシアンヌにとって特別な人であり、何より、我らが隊長なのだ。だから、やんわりとした待機命令に従わないわけにはいかず。


「 ……分かりました、場所は私が責任を持って取っておきます。ですからどうか。どうか、お気をつけて 」


 そう告げながら立ち上がり、ぺこりと頭を下げる。ゾディアの背中を見送りながら、いつでも動き出せるようにと腰に下げた短剣にそっと手を触れることも忘れずに。



【ドルチェ/ルミネ市場】


「あ………………」

 振りほどかれた腕と、男性の叫び声でハッと我にかえった。ハラリとほどけ落ちる包帯なんて、男性の左手なんて、ドルチェの目には映っていたかった。もう分かりきっていたから見なかったのかもしれない。男性が言っている言葉さえも聞こえない。ただ、見えていたのは男性の酷く怒っているような悲しんでいるような苦痛の表情。そして白髪の少女が男性の腕を引いていくのを見た。ドルチェの心の中には悲しみも満足もなかった。あの憎たらしいディザースターを殺したいとも思わなかった。


「……何がしたかったのかな、あたし」


 ポツリと小さく呟いた。ふと、傍らにあの少女がいたことに気がつく。


「ああ、ごめんね。帰りにくかったでしょ」


 少女がくれた林檎を「じゃあ……」と貰った。何も見えなく何が起こっているのか分からない状態なのにいろいろと大声で叫んで怖がらせてしまった、と素直に謝る。紙袋を持ち直して我が家へ帰ろうと足を進めた。



【ルーク/バトラス湖畔】


 本格的に危なくなってきてしまった。もうじきディザースターハントがルークを見つけ、そして捕らえるのだろう。……それだけはルークとしては何としてでも避けたい。我らが団長、アリックが助けてくれたこの命。無駄にするわけにはいかない。ナイフをまた構えるか?あの男が来るまでに構える分には全く問題はない。だがしかし、相手は武器なんざ使い慣れている。そんなやつにこのルークが敵うはずもなく。だからといって、このまま死ぬだなんて考えられない。せめてジルレインが気づいてくれれば……。

 何かが頭で立ち止まっている。


(何だろう……この感じ、何かが思いつきそうなのに…………っ)


 沢山の言葉が脳内を巡って、巡る。


(ディザースターに戦っても敵わないつまり逃げることしかできないだがただ逃げたところで追い付かれるだけ少しでも隙があれば……隙?)


 ルークはニヤリと笑った。全然無防備すぎる。自分らしくない策だ。でも……、これに賭けるしかない。


 自分の目が熱くなったような気がした。非能力者が今のルークを見たら驚くどころの話ではないだろう。


『((感覚結合(センセーションリンク)……))』


 心の中で唱えた、あまり使わないこの能力。自分と相手の感覚を共有する、という何とも使いづらい変な能力。ただ、今になって必要となってしまった。木の裏から出てき、姿を見せる。自分に向かってくる男に能力をかけるため相手と目を合わせようと顔を上げた。そしてそのまま右足を、勢いをつけて左足で踏みつけようと足を振り下ろした



【ゾディア/バトラス湖畔】


「ごめんな、俺様にはシアンや、他の隊員を守る義務があるんだ。一応、俺様が攻撃されたらこっちに来れるように準備しておいてくれ」


目に見えてわかるほどに落ち込んでしまったセルシアンヌを見て、しまったと思うと、セルシアンヌのいる場所へ戻ってきて自分よりも低いセルシアンヌの肩に手を乗せながら、普段のふざけた様子とはかなり違う雰囲気で謝罪をする。


音がした木の陰に近づくと、木の陰から出てきたのは、少し目つきの悪い小柄な少年で、やはりディザースターハントとして仕事をしている時に見たことがあった。確かネスの副団長だったはずだ。相手は出てくるや否やすぐにゾディアと目を合わせると、片方の足でもう片方の足を思いっきり踏みつけた。その痛みは、相手の能力によってこちらに伝わってくる。おそらくここで隙を作って逃げるつもりだったのだろう。だが、


