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06話 宿探し

「はぁ、はぁ、ここがグリーンポートか。やっと着いた……」


 ユウマの息があがっている。最後はちょっと走っちゃったもんね。遠くから見たときには明るかったけど、意外にも城壁のような壁が高くて近づくと真っ暗になっていた。


「これで休めるね。もうひと頑張り。入口は……あそこかな?」

「早く行こうぜ。もうへとへとだ」


 門らしきところへ来た。中を覗いてみたけど誰もいないようだ。


「こんばんは。誰かいますか?」


 返答がない。このまま通っちゃっていいのかな?


「入っちまおうぜ。もう限界だ」


 仕方がない。とりあえず入って宿を探そう。


 街に入って歩いてみると商店がいっぱいあった。今は夜遅いからどこも開いてないけどね。これだけの並びだ。きっと賑わっているんだろうな。


 しばらく歩くとそれらしい看板があった。


「あった、宿屋だよ! 部屋空いてるといいね!」

「きっと大丈夫さ。」


 宿屋の扉を開けてみる。店主らしい人がいたけど寝ているようだった。


「――こんばんは。」


 恐る恐る声をかけてみると目を覚ました。


「んあ? おっと、こんな夜更けにお若いの2人連れでどうしたんだい」

「今日はじめてダンジョンに入ったんだけどここまで来るのに時間がかかっちまったんだよ。泊まれる部屋はあるかい?」


 さっきまでうなだれていたのに飄々としているな。


「もちろん空いているよ。泊っていくかい?」

「よかった~。頼むぜおっちゃん」

「それじゃここに名前を書いてくれ。ところで、お金は持っているのかい?」

「あぁもちろん! って、あれ? ない!? どこいったんだ!」


 あわてふためくユウマ。しょうがないな、って僕のもないぞ? どういうことだ?


「あー、その様子だと君たちやられちゃったんだね。盗掘ネズミだよ。あいつら金目のものが好きだからね」

「はー、まじかよ。そんなモンスターがいるのかよ。せっかく今日のために貯金してたのにさ」


 それは僕も同じだ。早速明日から一文無しになってしまった。


「今日はもう遅いし、仕方がない。つけといてあげるよ。任務でお金を稼いだら払いに来なさい」


 初対面なのになんとも優しいことで。


「絶対すぐに返しに来ます! ありがとうございます!!」


 2人して大きく頭を下げて感謝した。


*


 部屋へ入るといい感じのベッドがあった。冒険の疲れを癒すように寝転がってみた。


「はー、疲れたぜー。今日はもう寝て明日のことは明日だ!」

「そうだね。朝寝坊しないようにしないと」

「ほんとだぜ。これから毎日起こすはめになるのは勘弁な」

「ははっ、きっと大丈夫だよ。それじゃあおやすみ」


 思えば今日はたくさんの出来事があった。冒険者になるためにこれまでの生活に別れを告げて街を出た。試験を受けてはじめてモンスターを倒した。ダンジョンに入ってユウマと一緒にコウモリ型のモンスターを倒した。そしてモンスターにお金をとられたね。やっぱりダンジョンにはモンスターだね。

 いろんな人に会ったなぁ。冒険を進めていたらいろんな人に出会えてそしてまた別れが来て。それの繰り返しかな。けど、ユウマと一緒ならどこへでも行ける気がする。


明日からまた冒険だ!


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宿屋の人、めっちゃ優しい!
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