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23-3・究極の二択?

「なぁ、尊人」


 僕と藤原くんは同室を宛がわれた。真っ暗な部屋の中で「イビキをかいたり寝言を言ったら明日怒られそう」と緊張をしていたら、藤原くんが声を掛けてきた。


「織田に会ったらどうするつもりだ?」

「急になんで?」

「ホレてんのか?」


 まさか、藤原くんと恋愛談議をする日が来るなんて思っていなかった。


「・・・うん。なんで解ったの?」

「隠す気が無いとしか思えないくらい解りやすすぎるんだよ。

 オマエの狼狽えっぷりと、早璃の気遣いっぷりを見てれば誰でも気付くだろ」

「そうなの・・・かな?」

「早璃はまだガキだ。見てられん。あまり気を使わすな」

「・・・うん」


 真田さんにいっぱい気を使わせて、いっぱいフォローしてもらっているのは自覚している。自分自身が情け無い。

 でも、なんで藤原くんは急にそんなことを言うのだろうか?前に沼田さんから「藤原くんは真田さんにコクってフラれた」と聞いた。今でも真田さんが好きだから、真田さんの行動を気にしているのかな?興味があるけど怒られそうで聞けない。



 帝都の屋敷に戻ったのは、翌日の夜だった。かなりの強行だったけど、馬に頑張ってもらって、50㎞の道のりを1日で帰ってきた。

 遅い時間帯だったけど、明日に廻すべき報告ではないので、その日のうちに方針会議をする。


「おうかっちを連れてくるためにセイの町に行く!・・・1択しかないでしょ!

 みんなが反対しても、あたしは行くよっ!」


 真っ先に提案をしたのは、何故か真田さんだった。直ぐに土方さんと鷲尾くんが同意をする。


「反対なんてするわけないでしょ」

「俺も行くぞ」


 沼田さんは真田さんに対してクールダウンを要求する。 


「早璃ちゃん、何をそんなに焦っているの?」

「だって・・・おうかっちなんだよ」

「意味が解んない。なんで特別扱い?」

「あたしがミスらなきゃ・・・

 もっと早く合流できてたかもしれないから・・・」


 吉見くんは沼田さん以上に冷静だ。


「それは結果論でしょ。

 会えなかったかもしれないし、纏めて秘境狩りをされてたかもしれないでしょ。

 前に『セイに安藤さんがいる』って話になった時、

 『徳川くんの所に居るなら安全だから合流は後回し』って決めたよね。

 なんで、織田さんは特別扱いなの?

 反対をするつもりはないけど、急に方針を変えた理由は知りたい」

「だって、セイの町にいるのが5人になったんだよ!」

「増えたのは事実だけど、徳川くんの所なら安全てのも変わらないよね?

 ノスの軍隊が直ぐに報復に動くなら助けた方が良いけど、

 簡単には立て直せないくらい壊滅したんでしょ?」


「俺は反対だ」

「理由は?」

徳川チートは『残りたい派』なのだろう」


 近藤くんは言葉足らずで説明不足だけど、「人数が集まる前に『残りたい派』の智人トモを刺激したくない」と言っているのだろう。

 これで、接触(即時行動)派が真田さん&土方さん&鷲尾くん、反対(慎重)派が沼田さん&吉見くん&近藤くん、意見は真っ二つに分かれて、宣言をしていないのは僕と藤原くんだけ。


「源くんはどうなの?当然、櫻花おーちゃん迎えに行きたいんでしょ?」


 土方さんは、僕が櫻花おーちゃんを好きなことを知っている。だから脅し気味に同意を求める。


「・・・僕は」

「反対をする理由なんて無いよね?」

「・・・・・・・・・・・」

「ハッキリしなさいよ!男でしょ!」


 言うまでも無くおーちゃんに会いたい。だけど、藤原くんから「早璃に無理をさせるな」と言われた。真田さんは今も無理をしている。「セイに行く」に舵を切ったら、真田さんがもっと無理をしそうで怖い。

 僕が反発をした所為で、智人トモは真田さんを逆恨みしている。真田さんをトモに会わせたくない。真田さんを連れて行きたくないけど、彼女は絶対に「付いてくる」って言い張る。


「尊人くんっ!」


 真田さんが真っ直ぐに見詰めて同意を求めてきた。ダメだ。その視線は逆効果だよ。ずっと櫻花おーちゃんに会いたいって思ってたのに、君に見詰められると決心が鈍る。


「結論を急ぐな。

 中坊共(尊人&早璃)は長旅で疲れて思考がまとまらねーんだよ。

 方針会議は明日に持ち越すぞ」


 藤原くんが見かねて助け船を出してくれたんだろうか?話し合いの中断を提案する。


「あたしは中坊じゃない!あたしはちゃんと意見を言ってるよ!」

「その意見がオマエの本心かどうか解んねーって言ってんだよ!」

「あたしはっ!」

「うるせー。ガキはサッサと寝ろ」


 真田さんが食い下がるけど、藤原くんは会話を一方的に打ち切って自室に戻ってしまった。

 その後もしばらくは意見交換を続けるが、誰も意見を変えず、僕は頭と心が真反対の意見を持ってしまって答えを出せない。結局は、リーダーが意見を提示をしないまま会議から抜けてしまった為、話は先に進まずに解散となった。



 僕ってクズなのかな?浮気者なのかな?仲良くしてくれるなら誰でも良いのかな?


 櫻花おーちゃんに会いたい。初恋で片思い。ずっと前からおーちゃんのことが好き。おーちゃんよりも好きになれる人なんていないと思って生きてきた。


 真田さんに傍にいてほしい。隣にいてくれると、時々は無理をしちゃうけど、自然体のままで頑張れる。これが恋愛感情なのか友情なのか解らない。


 もし、真田さんへの感情が恋ならば、おーちゃんへの感情がなんなのか解らない。


(僕・・・バカじゃね?

 何様のつもりで、選ぶ立場で悩んでんの?)


 そもそも論として、2人が僕みたいな何の取り柄も無い奴を好きになってくれるわけがない。凡人と美少女2人三角関係なんて、僕みたいなモテたことが無い寂しい男子の妄想だよ。


(おーちゃん、なにやってるかな?

 トモに保護してもらって、戦わなくて済むようになって、

 ふかふかなベッドでゆっくり眠れてるかな?

 トモなら、おーちゃんを戦わせたりしないで、ちゃんと守ってくれるよね)


 僕の考えはまとまった。

 櫻花おーちゃんには会いたいけど、それはあくまでも個人的感情。藤原組に一番必要な行動を最優先にしたい。



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