表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/79

24-5・ブラークさんとの戦い

「わ・・・わかりました」


 背負っている剣と鉄の盾を装備する。剣と盾を握っている手が振るえている。足が皆にも解るほど震えていて恥ずかしい。


「尊人くんっ!無理だって!」


 真田さんが止めてくれるけど、退く気は無い。ブラークさんに勝てるわけがない。バカじゃないんだから、それくらい解っている。だけど、ヘタレな僕にも「大切な友達を守りたい」って意地はある。ブラークさんに一太刀でも浴びせて怪我をさせれば、智人トモのところには行けなくなる。


「尊人!中途半端な気持ちなら退け!やるなら本気でやれ!」

「うん!」


 藤原くんは言葉で背中を押してくれた。おかげで、震えが少し納まる。


「浩二、早璃、土方、鷲尾、オマエ等の特殊能力を貸してやれ!」


 4つの富醒がレンタルされる。


「ありがとうっ!」


 特殊能力・レンタルを発動して、土方さんのウインドミルと鷲尾くんのアジリティを選んで待機状態にする。


「沼田はフォローしてやれ!」


 沼田さんのヒールで僕の全身が輝く。これで、即死以外なら回復できる。


「ファイヤーウインドミル!」


 右腕を縦に何度も廻して、ブラークさん目掛けて火の玉を飛ばす!・・・とは言え、ノーコンな火の玉では、1/5くらいしかブラークさんの正面に飛んでいかない。しかも、ブラークさんの剣で楽々と受け止められてしまう。

 だけど、ハナっから火の玉でブラークさんを倒せるとは思っていない。先手を抑え込めればそれで良い。防御姿勢になったブラークさんに向かって突進する。


「稚拙っ!それで駆け引きをしたつもりか!?」


 ブラークさんは素早く対応をして剣を振るった!


「アジリティ!」 


 ブラークさんの剣は空を切る!ブラークさんが捕らえたのは分身だ!その隙に、ブラークさんの背後に回り込む!


「後かっ!」


 回転斬りを仕掛けてきたので、バックステップで回避!対応されるのは予想していた!ブラークさんを相手にして、「今の一連だけで揺動が成功する」なんてハナっから考えていない!

 剣の通過を待って再び踏み込んだ!ブラークさんは後退をしながら向き直り、剣を振り下ろす!

 だけど、着られた僕は残像で、ブラークさんの剣は再び空を切る!


「なにっ!?」

「わぁぁぁっっっ!!」


 分身の真横からブラークさんの懐に飛び込んで、盾でブラークさんの剣を弾き、先生の剣を振るった!


「くっ!」


 慌てて後退をしたブラークさんの胸に切っ先が当たる!しかし、胸当てに邪魔をされて、ダメージは通らない!


「腕を上げたな!見違えたぞっ!」


 ブラークさんが体勢を崩しながら剣を横凪に振るう!体重の乗っていない剣閃だったので、すかさず盾で受け止めた!剣を弾けばもう一歩踏み込める!次こそは一撃を入れられる!僕自身が「ブラークさんに善戦していること」に驚いていた・・・が。


「マジックソード・雷!」

「くっ!」


 電流攻撃は僕(と言うか真田さん)の得意技だ!一定の警戒はしていたので、素早く盾から手を離した!


「ぎゃぁぁっっ!」


 だけど甘かった。マジックソードの電流は僕や真田さんの発する電流とは別次元だった。盾から放電した電流に弾き飛ばされて体勢を崩す!

 どうにか体勢を立て直した時には、ブラークさんの剣の先端が、僕の胸に向けられていた!


「少しばかりオマエを見くびっていた。

 僅か数日で、よくぞここまで腕を上げたな!

 この敗北から学び、更に強くなれ!」

「ヤバいっ!」

「マジックソード・旋!」


 切っ先から発せられた竜巻が着弾!


「ぎゃぁぁっっ!」


 何度も回転をしながら弾かれて宙を飛び、墜落の衝撃と同時に目の前が真っ暗になる!



「尊人くん!」 「尊人っ!」 「源君!」


 目を開けたら、仲間達が僕の顔を覗き込んでいた。


「あれ・・・ぼくは?」

「忘れちゃったの?ブラークさんと戦って弾き飛ばされて・・・」


 真田さんが状況を思い出させてくれる。


「ああ・・・そっか。僕、負けちゃったんだね」

「沼田さんのヒールで回復してなきゃ、しばらくは起きれなかっただろうね」

「・・・うん、ありがとう沼田さん」


 吉見くんの言うとおりだ。上半身を起こして、恩人の沼田さんにお礼を言う。

 ハナから勝つつもりはなかったけど、一発もダメージを与えることができずに惨敗したのは予想外だった。


「少しはマシに戦えるようになったと思ってたんだけどな」

「バカ言うな。オマエとアイツじゃ強さの次元が違いすぎる。

 アイツが手を抜いていなかったら、

 オマエの胸には風穴が空いて即死だったろう」


 藤原くんに言われて胸を見たら、胸当て部分が完全に砕けていた。革の鎧は、これでもう使い物にはならない。


「これって・・・意図的に?」

「・・・だろうな」 


 ブラークさんは、鎧を破壊して、且つ、僕には傷を付けない破壊力を調整して技を放ったのだ。圧倒的な戦力差があるからこそ、そんな芸当が可能なのだろう。

 ブラークさんと初めて会った時、トロールを一瞬で黒焦げにしていたことを思い出す。ブラークさんが最初から本気で戦っていたら、「胸に風穴」どころか、原型が無くなっていたかもしれない。


「イケ好かない奴だが、オマエへの信義だけは本物らしいな。随分と妙な奴だ」

「うん・・・信頼できる人だよ。

 ブラークさんは先に行っちゃったんだね・・・追わなきゃ」

「ああ、そうだな」


 藤原君に差し出された手を取って立ち上がる。


「えっ!?追うの!?まだ戦うつもり!?」


 真田さんが驚いた表情で質問をしてきた。


「戦うつもりはないけど、トモとブラークさんの衝突は止めたい」

「放っておけば面倒な手間は省けるかもしれんが、他人任せにはしたくねーんだ」

「ん?尊人くんがふーみんに影響されてウザくなってる?

 ふーみんが尊人くんに感化されてお人好しになってる?どっち?」


 僕と藤原くんは、互いの眼を見て少し照れ臭そうに笑う。


「藤原くんがお人好しなの」

「チゲーよ。尊人がウゼーんだ」

「あっれぇ~?意外な組合せ。いつの間にマブダチになった?」


 ブラークさんに先行されてから、まだそれほど時間は経過していない。僕等は馬を駆って(僕は藤原くんの後だけど)先を急ぐ。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