↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/79

17-4・藤原くんからの挑戦状

「あの・・・藤原くんは反対なの?」

「仲間集めは悪くない!

 オマエの実体験を元にした仮説には納得できた!」

「だったら、なにが?」

「オメーの性根だっ!

 この場にいる誰よりも死線を潜り抜けて、

 数は少ねーけど、この場にいる誰よりも強い信頼を掌握して、

 それでいて、そんな腰の抜けたことしか言えねーのかよ?」 

「だったらどうすれば?」


 仮に「僕がリーダーになるから皆で『帰りたい派』を集めよう」と言って、誰が付いてきてくれる?その場では纏まったとしても、絶対に不満が生じる。この場にいるのが僕より優れている人ばっかりなんだから当たり前だ。

 だから僕は、引き摺り降ろされる可能性が一番低い人をリーダーに望んだのに、何を間違えてしまった?


「俺と勝負しろ!」

「えっ?お酒で!?」


 真田さんがその身を犠牲にして仲裁したのを不満に思っている?


「チゲーよバカ!こっちだっ!」

「・・・え?」


 藤原くんが握り拳を突き出した。さすがにこの状況で「グータッチを求めている」ではないことくらい僕にも解る。


「喧嘩・・・ってこと?」


 喧嘩なんてしたことが無い。力だけじゃなくて言葉でも、人を傷付けたくない。これまでの17年間、それを精一杯避けて生きてきた。


「喧嘩はちょっと・・・」


 沼田さんが言った通り、目の敵にされている?それなら心配ないよ。今までは僕と真田さんしかいなかったから一緒に動いていただけ。親友の沼田さんや頼れそうな同性の土方さんがいるんだから、僕と真田さんのコンビは解消されるよ。


「武器は、それぞれが使い慣れた自前」

「えっ?武器を使うの?」

「この世界で生き抜く為の喧嘩だ。武器使用は当然だろ」


 喧嘩じゃなくて殺し合い?


「ハンデはくれてやる。まんま戦ってもオメーに勝ち目は無いからな。

 オメーの特殊能力はレンタルつったっけ?

 攻撃系の特殊能力。つまり、浩二や土方の特殊能力を借りるのは許可してやる」

「で、できるわけないじゃんっ!」


 こんな条件では、どちらかが・・・いや、ほぼ間違いなく僕が死ぬ。やっぱり僕を目の敵にしている?目黒くんと同じで、僕を排除するのが目的?


「オマエさ・・・好きな女が目の前で危険な目に合っても、

 そんな悠長なこと言って誤魔化すのか?」


 櫻花(おー)ちゃんのこと?おーちゃんがモンスターに襲われてたら全力で助ける。でもそれは、おーちゃんに限ったことじゃない。モンスターに殺されそうな人がいれば、相手が誰でも助ける。


「なんで急に?その話、今は関係無いよね?」


 モンスターが相手なら戦うよ。僕が争いたくないのは人だよ。


「早璃はこっちで引き取る。オマエは出て行け。

 戦うべき時に戦えないヘタレは要らねー」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」


 真田さんとのコンビが解消されるのは受け入れている。だけど、これは思ってたのと違う。ここまでずっと一緒に頑張ってきたのに、真田さんだけ預けて「もう僕は無関係」「はいさよなら」は嫌だ。


「納得できないっ!」


 今までは、怖くて藤原くんの目を見られなかった。藤原くんを睨み付けて解った。攻撃的な目をしているけど、黒い目はしていない。彼は僕を蔑んではいない。僕を潰すのが目的ではない。


「戦うよっ!

 ヘタレは否定できないけど・・・なんにもしないで負けるのは嫌だ!」

「決まったな!

 勝負は日が沈んだ直後!場所は西の壁門の外!」

「僕が勝ったら、要求通りチームリーダーになってもらうよ」

「勝つつもりかよ?良い度胸してんな!

 明るいうちに、借りる特殊能力を決めて、使い方をマスターしておけ!」


 藤原くんは、言い捨てるとサッサと自室に戻っていった。

 メッチャクチャ怖かった。心臓が爆発して、体中の血管から血が噴き出しそうだ。

 吉見くんが寄って来てくれた。近藤くんと土方さんと鷲尾くんが「こいつマジか?」と言いたげな目で僕を見ている。


「ごめん、ちょっと1人にさせて」


 緊張しすぎて目眩がしちゃって、気の利いた言い訳を考えることができない。


・

・

・


 屋敷の外に出て新鮮な空気を吸って、15分くらい経って、やっと少し気持ちが落ち着いてきた。同時に「なんてバカなことを?」と後悔をする。

 提案をして情報交換をしたかっただけなのに、どこで会話を間違えたんだろう?千幸(せんこう)高校で最弱クラスの僕が、なんで、同校のラスボスと戦わなきゃなんだろう?


「・・・どうしよ?」


 逃げる気満々だったのに、なんで急に変なスイッチが入っちゃったのか?人って、頭に血が上って、自分が制御できなくなって、犯罪者になるのかな?自分が怖いよ。


「・・・真田さん」


 真田さんの話題がスイッチになったことだけは解っている。「藤原くんに目の敵にされてるかもしれない」なんてどうでも良かった。納得ができないまま離ればなれになりたくないって・・・そう思った。


「・・・ん?」


 影が差したので顔を上げたら、剣を持った近藤くんが立っていた。


「付いてこい。俺の特殊能力を見せてやる」

「うん・・・ありがとう」


 そっか。ハンデをもらったんだっけ?通常の勝負なんてしたら(僕が)虐殺されるの決定だもんね。ハンデをもらったのに負けたら、何も言い訳ができなくなる。勝つつもりで戦いたい。


 藤原は悔しいと思いながら「早璃の男を見る目」が正しいかどうかを計っている。その矢先に尊人が他人依存な提案をしてきたので「男として腰抜けすぎる」と激怒をした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。