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神聖祓魔師 インスブルック戦記  作者: ウィンフリート
9/9

アーヘン湖畔の戦い 後日談

ご無沙汰しています。


夏、暑かったですね。休みの日も殆ど疲れて寝てました。

疲れていると執筆活動、無理ですね。

頭が働きません。スイスとかオーストリアに行きたいですね。

 検問砦をくぐる時に、エルンストは、ベルンホルト卿が砦の上から手を振っていることに気付いた。エルンストは振り返り騎上から、すぐに手を振り返した。それに気付いたヨハネが振り返って手を振った。馬車の隊列の最後尾にいたヴァルターやアダルブレヒトも何事かと検問砦の上を覗き、同様に手を振った。ベルンホルト卿は一礼をすると砦の中に入っていった。


「ベルンホルト卿は義理堅いな。俺達傭兵にまで挨拶してくれるとは」

ヨハネは、横に並ぶエルンストに話しかけた。

「まぁな。俺達傭兵のライター(騎馬兵)に対しても、仲間のような感覚があるって話だ」

「ふーう。それはありがたいな」ヨハネは深く息を吐きながらそういった。


「やはり、俺達ライターって、戦士の中でも特別だろ?攻城戦ばかりの今、あまり役に立たないしな。ベルンホルト卿は、騎兵出身だから親近感を感じるのだろう。なんか申し訳ないがな」

「うーん。俺は、引け目をずっと感じているんだよ。ここを通る度に思い出して仕方ない」

 ちょうど補給馬車は、ヨハネがゴブリンの毒矢に倒れたあたりを通過中だった。


「あの時は助けてくれてありがとう。感謝しているぜ。引き上げてくれなかったら、今ごろゴブリン鍋の中で、コトコト煮られて、小鬼の胃袋の中だ。ぞっとするよ」

「あははは。毎回それを言うよな。持ちネタにしたのか?」

「いや、茶化さないとやってられない感じだろうな。すぐに毒消しを使ってもらって何とかなったから幸いなんだが、本当守護の天使に感謝しているぜ。

 それに俺を砦まで運んでくれたヴァルター達にも感謝、かーんしゃ♪だ」


 ヨハネはミサの時に歌われる神に感謝のフレーズで歌った。

「あははは。ヨハーン。貴殿は面白過ぎるぞ」

「ありがとう」


 車列は、戦場となった岬のような広場を通り過ぎていった。ゴブリンの死体を焼却するため、一時広場には入れなくなっていたが、どうやら作業は完了したようだ。広場の通行止めは解除になっていた。


 以前はここでよく休憩したものだったが、この事件以降、アーヘン湖周辺で小休止を取らなくなった。いまだに変な臭いがするというのもあるし、トラウマになっている隊員もいるから仕方ないだろう。


「俺の馬はここで水を飲むのが好きだったんだが、なんだかな」ヨハネが話しかけてきた。

「検問砦を過ぎて、最後の休憩場所だが、まぁ、あんなことがあると休もうという気がしないよな。残念だが」

「俺も立ち寄りたくなくなったよ。なにしろ、ここでスープになるところだったからな」

「おいおい、いい加減にネタにすんのやめろよ。俺はゴブリン鍋の中身を見ちまったんだからな。思い出しちまうよ」

「ぷっ、そうか。そうだよな。俺と貴殿はゴブリン仲間だな」

「あははは。笑えないぞ、ヨーハン」

 馬もぶるるるっと笑ったように思えた。


「エルンスト、鍋の中身になっていた人は、誰だったんだ?」

「いや、調べたけど分からなかったらしい」

「そうなのか。ゲルマン人だったのか?」

「毛も全く無かったし、ああああ、思い出しちまったよ。口が開かないように、紐でこう、頭から顎下まで縛られていたんだよ。それに既に煮崩れていたからな」


 それから暫く、ヨハネは黙った。エルンストはヨハネの内面が結構繊細であることを知っていたので、一緒に沈黙を守った。エルンストは、ゴブリン鍋の中身だった人のために神に祈った。