「いって……何て言うか、ドンマイ」


いくらふざけていたとしても、ゾディアは戦闘経験豊富で、実力もあるディザースターハントだ。足を踏まれた程度ならば少し顔をしかめる程度で、止まるわけがない。しかも、顔をしかめたということを、セルシアンヌは攻撃されたと解釈するかもしれない。表面上は、少し申し訳なさそうな表情を浮かべながらルークを捕獲するべく、ヨーヨーを取り出して。



【フラム・テムペール/ルミネ市場】


「予備の水くらい持ち歩いておけよ阿呆」


ポニーテールの毛先を弄っていたフラムだが、クウゴが水を飲み干したことを確認するとそれを止めて早速悪態を吐く。

礼を言われたことに対し素直に対応できない自分に苛立ちつつ、今度からクウゴが出掛ける時は無理矢理水を持たせよう、という決意を固めた。

確かにこんな所で倒れられては目立ちすぎるし、──そもそも髪型と瞳で既に若干目立っているというのに──そうなってしまってはフラムでは対応しきれない。

そもそも、治癒担当の彼を呼んだところで彼がきちんと治療してくれるかも怪しいところだ。


「ああ。砂糖が切れてたからついでに買い出しだ」


はあ、と溜め息を吐き、こめかみを抑える。

兎に角ネスは、角砂糖、粉砂糖等甘味料の減りが早かった。

前に砂糖が無くなったのは5日前だった気がする(その時は外に用事があった団員にお使いを頼んだが)。

砂糖を使う制限でもかけてしまおうかと最近考え始めている。


「は、献立が決まってりゃどれだけ楽だったか……。

いっそのことまたスープとパンだけにするか……」


決まったものを作るのは好きだが、献立を考えるのは妙に億劫だった。

この間も面倒臭くなってスープとパンだけにしたら案の定怒られた事を思い出す。

男というものはかなり面倒臭い。



【クウゴ/ルミネ市場】


「一昨日補給したばかりの水が切らしてしまってな。仕方なく元気に外に飛び出したら、案の定この様となってしまった訳でな……後、阿呆余計だぜ…」


ハハッと苦笑いをしながら頬を指で掻きながら、反省をしている。ぶっ倒れるまではだいたい予想出来た俺の神経をも怖くなってきて、やはり水は持たないといけないのかと、そもそも何故副作用がまた面倒なもんになったのか俺でさえも良く分からなかった。俺が不死でなかったらどうしよう。ぶっ倒れた挙句、物干しの様に干からびてしまうのかと思われた。

とりま、今フラムの言ってる事には否定出来なかった。ちゃんと水補給をこまめに取るべきだったと、深く後悔した。


「砂糖ねぇ……未成年ばっかだから、菓子に囚われ過ぎてるな。…糖尿病にならないといいが。それと虫歯」


っと砂糖物の減速力に少しばかり驚いたが、彼等の事を思うと納得と理解を覚えてしまい、少し気遣う。

デザート抜きでもいいんじゃないか?、って思うくらいの甘党な奴等が多そうなネスに俺も少しばかり戸惑いもある。

飴でも上げて砂糖の減速力を少しばかり落とさせてみるか?。っと思ったが、飴玉一つもらうほど昭和初期ではないな、と思った。


「俺はパン好きだからそれでも構わないが?、前の奴も腹も空かしてなかったしな」


っと案の定の答えをもらい、それでも彼の様な胃の中の構造が謎な人には、量など関係なかった。いっその事コッペパンだけでも良いと思ったときもある。

だがそれじゃあ甘党派のアイツ等が批判するから回したくはなかった。



【セルシアンヌ=メルリーチェ /バトラス湖畔】


 しゅん、と。置いてけぼりを喰らったセルシアンヌは大袈裟に(彼女にとっては大袈裟ではないのだけれど)肩を落としていたところ。それに気が付いたのであろうゾディアがわざわざ此方に戻って来てくれたことに対する嬉しさと、それと相反するように湧きあがる申し訳なさに表情が陰り俯くけれど、ぽんと肩に置かれたゾディアの手にぱっ、と顔を上げた。いつもとは違う真面目な雰囲気を纏うゾディアに申し訳なさそうに歪められていた表情がふ、と緩む。


(ああ、やっぱりこの方は隊長に相応しい……だけど、私にも。ほんの少しくらい、守らせて下さいね)


