06
俺のカードは、
『国史無双の真の女王"ツァイシャ女王"、お忍びver.:EXR』
リルシェさんはなんと、
『豆柴獣人冒険者"リルシェ"、コレイカダンジョン深層攻略中:SR』
……リルシェさん、ぜひトレードをお願いします。
なんでしたら俺のカード3枚と。
「……このカードは不許可です」
そんなことおっしゃらずに、ぜひ!
「私は、リルシェのボケモノカード化を許可した覚えはありません」
「すみませんがウェイトさんはここで待っていてください」
「ボケモノカード総責任者ネルコさんと話しを付けてきます」
……静かに語るリルシェさん、
これは、真剣なお怒り。
すぐに『Gふなずし』の魔導通信でアリシエラさんにコール。
どうやら『ヘルダイバーS』の緊急『転送』で直接ここに飛んで来てもらい、
そのままエルサニア王都へとんぼ返り『転送』
モノカ邸在住のネルコさんへ突撃直談判、のようですが……
あー、これってエルサニア王都がヤバいかも。
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俺、お留守番。
リルシェさんがエルサニア王都へ『転送』で行っちゃいましたので、
当然『Gふなずし』も無いわけで魔導通信での連絡は不可、
つまりは俺、蚊帳の外。
……何だかなぁ、ベテランぼっち野郎のつもりだったけど、
いざひとりになると、寂しいなんてもんじゃないです。
いえ、今までだってリルシェさんがソロで動くことはあったけど、
今回のコレは何と言いますか、自業自得ぼっち。
いつまでもチームモノカグループの皆さんとの交流を蔑ろにしていた、
俺への罰、なのでしょうね。
だって今の俺がエルサニア王都のモノカ邸に行っても、
何も出来ないじゃん。
自分から関係を断っておいてさ、
甘えんのも大概にしろっての、俺。
けどさ、この厄介な性根の方は今さらどうにもならんけど、
せめてこういう辛気臭いのを周りに撒き散らすのはやめようぜ。
リルシェさんが戻ってきた時に、普段通りの俺で迎えてあげるには……
こんな時、ヨレン師匠だったら何て言うだろ。
やっぱ、瞑想あるのみ、かな。
ってことで、座禅瞑想でも。
床に直で座禅すると足腰に悪そうだし、
申し訳ないですけどベッドの上で、と。
はい、瞑想……