道は、左は山の絶壁、右はすぐ湖の岸に挟まれた街道の一番細い部分に差し掛かっていた。暫くその状態は続く。前から同じような馬車列がきたら、逃げ場がないところなので緊張する。ヨハネはいつものように、前方に馬を駆り、先触れに走り、戻ってきた。まぁ、あまり通行する車列もないので、大抵、偵察だけのようなものだ。


「エルンスト、ゴブリン結構燃えたらしいぜ」

 エルンストは少し驚いた。いつもだと前方クリアだというのがお決まりの言葉だったからだ。ヨハネの頭の中では、まだ先程の話が続いていたのだった。エルンストはそのまま相槌を打った。

 

「ああ、俺も聴いたよ。あいつら結構下腹出ているからな。あの部分が全部油らしいな」

「そうそう、燃えるけど、かなり臭い煙がでるって話だ」

「うわ、嫌だな」

「ほら、ゴブリンが住み着いた森は静かになるっていうもの、なんでも食うかららしい」

「ああ、キツネやイノシシは逃げちまうって聴いたことあるな」

「小さな動物は根こそぎ食われちまうんだろう?」

「だから、食い物がなくなって、狼や熊が怒ってゴブリンを狩るって話だな」

 少し沈黙が訪れた。


そして、ヨハネは唐突に話始めた。

「さすがの熊もゴブリンの内臓は食わないっていうのは本当なのかな?」

 やはり、ヨハネはゴブリン鍋のことを相当気にしているのだろう。よく考えると、ゴブリンの話は、鍋の話に繋がっているようだ。



あの戦いから既に一月は過ぎていた。湖畔に聳える高い山々も白い帽子を被りだしていた。湖の側を通る道はやがて終わり、前方に下がるように道は続いていく。急峻だった左側の山も低くなり、その尾根の終わりには、アステンベルク場が建っていた。


ここから道は急斜面を一気に下っていく。斜面を真っすぐ下がるわけにはいかないので、馬車がうまく通れるよう、道は左右に大きく振れながら斜面を進んでいく。

その道の一番左側、即ち東側のカーブ部分にアステンベルク場の城壁が立っていた。


城壁の前は空堀があり、つり橋が掛けられている。普段は跳ね上げられているのだが、馬車列が近づくと吊り上げられた橋が少しずつ下げられてくる。つり橋は城門の一部も兼ねているので、重厚な扉兼用の橋だ。


橋を下ろしている間、ずっと鎖の音がしていた。ジャラジャラとかなり大きな音だ。

「俺は、なんだかんだ言って、この瞬間が一番緊張するんだよな」とヨハネ。

 ヨハネの動揺が馬にも伝わるようで、ヨハネの馬もしきりに前足を動かしている。


 地面を揺らす様に橋がドスンとこちら側の岸に着地して、やっと静かになった。とはいえ、まだつり橋が空堀に掛けられただけだ。


 次に、城門のすぐ手前に吊り下げられた鉄格子が上に引き上げられていく。これもまた大きい音が鳴る。鎖を巻き取る音がするのだ。前に仕掛けを見せてもらったことがあったが、大きな歯車に鎖が巻き取られていて、その歯車に回転停止用のフックが嚙み合っていた。それが、歯車の回転に合わせて持ち上がり、ガチガチ鳴るのだった。


 鉄格子が引き上げられると、兵士達の合図で橋を渡り、城門の中に進んでいく。すると城門のアーチの内部に既に入り込んでいた兵士たちが車列の周りに群がり、審査が開始される。荷物の中に魔物が潜んでいないか、馬車の下に魔物が張り付いていないかなど、入念に調べる。もしかして騎兵や御者が悪魔に身体を取られているかもしれないので、質問が繰り返される。質問の中には嘘もある。ヨハネは娘は3人いるが息子はいない。そのヨハネに息子は元気かと何気なく世間話のように尋ねるのだ。ヨハネは人はいいが、適当なので、テキトーに応えて、砦に入れなかったことがある。悪魔が化けていると思われたのだ。