 そんな気持ちをそっと心に仕舞い込んで、「 分かりました、いつでも動けるように、待機しています 」と、先程までの落ち込んだ様子などなかったかのように、ふふ、と笑ってみせる。私はもう、大丈夫だと。

 ゾディアが攻撃されたら、すぐにでもこの短剣を引き抜き後に続く。相手が例えディザースターでなくともゾディアに攻撃を仕掛けるものは全て敵と見做す。ディザースターだった場合は……言わずもがな。木の陰に近付いて行くゾディアをしっかりと視界に捉えながらも、両手は腰に下がった短剣へ。あの木の陰に何かが居るというのは、ゾディアの足取りを見ても明白。いつまでも隠れていないで出て来れば良いのに、そう思ったとき。木の陰から現れた一人の少年の姿に、ぶるりと身震いがした。


「あ、れは……ネス、の、副団長――――!」


 前に一度だけ、ほんの少しだけ、見たことがあった。刃を交わしたことはなかったけれど、忘れることはないその顔に。胸が、高鳴る。動きたくとも、ゾディアの言い付けを守らなくてはならない。セルシアンヌがこの場を動けるのは、ゾディアが〝攻撃されたとき〟で。本当は動きたいけれど、その肉を切り裂いて、真っ赤で綺麗な血が見たい。だけどゾディアが傷付くのは見たくない、そんな葛藤と、たった一人戦っていたのだけれど。木の陰から現れたネスの副団長が自身の足を踏みつけたのと同時にゾディアが発した痛みを訴える声に、箍が、外れた。

 ばっ、と短剣を引き抜くと、二本の短剣をぎゅっと握りしめ思い切り地面を蹴り、ネスの副団長目掛けて勢い良く走り出す。セルシアンヌの表情は、今から起こる光景を想像して愉しそうに歪められている。だけどそれと同時に怒りも込み上げていて。ゾディアに、痛い、と、声を上げさせるだなんて。許さない、と



