水が欲しければ金を払え
わが国日本の消費税は0%である。
住民税もないし、所得税もない。
先進国で上位に食い込む素晴らしい国だ。
この素晴らしい国で生活する人間で最も多い死因は餓死である。
唐突な質問だが死にそうなくらい喉が渇いたことがあるかい?
人って4〜5日程度水を飲まなければ死んでしまうらしい。
4〜5日は水飲んでなくても平気ってことかな?
「水、水をください。水を飲めなければ死んでしまいます。」
1日水を飲んでいない1人の男がREAL職員の足を掴む。
「まぁだ1日飲んでないだけじゃん。そんなんじゃ人は死なないよぉ。」
「オゥエエエエエエエエッ」
男はその場で嘔吐した。
「おいおい汚いじゃあないか。」
めまい錯乱する男は続けて訴える。
「なんでもいい。頼む神様水。水を。」
人間の身体から水分2%損失してしまうとめまい吐き気等の症状を起こす。
「だぁいじょうぶだよぉ横のおじさんをみてご覧よ気持ちよさそうに寝てるじゃないかぁ。」
1日水を飲んでいない男の隣には2日以上水を飲んでいないおじさんがいた。彼は意識を失っているようだ。
人間の身体から水分10%以上の損失で筋けいれん失神等を起こす。
「ふざけるなっ気持ちよさそうだとっお前死にそうなくらい喉が渇いたことがあるかっ!!!」
男は強く訴える。乾いた喉からありったけの掠れた声で。
「ないよぉ。そりゃ俺には水を払う金があるからねぇ。君も水を飲みたければあそこにある自動販売機で水を購入すればいい。たったの1500円だ。払えないお金じゃないだろう。」
そんな金すら男は持ち合わせていない。ここは貧民街。水すら飲めない者たちが集まる街である。
「金があるやつが俺ら貧民を助ける。たった一つの水の入ったコップで何人救えると思う!!俺らに分け与えろよクソ野郎!」
たった一つの行動でこの男は救える。でもそれが問題だ。“この男”というのが問題だ。この男が救われても他のものは救われない。この男を救うことで救った人間に他のものは次々と救った人間に群がる。この男を助けたのなら他のものたちも助けるべきだと。
「君を今この場で助けて僕にぃどんな利益があるのかなぁ。今君に無償で水を分け与えた君みたいな奴が群がってくるじゃん。俺は君に水を無償で与えたことで職がなくなる。それは嫌だ。だから君を見捨てる。水が欲しければ金を払え。」