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『リヴァイス 105 お供する召喚者とほっとけない道連れ』の続きで、


 召喚者ウェイトのお話しです。


 お楽しみいただければ幸いです。




 こんにちは、ウェイトです。


 異世界リヴァイスでの冒険者生活、


 頑張りは報われるのです。




 ここ魔族領ニルシェ王国で冒険者活動に勤しんでいる俺たちふたり。


 最近結構イケてる冒険者出来るようになってきた俺、召喚者ウェイトと、


 年中不屈で乙女の味方、わんこ系獣人リルシェさん、


 に変装中の『乙女の守り神』乙女騎士ノルシェさん。



 ヨレン師匠ことヨレングラルバ神官の護衛任務を無事に完了、


 今は魔族領での冒険者活動の拠点であるニルシェ王都へと戻る旅の途中。



 次の依頼は、巡回神官ヨレン師匠が教え子たちに宛てた手紙を届けるお仕事。


 これは冒険者ギルドを通していない個人依頼ですし、


 ヨレン師匠もそんなに急がんでもええよ、って言ってくれましたが、


 前職が郵便配達員であった俺としてはかなり気合の入る任務なのであります。




「早く王都へ行って袋の中の手紙を読まねば、ですよねっ」



 はい、いつも通り"命を大事に"の旅ですが、


 俺たちなりのペースを守りながら急ぎましょう。




 ヨレン師匠から預かった袋の中には、


 教え子たちに宛てた手紙と俺たち宛の手紙が入っているそうです。



 恥ずかしいから王都に着くまでは袋を開けちゃいかんよ、と念を押されました。


 まあ、守秘義務的な約束は厳守するのが、元"速達鳥配達員"の心意気。



 って、そういえば俺、配達員関係の方はどうなってるのかな。


 あの時は諸々全部ブン投げてアネスの町から夜逃げしてきちゃったわけですが。



 もしかして就業規則違反とかでエルサニア王国で指名手配されてたりして……



「そちらの方は大丈夫とモノカから聞いておりますが、エルサニアに戻ったら間違い無くエルサニア城に強制連行されるでしょうね」

「これまでツァイシャ女王様との謁見から逃れることの出来た召喚者さんは皆無なのですっ」



 うへぇ、くわばらくわばら……




 ---




 徒歩でのふたり旅は順調です。


 リルシェさんとの日々の鍛錬やヨレン師匠との修行で、


 今の俺は以前とは比較にならないほどの強さを得ました。



『道連れ』スキルも自在に操れるようになり荒事への対応力もアップ。


 向上したサポート能力を活かすことで、相方としてもさらにレベルアップ。




「最近はふたりのコンビネーションも息ぴったりって感じで、前衛している私も気持ち良く腱切り出来ますよっ」



 リルシェさんが年中絶好調なのは分かっていますが、


 あまりやんちゃし過ぎちゃ駄目ですよ。



 いくらクロ先生の秘薬があるからといっても無理は禁物。


 乙女だからって必ずしもおしとやかすべしとは思いませんが、


 無鉄砲傷は乙女の勲章にはなりませんよ。



「むう、これって強くなったウェイトさんが保護者属性に目覚めちゃったってことでしょうか」

「今後のためにも、お父さん属性なのかお兄ちゃん属性なのかをしっかりと見極めねば……」



 いえいえ、お気になさらず。


 ご存知の通り俺は、骨の髄まで甘えん坊な相方属性のままですから。


 リルシェさんには、これからもよろしくなのです。



「……」




 何だか、わんこみみもしっぽも戸惑いモードのような……



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