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黒泥の魔術師  作者: 11時11分
キングクラウン 〜戦いに恋し、姉妹を愛す〜
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第30話:魔法使いの問題

 病室から出て、手紙に書かれていた事を二人に伝える。


「何よ、それ。不当じゃない」


「そうですね。これは抗議しに行ったほうが良さそうです」


 俺とミアは卒業が懸かっている為、足早に職員室に向かった。

 二人を追うようにルナも駆ける。


「先生、眼鏡先生は居ますか?」


「濡羽か、どうした? それに俺の名前はシリアスだ」


 例のメガネを付けた若い先生が反応した。


「良いじゃないですか? 先生、私たちの仲でしょ、後で奉仕しますので」


 彼、シリアス先生は俺やミアみたいな単位が足りなかったり問題行動の多い生徒を諭す生活指導の先生のため、ある程度は親交がり、俺とミアは仲が良いと思っている。


「ミアさん、相変わらず君の言葉の破壊力は凄いな。遠くで盗み見ていた、デリケート先生がまた気絶したよ、これで十回目だ」


「先生、すみません。慰謝料はまた払いますので」


 鼻血が流れ止まらないデリケートは腕を上げ、グットマークを手で作った。


「はぁー、で何で生徒会庶務の方が君たちの隣に居るのかな? まさか、君ら生徒会に喧嘩売ったのか!」


 ただの教師であるシリアスでは生徒会の権力には遠く及ばず、生徒会に強く出れるのは教授である九人の魔女か、魔女が代理と認めた筆頭教授補佐官だけだ。


「まさか……俺たちがそんな馬鹿げたことをすると思いますか?」


「いや、君はするね!」


 断定された。

 まぁ、それだけ問題行動も起こしているしな。


「失礼、シリアス先生。私は二人の同行者のルナ・フェメノン・ルージュ生徒会庶務です」


 ルナはお辞儀する。


「シリアス・グラサーです、顔を上げてください。私は一介の教師ですので、シリアス呼びで良いですよ」


 シリアス先生は慌てながら、お辞儀する。

 それもそうだろ。相手は七家のフェメノン・ルージュのご令嬢で生徒会庶務だからな。


「分かりました、シリアス。今回私たちが貴方を訪ねたのは勅令の報酬が免除された件です」


「あれですか。あれは教授様方がお決めになった事なので私には何もお答えできません。もしかしたら、筆頭教授補佐官なら何か知っているかもしれません」


「では、筆頭教授補佐官の居場所を教えてください」


 シリアスは教師がいっぱいる場所に向かって、大声で尋ねる。


「おい、誰か筆頭教授補佐官の場所を知っている奴いるか?」


「さぁ?」


「知らないな」


「この時間ならトイレで飯を食っている時間じゃないか、それか胃痛で苦しんでいるかのどっちかだろ」


 トイレで飯?

 筆頭教授補佐官ってもしかしてボッチ?


「多分ですが、教師専用トイレに居ると思います」


「ああ、分かりました」


 分かりました? それで済む問題なのか?

 俺とミアは疑問符を浮かべながら職員室を出た。ルナは終始、普通といった感じだった。


「おい、筆頭教授補佐官の情報聞いた限りおかしいだろ」


 俺の言葉にルナが足を止めた。


「濡羽くん、ミアさん。魔法使いには二種類居るんですよ。魔法を使う魔法使いか、魔法に使われる魔法使い」


 ルナは歩み始め、真面目な雰囲気で続ける


「魔法使いは生まれた時から魔法という強大な力であり枷を持っているの。強大な己の魔法に飲み込まれれば、貴方たちがよく知る傲慢で威圧的な魔法使いか常に孤独で弱った者になる。だから、私の代から幼少期に精神を安定させ、心の本音を言える精神科医の診断を受けるようになったの、でも私より上の代の魔法使いはそんな事してこなかったからほとんどの魔法使いが何かしら問題を抱えていると思って」


 魔法を使うか、魔法に使われるか。

 言葉にすれば少しの違いだが、意味においては大きな違いだ。

 魔法使いにも魔法使いの問題があるのか。

 こういう事を伝えていけば、世の中は少し良くなるんじゃないか。


「で、これから会う魔法使いはその筆頭と思ってちょうだい」


「会ったことあるのか」


「ここに入学した魔法使いが最初に会う教師で学院で問題を起こさせないために入学者全員の鼻をへし折るのが彼の役目。魔法で人生を例え狂わされても魔法は強力なのよ」


 そこは教師専用トイレだった。

 ルナはトイレの中に入れないので、外から声を掛ける。


「リネス筆頭教授補佐官、用事があって来ました。いますか?」


「ちょっと待ってろ」


 トイレの中から声と弁当を急いで片付ける音が聞こえる。

 片付け終わったのか音が消え、トイレから出て来たのは若い男性だった。

 目を隠すほどに伸びた髪と漂う陰鬱な雰囲気が相まって、どこぞの妖怪みたいだった。


「どうした、ルナ。孤独な僕を呼ぶなんて一緒にご飯を食べてくれるのか?」


「いえ、違います」


「そうだよな……そうか、やはり孤独な僕は孤独だな」


 男性は肩を落とす。

 明らかに悲しんでいるな。


「おや? 今日は友達も居るのかい」


「はい、濡羽とミアさんです」


「どうも初めまして、濡羽です」


「初めまして、私はミアです。どうぞ、よろしく」


「陰鬱なモブと陽気キャ美少女のセット……ラノベかよ」


 おい、こいつ小声で勝手に突っ込んだぞ。


「初めまして、リネス・パーソン筆頭教授補佐官です。これでも魔法使いです」

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