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俺、ひとりで仁王立ち。
これだけ前進しても接敵出来なかったこと、
それどころか位置特定すら出来ないのは、流石におかしい。
ってことで、役割り分担して別行動することに。
これまでの狙撃は全て俺狙いの正確な単発狙撃のみなので、
この見晴らしの良い草原なら回避に専念すれば俺ひとりでも大丈夫と判断。
お互いを信頼し合うことで可能となった選択肢。
リルシェさんは単独での遊撃、
そして俺は、ここで仁王立ち。
ビュンッ
ひょいっ
あー、何だか思い出しちゃうね。
子供の頃のドッジボール大会で、
最後まで逃げ回ってひとり残された俺めがけて飛んでくる、
いい加減当てれよっていう殺意満々のボール。
ビュンッ
ひょいっ
最初からキャッチや反撃を一切せずに逃げ一択、
あの時だけじゃなく、ずっとそんな感じの逃げ人生。
そんな調子で生きてたらみんなから嫌われて当たり前、
そりゃあぼっちにもなるわな。
ビュンッ
ひょいっ
でもさ、クラス対抗だから全員協力して頑張ろうとか調子いいこと言っといて、
お前はトロいからみんなの邪魔にならないよう早めにいなくなれって、
それを言い出したヤツや同意した連中に、
従う義理なんてこちとらカケラもございませんっての。
…………
ご覧の通り、ちゃんと仲間が信頼してくれるなら、
俺だってトロいなりに頑張っちゃいますから。
ほら、静かになりました。




