05
俺の2枚目は……
『至高の相棒"リリシアン"と"ノルシェル":UR』
おっと、これって。
「……」
リルシェさんがめっちゃガン見しております。
それもそのはず、この短剣と短刀は『乙女の守り神』ノルシェさんの愛刀。
つまり、俺たちの旅で数々の危機を腱切りしてきたリルシェさんの宝物。
「ぜひ言い値で!」
……いけませんよ、リルシェさん。
子供たちが大好きなトレカで、大人が札束殴り合いするのは御法度。
リルシェさんなら必ずや、この後の引きでトレードに持ち込めると信じてます。
「……ありがとうございます、ウェイトさん」
「危うく自分を見失ってチームとしての矜持をおろそかにするところでした」
「どんな時でも正々堂々真っ向勝負っ」
「それではっ、いきます!」
リルシェさんの裂帛の気合いと共に開封された2枚目は……
『召喚魔王"アライヤン"、セクハラの極み:SSR』
……おっと。
「あのぅ、トレード……」
えーと、次、開けましょ。
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協議の結果、3枚目はお互い同時に開封することに。
何だかリルシェさんの気合いの入りっぷりが、
かつて無いほどの危険な領域に。
やっぱりギャンブル関係はNGですね、リルシェさん。
でも、勝負の世界は非情なのです。
「「それではっ」」