 この審査の間がエルンストは苦手だ。このアステンベルク城の城門の天井には、鋼鉄の牙と呼ばれる大きな槍のような仕掛けがぶら下がっている。万が一の敵の侵入に備える攻撃兵器だ。


 この装置は、門番の立つ位置にレバーがあり、うっかり引いてしまうと、天井が崩落するように崩れ、上から大きな槍が降ってくることになる。エルンストが苦手なのは、人為的なミスだ。もしかすると門番が誤って引いてしまうかもしれない。そう考えただけで、背中に冷たい汗が走る。

審査は無事に終了し、内側の鉄格子が引き上げられる。この時、城は一番無防備になる。


車列が長いと、門の中に入り切れないので、内外が暫くつながった状態になってしまうからだ。戦闘が激化している時期は、門の中に入れるだけ入れて、一旦橋を引き上げ、少しずつ荷馬車を通す様にしているが、今は比較的攻撃がないので、橋を上げたままで通している。


城門の内側に入ると、すぐに下働きの小姓たちがやってきて、エルンスト達は軍馬から下りる。軍馬は小姓たちに連れられて厩に向かう。そこで水や飼い葉を与えられ、蹄鉄などをチェックされるのだ。ここの飼い葉は旨いらしく、馬たちは喜んで小姓たちについていく。


荷馬車のほうは、兵站部署の兵士達が轡を取り、倉庫へ連れていく。補給物資を検収するためだ。御者は物資の検収に立ちあうため、一旦馬車をおり、歩いて車列についていく。


荷馬車を見送ったあと、エルンスト達は城の1階に設けられた小さな部屋に入った。この部屋は、城に入る人達の待合場所でもあった。エルンスト達は、盾や槍を部屋の壁に設けられたラックに掛け、小さなテーブルの前にある背もたれのない、板だけで造られた長椅子に座った。ヘルメットを取り、コイフを後ろに垂らして、しばしリラックスするのだ。

最近、ヘルメットとコイフ一体型の装備も出てきたが、俺達騎兵は、コイフの上にヘルメットを被るのが主流だ。これだと、パッド入りの頭巾の上に鎖帷子を被り、その上にヘルメットを被るのだから、面倒だし、ヘルメットは大きいサイズが必要だ。



この部屋には小さな窓が設けられているが、窓というより、スリットだった。弓兵なら、すぐにこの窓が矢を打つための狭間であることに気付くであろう。窓ではないのだから、昼間ではあるが、薄暗い部屋だった。部屋には城の外壁から入るためのドアと、城の内側から入るためのドアがあった。彼らはそのドアから先には行ったことがなかった。


ドアがノックされ、城のメイドが入ってきた。大きなジョッキにエールが注がれたものだ。皆、恒例のこのジョッキが楽しみだった。普段はよそよそしいメイドだが、今回はニコニコして話しかけてきた。


