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黒泥の魔術師  作者: 11時11分
黒の魔術師と魔王となる少女
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幕間:決闘の悪魔

 五年前、入学したての濡羽は一年に一度の大試験を終え、手元に来た結果を眺めていた。

 やってしまった。

 俺は自分の試験結果を見ながら頭を抱える。

 筆記試験:100点、実技試験:20点、実習試験:980点。

 筆記と実習は良いのに実技が……

 アヴァロンの三つの試験はそれぞれ貰える単位数が異なる。

 年三回行われる筆記試験と実技試験。

 筆記試験は最大で500単位、実技試験は最大で750単位貰える。

 年一回の実習試験は点数分単位が貰えるので満点で1000単位貰える。

 筆記試験は間違いなく500単位、実習も980単位貰える結果だ。

 問題の実技は……

 一点当たり7.5単位だから、20点の俺が貰える単位は150単位。

 つまり今回の試験で貰える総単位は1630単位。前回の試験は590単位しか貰えなかったから、現状俺が試験で得た単位数は2220単位。

 この調子で行けば卒業単位数一万は楽に達成出来るが、試験の難易度は段階的に上がるのでこの調子で行けば確実に実技の点数は下がり、実習の点数も少しづつだが下がっていくだろう。


「はぁ〜〜、どうしよう」


「どうしたの、濡羽。試験結果そんなに悪かったの?」


 試験結果用紙を片手にミアが頭を抱え悩む俺に近づく。


「そうなんだよ」


「残念ね。でも濡羽なら何とかなるでしょ」


「何とかって……ミア、君の結果はどうだったんだよ」


 その瞬間、ミアの顔は先ほどの陽気さを失い試験結果用紙を素早く背中に隠す。


「まぁまぁよ」


 怪しいな。

 俺が背後に回ろうとするとミアも合わせて回る。


「見せてくれよ、友達だろ?」


「笑わない?」


「笑わないって……」


 俺はミアから試験結果用紙を受け取り、内容を見る。

 筆記試験:15点、実技試験:80点、実習試験:850点。

 これは……


「酷い点数だな」


「酷いって濡羽とあんまり変わらないじゃない!」


 いや、単位数にすると1525単位で俺より100少ない。

 前回の試験結果は見ていないがこの結果を見るに良い結果ではなかっただろう。


「ミア、俺たちこのままだと卒業出来ないぞ」


「後、五年もあるし大丈夫だよ」


「そう言って五年後に苦悩しているお前が見えるよ」


「うっ」


 そう言う俺も苦悩してそうだな。


「じゃ、どうするの?」


「単位を得れるのは試験だけじゃない。勅令や魔女の競技会での活躍もあるだろ」



 勅令は滅多に出ないが達成すれば多くの単位を得ることが出来る。

 魔女の競技会も競技に寄るし優勝限定だが勅令並の単位を得ることが出来る。

 勅令は在学時に出ない場合もあるので勅令頼りは無理なことは確実。

 そして魔女の競技会は2年後であり、俺が優勝出来そうな競技は無かった。


「俺は無いけどミアなら一つくらい優勝できる競技があるんじゃないか?」


「友達を置いて先に行くのは絶対に嫌よ」


「分かった。それなら方法は一つだな」


「そうね。私もその方法が楽だし良いと思っていたのよ」


***


 一人の男子生徒が寮から講義棟に向かって歩いていた。

 考えことをしながら歩いていると、突然声が響く。


「そこの人」


 男子生徒が見るとそこにはピンク髪の美人な女子生徒が立っていた。

 その背後には黒髪の男子生徒が立っていた。


「ぐへへ、可愛いね。お嬢ちゃん」


「……助けて」


 美人な女子生徒の悲痛な声に男子生徒は下心と勇気から動く。


「何をしている! 離れろ」


「何だ! テメェ、俺とやる気かよ。やるってんなら決闘で勝負付けようぜ」


 黒髪の男子生徒は手袋を半脱ぎする。

 その時、離れられた女子生徒が助けてくれた男子生徒に近づく。


「助けてくれてありがとう。重ねてお願い、あの人を倒してください」


「は、はい」


 男子生徒は女子生徒の美しさに当てられ、頬を染める。

 手袋が投げられ、決闘が成立する。


「悪党め、僕が懲らしめてやる」


「ハハハ……」


 黒髪の男子生徒は不敵に笑う。


「何を笑ってる!?」


「いや、本当に鴨が掛かるなんてと思って」


「鴨……?」


 男子生徒はその意味を理解する暇もなく黒髪の男子生徒にノックアウトされ、単位を奪われる。


****


「いやー、思っていたより上手くいった」


「そうね。今日だけで1000単位も稼げるなんて、まぁ分けるから500単位だけど」


 決闘、学院に認められた正式な権利で勝った方は負けた方から100単位を奪うことが出来る。

 一見便利に見えて決闘の成立には双方の同意が必要なため、一方的に出来るものではない。

 だからミア=美少女が暴漢に襲われている場面を作り出し、善意の心と下心を煽ることで決闘を同意させ、俺がボコるという作戦を立てて俺たちは行った。

 結果は10人の鴨がかかった。でも、この方法は毎日行えるものではないし俺たちの要望とこの方法が有名になれば通用しなくなる。

 だから、今のうちに行いまくって……


「ミア、鴨から単位を毟り取るぞ」


「ええ、そうね」


 結果、20人ほど引っ掛けたタイミングで学院側から決闘での単位奪取が廃止されてしまった。

 そして俺たち二人は悪い意味で有名になり、決闘の悪魔と呼ばれるようになった。

 その悪名から織可と出会ったのは別の話……

作者からのお願い

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誤字脱字の方向も受け付けていますので、どしどしお願いします。

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