05.知りたい!!
ソラの家に来てから数日、蓮と安奈、そしてソラはだいぶ打ち解けるようになっていた。
そんな中、今後について話し合っていた時のこと・・・・・
「ソラさん。ソラさんは……なにか特別な力があったりするんですか?」
唐突に蓮から放たれた一言に、年甲斐もなくソラは動揺する。
「ど、どどどどどどうしてそう思ったのかな?」
あまりの動揺ぶりに、蓮も安奈も思わず吹き出してしまった。
「ソラ姉ちゃん動揺しすぎ~!!」
「ソラさんは可愛いですね。」
そんな蓮と安奈は、ソラをからかい上手になってしまったのだ。
「ふ、ふむ……。二人には、どう見えたのかな?」
そうしてソラは、さりげなく論点をずらしてみた。
「…急に空から現れたと思ったら、ゾンビたちがソラさんには近づけないようだったので…。きっとソラさんには特別な力があるのかな?と・・・・・・・・・」
そんなソラは・・・・
「ふふふ!私の力は隠しきれていないようだな。仕方ない。お主たち二人には私の秘密を話そう!」
即暴露することにした。子供にはとことん弱いソラだった。
「だが、二人とも、くれぐれも私のことは秘密にするんだよ?それが話す条件だ!守れるかい?」
「「はい!!!!!」」
「うん!いい子たちだ!では話そう!」
そういうとソラは、異世界に召喚された話を事細かに、蓮と安奈に話始めたのだった。
話を聞き終えた後の連と安奈は大興奮だった。
なんせ。魔法の下りで魔法を見せて♡
と問われたソラは、魔法を見せた。
そして、魔法を使いながら話し出しての最後は熱演までしたのだ。
子供二人を大興奮させるには十分だった。
だがしかし、この話を大人に話したところで信じるはずはないのだが・・・・。
子供だから信じたのだということを、気づくはずもないソラであった。
「ソラさん!!僕も魔法・・・・・使えたりしますか?」
「「!!!!」」
その言葉に、ソラと安奈が二人で蓮に振り向いた!
「れ、れれれれ蓮!!も、もしや…君は八歳ですでに中二病という――」
すると顔を真っ赤にしながら蓮は言う。
「本当に使えるなら中二病にはなりません!!!」
「そうなのか?」
その質問を、ソラは安奈になげかける。
だが、安奈はまだ四歳。知るはずはない。
「んーーー。わかんない!でも使えたら安奈もお兄ちゃんもソラ姉ちゃんを守れるよ!」
「「!!!!!」」
今度は蓮とソラが安奈に振り向いた。
その後、蓮には生活に必要な魔法を少し教え、安奈はまだ幼いためもう少し大きくなったらというとこで話は収まった。
そして蓮は魔法の筋がよかった。
あの勇者パーティの賢者よりもよかった。
蓮には眼鏡にはハマらないよう願うしかない。
そして、なんだかんだしていたある日・・・・・
「僕・・・・・お兄ちゃんを探しにいきたいんだ!!!」
今まで言いたくても言えなかった一言を蓮が口にしたのだった。