表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

嫌な日の投稿

私は江野畑。今日は、学校でちょっとだけ嫌なことがあった。今度、藤井たちが休日にアウトレットモールに遊びに行くんだけど、なんとそれに私も誘われてしまったんだよ!しかも、誘ってきたのは山田っていう、おかしなやつ!一人じゃ行けない犬カフェに一緒に行こうって誘ってきたんだよ?まったく、私のことなんだと思ってるんだろうね。まあ?私は優しいから、山田が奢るっていう条件で乗ってあげたよ。まったく、嫌だねぇ。本当、山田なんて特に気に食わないよ!

家に帰ると、夕食のいい匂いがしてきた。今日の夕ご飯はラタトゥイユらしい。

「おかえり。今日はあんたの好きなラタトゥイユにしたよ。これならいつもみたいに遅くまでご飯を食べないなんてことはできないだろう?」

ママがそう言う。ちょっと夕ご飯を食べるのが遅い時間になるからって、そこまで言う必要はないと思う。

「あんた、もしかして、今日も買い食いしてきたんじゃないだろうね?別に、お菓子を食べること自体が悪いとは言わないけど、あんたの食べる量はだいぶ多いし、栄養バランスとか何も考えてないから、もっと頻度減らしなさいって言ってるのに...」

さらに口うるさく言ってくるママ。別に今日は食べてないし!それに、最近は頻度も減らしてきてるし!

「うるさいなぁ。私だってちょっとは体型に気を使ってるよ!おなかが出るのとか嫌すぎるからね!それに、今日は買い食いしてないから!」

ママは少し驚きながら、

「そう?それならいいんだけど。ほら、あんたって小遣いの大半をお菓子で使うでしょ?それも心配で心配で...エンゲル係数いくつになるのって...」

あ~~、もう!むかつくなぁ!大体、私のお小遣いなんだから別に私の勝手でしょ!エンゲル係数は半分もいってないし!なんでこう、人をイラつかせることばかり言うの、この人は!

「はいはい、もうわかったから!それじゃあおやすみ!」

ラタトゥイユを食べ終わった私は、すぐに自分の部屋に駆け込む。

「あ、こら、おやすみなさいじゃないでしょ!...まったく...早く風呂に入って洗濯物出しなさいよ!」

私は自室のドアを少しだけ開けて叫ぶ。

「ラタトゥイユは美味しかったから!あと、風呂はすぐに入るから、お湯抜かないでよ!」


自室に戻った私は、すぐにスマホを取り出し、今日は何を投稿しようか考えるために、一分ぐらい今日のことを振り返る。

「...ああもう!今日は嫌なことが多すぎ!」

本当に今日は色々なことがあって、写真を撮る気分になれなかったので、文字だけの投稿にした。

「今日はマジで嫌なことばっかりだった!お母さんにうるさく言われて、クラスのよく知らないグループに遊びに誘われて、しかも嫌いな奴と一緒にカフェに行くことになった!本当に最悪の一日!」

すぐに投稿!はぁ~...疲れた。うるさく言うお母さんも、私にいっつも絡んでくる山田も、みんなで遊ぶメンバーに私を勝手に入れてくるあの人たちも、みんな嫌い!

そうだよ!みんな、私のことなんだと思ってるんだろう?対等だとでも思ってるのかな?全然違うでしょ!私は...私は、皆とは違うんだから!

枕に顔を埋めながらそんなことを思っていると、ピロンと通知音がした。

すぐにスマホを確認すると、さっきの投稿にコメントが付き始めていた。

「マジ分かる。母親って意味わかんないことばっかり言ってくるよね」「今日は写真じゃないんだ。ちょっと残念」「嫌いな奴とカフェ行くとか地獄すぎwきっと最低なやつなんだろうなぁ」「俺たちは、もえちゃんの味方だからね!」「無理やりデートの約束取り付けるとか、クズ野郎のやることだな。自分、特攻行けます」「うるさいこと言ってくる母親とかマジで消えればいいのにね」

...なんで、なんでこんなに私に味方してくれる人が多いのに、いつもみたいに嬉しくないんだろう…

いつもだったら、私のことかわいいってほめて、認めて、甘やかしてくれるコメントが嬉しいのに…

いつもだったら、増えてくるいいねを見て、もっと頑張ってかわいく見せようって思えるのに…

確かに、私の写真をあげなかったから私の可愛さがないっていうのは、今までの投稿とは違うよ?

でも、でもなんか、今回のはもっと別のところが違う…

大体、なんでこの人たち、見たこともない私のママとか山田とか、みんなのことを勝手に決めつけてそんな風に言えるの?いや、そう言ってほしいみたいに書いたのは私かもしれないけどさ。

よく考えたら、ママだっていつも嫌いなわけじゃないし、山田は...私にいつも交渉してきたりするけど、それが全部嫌いかっていうとそうでもないような...たまに一緒に撮影とかしてくれるし…

それにみんなだって、何にも話してない私のことを遊びに誘ってくれたし...

「...」

5分ぐらい考えて、その投稿は削除した。

「はぁ~~~~...あほらしい...」

やっぱり、こんな文字だけの投稿なんてするんじゃなかった。かわいいって言ってもらいたいなら写真載せるべきだったかな。

「お~い!もえ!あんたいつまで待たせる気!?早く風呂に入ってくれなきゃ服洗えないわよ~!」

ママが呼んでいる。早く風呂に入らないと。

「...は~い」

私は、あとで今度行く犬カフェについて調べようと思いながら、自分の部屋から出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