プロローグ
中学二年生の二階堂誠治は、親友の東海林芳正と、今はすでに落ちぶれてしまったと思われる東京タワーにいる。来た理由はひとつ。東海林が「東京タワーから見た景色を写真に収めたい」というからである。何故東京タワーじゃないとダメなのか、二階堂にはよくわからなかったが、面白そうなので付いて行くことにした。
「おーい、二階堂。こっち来いよ。写真とってやるから。勿論東京の景色を背景に、だぞ」
二階堂は面白そうなので映る事にした。
(写真撮影の描写は省略させていただきます)
写真を撮り終わった東海林の顔は、楽しんでいるわけでも笑っているわけでもない。その顔は、驚きと恐怖に満ちていた。
「どうした?」
「おい、これ、見ろよ」
東海林に言われて見せられた写真に写っていたのは、二階堂だけではない。その隣りに、青白い人が写っていた。それは俗に言う、「幽霊」かもしれない。そして、それが写っている写真、つまり、心霊写真だ。
「おかしい。絶対におかしいって!だって、写真撮る時、二階堂の隣りには誰もいなかったんだぜ?それに、僕にも二階堂にも、霊感があるわけでもないし」
「解らない。本当に幽霊なのかはまだ解らないだろう?実はフィルムとかの調子が悪くてこういうものが写っているように見えるとか、もっと違う理由があるんじゃないのか?」
「そうなのかな。二階堂、お前は念のため、神社でお祓いしてもらったほうがいいぞ」
「怯えすぎだよ東海林。そんなに言うならお前こそお祓いしてもらえ」
東海林は幽霊とか、そういう類のものが苦手だ。心霊写真でこんなに過剰反応する東海林の方が二階堂には怖く感じられた。
「変なこと言われたら怖いよ。二階堂、明日一緒に神社行こうぜ」
「仕方ないな。お前はビビり過ぎなんだよ」
そう言って、二階堂たちは別れた。
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今日は日曜日だ。そういえば今日は東海林と神社に行く日だ、と思いながら二階堂は出発の支度をする。
「東海林のビビりめ」
そう呟きながら二階堂は神社に向かった。
神社にはもうすでに東海林がいた。
「二階堂、遅いよ。僕はもうお祓いしてもらったよ」
「早っ!変なこと言われるのが怖いんじゃなかったのかよ!何の為に俺が来たと思ってんだ!」
「あ、ごめん」
「もういい。俺もお祓いしてもらう」
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二階堂はお祓いが終わったあと、神社の人に分厚い本を貰った。
「そなたには悪い霊が憑いておる。その霊は様々な呪いをかけるであろう。この本は呪いの効力や解呪方法について記された本。どんな呪いでも三日以内にとけ。さもなくば、そなたを破滅に追い込む呪いがかかるであろう」
二階堂は意味深な言葉に戸惑いながらも、本を持って東海林のところに戻った。
「重っ」
「二階堂!何それ」
二階堂は、あまり悪霊の事を喋ってはいけないなと思い、「なんでもない」とごまかすことにした。
「何でもないって言われたら余計気になる!見せろォォォ!!!」
「やめろ!これは東海林の苦手なものがたくさん書いてある本だ」
その言葉で、東海林の顔が青ざめた。
「今日はもう帰ろう。俺はなんか気分が悪い」
「二階堂、何が―――」
「聞かないでくれ」
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二階堂は家に帰ってからも、変な気分がしてならなかった。悪霊が憑いているなんていきなり言われても、信じられない。が、信じるしかない。現に写真には霊が写っているし、お祓いの人にもそう言われた。そして何よりも、今日は朝から体が重い。気分的なものかもしれないが、それも悪霊がもたらす災いの一種だ。そう考えていた。
様々な呪いがかかる。それに、明日は月曜日。学校だ。二階堂は段々不安になり、同時に怖くなってきた。その夜はなかなか寝付けなかったという。
次回から恐ろしい呪いがスタートです。