【セレンナ/ディザースターハント本部】


「シェリル様、いらっしゃいませ」


無表情のまま大してリアクションも起こさずに会釈する


「折角来ていただいて申し訳ないのですが、今は特に何も起きていなくて…わたくし達も暇を弄んでましたの

どうでした、こちらに来る間に何かございましたかしら?」


顔こそ変わらないものの、少し首を傾けて問う

ディザースターがいれば問答無用で捕獲しに行くし、なにか不思議なものを見たのなら教えてもらいたい

流石に窓から見えるものが全てだ、なんて下らないことを言いはしないが

別にわざわざ外に行くまでもないだろう


だったら外から来た人に聞けばいい



【ジルレイン/バトラス湖畔】


ん、あれ? なんかボーッとしてたら周りの雰囲気が切羽詰まったものに変わってる気がする

こんな雰囲気だっけか、と周りを見やればなんだかルーク君が身長の高い男性と向き合っていた


ルークは何しに来たんだろう。どう見ても危ない状況だろ、それ


「ルイス、何してるんだい?」


ルークに声をかけ、ルークに向かって走り出した女性の前に背を向けて立ちはだかるように、歩幅を計算しながら走っていく


ルイス、とはルークの事だ。今更だけれど、一応ルークの名を伏せる

多分、あの人たちはディザースターハントの人間だろう

だとしたらあんまり顔を見られない方が良いかもしれない。ディザースターとしてでもあるが

なによりもセレンナにそっくりなこの顔を見られたら、セレンナの方に被害が及びそうだから



【フラム・テムペール/ルミネ市場】


「元気に飛び出した時点でアウトだろ……。

うっさい馬鹿。阿呆。水が無くなったなら私か他の奴らを頼れ」


ちゃんと反省をしてくれることはクウゴの良いところだ。

勿論素直に言えるわけが無いのだが、言えたらこんな悪態を吐かなくても良いのに、なんて思う。


__昔の私だったら戸惑う事無くお礼も言えたのだろうか


はあ、と本日3度目にもなる深い溜め息を吐いた。


「その通りだ。

……今後は砂糖禁止にするかスイーツを禁止にするかどっちか決めて貰おう。アリックに」


こういうものは自分で決めるよりも人に決めて貰った方が楽だし、何よりアリックは団長だ。

もしもボイコットのようなものが起こってもきっと大丈夫だろう。きっと。


「胃の構造が良く分からないお前なら良いかもしれないが、他の奴らはそうもいかねえんだよ……。

ああ、いっそのことあいつらの肉でメイン作るか……?」


フラムなりの冗談なのかもしれないが、フラムが言うと洒落にならない。

それに、目が本気だった。

人混みに長く居たせいもあるのか、元々ぶっ飛んでいる性格が心なしか更にぶっ飛んでいる気もしなくもない。



【クウゴ/ルミネ市場】



「暴言が酷くなってんな…。まぁどうしても寄りたい所があったからすぐ戻ろうとは思ったんだけどな。その時には、そうしてもらうよ」


まぁ、昔の呼び名と「ディザースター」と副作用抱えてどこかへ行くなんて無理があったのかもしれないな、全く、副作用さえなければ慎重になって行けたものの、今回ばかりは俺も馬鹿な事をしてしまったもんだと、そんな物が無かったら、のうのうと普通の生活を暮らしていたのかもしれないな。

っと俺は心無しにそう思ってしまった。


そして自分もはぁと、自然に溜息を吐いてしまった。


「「甘物は体に毒だ」っと言ってやれば団長も納得するんじゃない?、アイツ等が糖尿病になるとロクな事ないから困る。まぁ治療担当の彼奴の気分によってだがな…」


どうせ彼等も甘物渡して言う事聞くほど餓鬼じゃないだろう。

それに殺人鬼は、甘物には最も嫌いな好物とも言えるしね。


「だろうな。………俺はこれ以上化物になるのはゴメンだね」

なんせ「殺人鬼」と「ディザースター」の肩書きを背負われて、挙句の果てには「食人」なんて名前をつけたら、外も歩けなくなってしまうだろう。と俺は半分冗談な言葉と思いながら軽くその言葉を返す。



【ルーク/バトラス湖畔】


 目の前の男の反応を見て、チッと小さく舌打ちをしたルーク。さすがに最近能力の練習をしていなかったから鈍っているようだ。もう何も術もなく、ただ口をつぐんでいた。どうやら神様は相当酷い人らしく、後ろにいたハントの女がこちらに向かって走ってきた。


(……きっと彼女がこの男に向けている忠誠は、僕がアリックに向けているものと同じくらい大きいのだろうな)


 男が自身の武器を取り出すのを気力もなく諦めきった顔つきで見ていた。……が、それもほんの束の間。ルークは目を見開いた。この男が自分に向けたその顔が許せなかった。気にくわなかった。まるでルークに同情するかのように申し訳ないというような、その顔が何とも嫌で仕方がなかった。こんな感情は初めてだった。今まで怖かったはずなのに、なぜか怒りという感情が芽生えてきて。拳をギュッと握って、歯をギリッと噛み締める。もう男に飛びかかりそうになった。____そのところで、聞きなれたあの声が耳に届くと自然と心が和らいだ。


「ジルレ、イン……」

 自分に気づいてくれた、ということより自分を助けてくれた、ということが何より嬉しかった。ルイスという名前に疑問を感じたが、それはルークを少しでも庇うものであったことに気づく。そんな些細な心遣いが嬉しく感じた。

 でも、と少し不安を感じた。ジルレインの妹はあっちのハント側だったから。




はい、ドルチェはまだまだ市場から脱出できず(てかしなくていい)

まぁさほど進まないのが落ちですけどね。

テストとか体育祭とかで絶賛忙し中!そして何故かリレーに出そうになる投稿主!

もう嫌です…ってことで復活しました

また生温かい目で見てもらえると嬉しいです


というか今頃だけどもうちょいましな地名は浮かばなかったのか。途中でなんか変わってきますが、何かが。そこには飯と言う存在が…

今日ですね、学校でキノコの山派とタケノコの里派で討論してたんですよ。だから僕が第三勢力としてカントリーマーム派でまじっちゃいました。それだけですはい。というか何故か砂糖。なんかギャグに…シリアスなギャグほしかったんですよ。だから砂糖。それ以上も以下でもない

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