「あの・・・エルンスト様はどなたですか?」

 エルンストは驚きながら、他の三人が自分を見ているので、答えた。

「私だが・・・何か?」

 するとメイドはじっとエルンストを見つめ、頬を赤く染めながら一礼をして出ていった。


「なんだ、なんだ、なんだ?エルンスト様って・・・あの娘、頬が染まっていたぞ」

 ヨハネが騒いだ。

「ほら、この間のベルンホルト卿との先駆けが噂になっているんじゃないか?」ヴァルターが予想してそう言った。

「うむ。それは大いにあるな。城では有名になって、吟遊詩人によって語られていたりして」

「アダルブレヒト、やめてくれ」

「いや、その可能性はあるぞ。やったな、エルンスト」ヨハネが茶化した。

 アダルブレヒトはニヤニヤしながら

「歌の出だしはこうだ。騎士ヨハーンは偵察に行って、ゴブリンの毒矢の餌食となりましたってな」

「やめろよ!俺は騎士じゃないぞ。ていうか、お前には吟遊詩人は無理だな。センスがなさすぎる」ヨハネは真っ赤になって反論している。

「そこかよ。じゃ騎馬兵のヨーハンな。これでいいか?」

「よくない!」

 エルンストは、ヨハネもアダルブレヒトも同じ田舎の出身だったことを思い出した。この二人は子供の頃から、こういう付き合いなのだ。


「ちょっと、よろしいか?」

 気付くと、先程メイドが出っていったドアが開いて、初老の人物が立っていた。身なりを見る限り、貴族だろう。剣を下げている。全員が席から立った。

「お寛ぎのところを失礼する。子爵シュテファン・フォン・アステンベルク様の家令、ヨーゼフと申す」

 皆、緊張してその場で棒立ちになってしまった。


 ヨーゼフは笑って話始めた。

「気を楽にしてくだされ。貴公らに連絡があって参った。

 子爵様は、貴公らを騎士に取り立てるおつもりだ。次回、もしくは次々回の補給時に、四人まとめて騎士叙任式を行う。追って、条件などは使者を立てて貴公らに連絡する。私からは以上だ。では御免」

 ヨーゼフは、最小限の言葉で、言うだけ言って風のように消えた。一同は皆、呆然と立ち尽くしていた。


「ドアを閉めてくれ。アダルブレヒト」

 ヨーハンが小さい声で言った。


「今、ヨーゼフ様は、俺達を騎士にって仰ってたよな?俺の聴き間違いか?」

「いや、確かにそう聴こえたと思う。いや、エルンストが騎士なら分かるが、四人まとめてって仰っていたよな?俺達は先の戦いで戦果ゼロだぞ」

アダルブレヒトはすこし疑っているようだった。


「騎士って、大公様の配下なのか?それとも子爵様の子飼なのか?」

ヴァルターは気にしているところが皆と違うようだ。


「でもさ、領土なんてないだろう?大公様だって、子爵様だってご自分の領地を削るしかないよな?まぁそういうものだけど。

子爵様の領地は、ここアステンベルクだろ?とても領地を戴いても、農民もいないし、戦士も弓使いも雇えない。ゼロだぜ」ヨーハンは実に現実的だ。

「やはり、ヴァルターの言うように、ミニステリアーレとして召し抱えたいってことだろうな」アダルブレヒトは結論付けようとしている。

 ※ミニステリアーレはラテン語(Ministeriale)。家士や家人と訳す。不自由民ではあるが、王や貴族の配下で、軍事や行政を担った。

「よく分からないが、使いを立ててきてくれるというのだから、待つしかないよ。あれこれ考えて悩むより、実際のところをきいてからだろう」

 結局、よくわからないし、今からヨーゼフ様を追いかけて訊きただすことは不可能だった。何しろ、傭兵はあの扉の向こうには行けない決まりだったからだ。


 そんな話をしている間に、荷馬車は空になり、帰りの支度が出来たと兵士が呼びに来た。俺達は帰路についた。城が見えなくなってからは、また先程の話が蒸し返されることになった。隊列は崩せないので、並んでいる二人の間でだ。


「結局、どうなんだろうな。ミニステリアーレでも、傭兵暮らしよりはいいかもしれないな」

「しかし、俺もそうだが、ヨーハンもミンガに家族がいるじゃないか。ミニステリアーレだと家族はどうすればいいのだろう」

「俺は思うのだが、エルンストはミニステリアーレではないんじゃないか?活躍したし、領地を貰ってリッター様じゃないか?」※リッターはドイツ語。騎士のこと。

「領地か。農民どころか人間じゃない魔物が沢山住んでるような土地ぐらいしかないよな」

「そうだよな。騎士身分の可能性は低いだろう。子爵様が直接召し抱えてくださるようだし、ミニステリアーレだろうな。まぁ、俺は家人でもいいよ。傭兵なんていつまでもできるもんじゃない。ミニステリアーレの子供だって、戦で手柄を立てれば騎士に取り立ててもらえるらしいじゃないか」

「ヨーハンは随分現実的なんだな。まぁ俺も、あのシュテファン様の配下なら家来でいいよ。シュテファン様はすごい戦略家だからな。馬鹿な作戦で死ぬことはないと思うぞ」


 そのうち、検問砦が見えてきた。門が引き上げられている間、隊長のベルンホルト卿が出てきた。橋のような構造なので、門の開閉装置の上に隊長がいて、管理しているのだ。


「やぁ、エルンストにヨーハン。ヨーゼフ様から聴いただろう?おめでとう」

「あ、もうお耳に入っていたんですね」

「まぁな。とにかくおめでとう」


「あの、一つお聞きしてもよろしいですか?」

「なんだ?」

「俺達の身分はどうなるんですか?ミニステリアーレなのですか?」

「ああ、分かるよ。その気持ち。君らは皆所帯持ちだろうしな。

 今回の叙任は、全員騎士身分だと聴いているよ」

「え?領地とかもいただけるんですか?」

「あははは。子爵様だって領地はあの城だけだからな。それで、家名も城の名になったんだよ。俺も、騎士身分だが、領地は、この砦だけだ。流石に家名はつけないぞ。

 ベルンホルト・フォン・検問砦じゃ冴えないからな」

「失礼ですが、ベルンホルト殿は、どなたから叙任を受けたのですか?」

「あ、俺は大公様だよ。で、貴公たちも大公様から叙任ということらしい。

 まぁ、大公様の代理がしてくれるけどな。多分子爵様だろう。お、扉が上がり切ったぞ。

 前に進んでくれ」


 俺達は検問砦の門の中に入った。横幅があるので、3列に縦列で馬車を並べると、来し方の門が音を立てて落ちる。結構な音なのだが、馬たちも聴き慣れているらしく、身じろぎ一つもしない。次に、音を立てて、進行方向の門が上がり始めた。


「それでだ。四人とも、領地は暫くないが、騎士身分で、大公様の家臣だな。

 領地はないが、給料が出る」


 検問砦の門はアーチ状なのだが、内側にバルコニーのような構造がついていて、そこにベルンホルト卿が立っていた。まぁ、指令室というか管理室の横にある階段からすぐにそこに行けるのだ。


 話を途中から聴いた後ろの二人は驚いていた。


 短い時間だったが、ヘルンホルト卿は色々と質問に答えてくれた。 


 まとめると、大公様が俺達を叙任し、今の仕事のまま、大公様の家臣としても給料がでるとのこと。額は期待しないほうがいいとのことだった。大公様の狙いは、補給路の護衛強化だそうだ。また、平地戦に備えて、騎馬兵を集めているらしい。

 そもそも馬をうまく操って、戦闘に参加できるような人材は少ない。子供の頃から訓練しないと騎兵にはなれないからだ。俺達の家もそうだが、悪魔軍の侵攻前は、下級貴族だった。貴族だからこそ、領地を持ち、馬を養い、子供を騎士にすることができたのだ。

 戦争により、領地や兵士達を失いつつも、馬は失わない努力を続けた。それは、貴族、というより騎士の誇りもあったからだろう。エルンスト達は、皆子供の頃から訓練を受け、馬を育てる仕事を相続した。馬のブリーダーだ。馬は、高値で取引されるので稼業としては悪くなかった。


 俺は、ミンガにかえってから、父母が眠る墓地に報告した。やっと身分を回復したと


いかがでしたか?

英国児童文学のローズマリー・サトクリフは、ローマ時代の英国を舞台にした作品が多いですが、

実は、私の小説と比較的時代の近い中世を描いているものがあります。

『運命の騎士』です。この中に、騎士叙任のエピソードがあります。

いつかは自分も騎士叙任のシーンを描きたいと思っていましたから、次の話は、

そのシーンを入れると思います。ただ、オッサンの叙任式ですから、若者じゃないですからね。

なんか違うものになりそうです。乞うご期待!

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