救助
夕日に反射して円柱の建物の上で何かが光った
なんだろうと思い目にギフテッドを使って見てみるとパイプの様な物だった 一本の長いパイプから短いパイプが生えている様に見える
『なんだろう?』
ここで生まれる前の記憶が“アンテナ”と言った
久しぶりに生まれる前の記憶の声を聞いてビックリしてしまった アンテナ?聞いた事ない
そして、暗くなってきて円柱の建物に明かりが灯り始めた
『!!』
明るい! 円柱の建物の上で丼ぶりの様な形の物が光ったら、まるで昼の様に周りが明るくなった 南の街のオイルを使った外灯よりかなり明るい
『何だあれ?』
するとまた、生まれる前の記憶が“トウコウキ”と言った 久しぶりではないがビックリした あれ、トウコウキと言うんだ〜 ここでタマが起きたみたいだ
『ぷわ〜』
『丁度よく起きたね』
『ん? まだ明るいようじゃが』
『いや もう夜だよ トウコウキで明るくなっているんだ』
『トウコウキ?』
あっ またやった
『トウコウキとは何じゃ?』
タマも知らないものなのか 助かった
『あの 明るくしてる物をトウコウキって言うんだよ』
『そうか』
ふ〜 大丈夫だな
それより予定が狂った 周りが暗くなれば侵入しやすいと思っていたけど周りが明るすぎる
見張りとして置かれているのかわからないが象のモンスターも寝る様子もないし ・・・
『タマ 屋上に人がいるかわかる?』
『2人いるようじゃ』
2人か
『明るすぎるから見つかるかも知れないけど一気に屋上に飛んでそこから侵入するよ』
本当は明かりのついていない窓をバレないように壊して侵入するつもりだったけど こんなに明るいと窓を壊している間に見つかると思う
『わかったのじゃ』
俺は全力で足にギフテッドを使った そして、ギフテッド研究所ヘ向って走る 象の間をすり抜け円柱の建物の手前でジャンプ!
『おっ!』
ビックリした 全力でジャンプしたら50メートルぐらい飛んでしまった 円柱の建物の高さは30メートルぐらい ギリギリ届くかわからない高さだったはずなのに凄く下に円柱の建物がある ジャンプ力まで上がっていたのか
それよりこのまま着地したら凄い音がしてしまうかもしれない!
俺は咄嗟に腰鞄から爆弾を取り出しギフテッドを流し下にいる象のモンスターヘ投げた
《ドッガーン》
凄い音の中 俺は円柱の屋上に着地
《バンッ》
爆弾の音で俺の着地音はかき消された しかし、当然急がないといけなくなった 屋上に人が集まって来ることはなくなったが大騒ぎになるだろう
すると屋上の真ん中にポツンとある部屋から慌てた様子で白衣の男の人が出て来た
『なんだ〜』
悲鳴の様な叫びだ 俺は一気に男の人に近づき腹へパンチ
〈ドッ〉
男の人が気を失って倒れる
中にもう1人いるはずだと思いすぐ中に入った
『!!?』
中には女の人がいた
大きな机の上に両手 両足を鎖で繋がれ大の字で仰向けに寝かされている
『えっ! 何っ 誰?』
意識はあるようだ 服を見るとあの象のモンスターに壊滅させられた村の人と似ている
『もしかして君は・・・』
あれ? 名前を聞いて来るのを忘れた それどころか俺は今まで男か女かすら知らないでここまで来てしまった
『え〜と 君はあの村の・・・』
村の名前も知らない
『ここから3日ぐらいにある村から拐われて来た人ですか?』
『そっ そうですけど』
『良かった 助けに来ました』
『えっ 本当ですか?』
『はい』
『嬉しいです』
『それじゃ 動かないで鎖を切るから』
俺はダガーを抜いて女の人にケガをさせないように鎖を切り始めた
女の人は、俺と同じぐらいの年で158センチ 髪は茶色で肩までの長さでかわいい感じの人だ
『良し 切れた 逃げよう』
『はい』
俺達は外に出て屋上から下を見た
象のモンスターが暴れている 人も何人かいるみたいだ
ここでタマが震えた この屋上に人が近づいているのだろう
ジャンプしかない
今の俺ならジャンプして隠れていた林まで飛べる
『あの〜名前は?』
『サチです』
『では、サチさんここから飛ぶから俺におんぶだね』
俺はパイプを背中から降ろし鞄へ入れた
『えっ? 飛ぶ』
『うん』
俺はサチさんヘ背中を向けしゃがんだ
『えっ でも』
サチさんの捕まっていた部屋から声が聞こえた
『誰もいないぞ』
『サチさん急いで』
『はい』
サチさんは俺におぶさった
おぶさって気づいた サチさんの胸が・・・
今はそれどころじゃない
俺は足にギフテッドを使いジャンプ!
暗い空へ飛んだ 飛んで 飛んで そして、落ち始めた
『サチさん頭をさげて!』
『はい』
林の中ヘ落ちて行く
〈ズザザザザザザザザザザ〉
〈ザシ〉
着地
すぐサチさんヘ声をかける
『大丈夫?』
『はっ はい』
『このままここを離れます』
『えっ』
俺は林の中を全力で走った
方向など無視してギフテッド研究所と、とにかく離れる為に一時間走った
そして、ここまで来れば大丈夫だろう 立ち止まった
『サチさん』
『・・・・はっ・・・はい・・・』
サチさんの返事がおかしい 俺は急いでサチさんを降ろして体をささえた
『大丈夫?』
『はい 疲れただけです』
サチさんは大丈夫そうだ でも、肩と膝にキズがある 多分空から林に入った時に木の枝にあたってしまったようだ
俺は腰鞄から上薬草をだし鞄から水筒を出してサチさんに渡した
サチさんは薬草と水を飲んで少し落ち着いた様子になった
『ありがとう』
『いいえ 少し休んだら出発しよう もっと離れるまで完全には安心出来ないから』
『わかりました でも、自分で歩きたいです』
『うん わかった』
やっぱり胸があたるの嫌なんだろうな 急ぎたいけどしょうがない
俺はパイプを背中に背負った
それにしても運が良かった 仕方なく屋上から侵入したらそこにサチさんがいてそのまま脱出 出来た
たまに、あるな凄い運が良い時
そんな事を考えていたらサチさんが俺に聞いてきた
『えっと 名前を教えてください』
そっか名乗ってなかった
『リョウです』
『リョウさんですか』
『うん』
『改めて本当に助けてもらってありがとうございました』
『いいえ』
『それで、これからどこに行くのですか? 私の村ですか』
あっ 村がなくなった事を知らないんだった あと、おじいさんの事も・・・・・
どうしよう 本当の事を言った方が良いのかな 俺はじっちゃんが亡くなった時は3日間もなにもする気にならなかった
俺が黙っていると
『村に何かあったのですか?!』
サチさんの目が鋭く俺を見つめる
今の俺の態度で何かあった事を察してしまった 今、何もなかったと言っても信用してもらえない この先の南の街までの旅を考えると早めに言った方が良いような感じがする
『サチさん落ち着いて聞いてね』
俺はありのまま全て正直に教えた
『・・・・・』
声も出ないようだ
『・・・・・・』
『正直に話してくれてありがとうございます』
サチさんの目が鋭いまま涙が流れていた
強い人だ 俺なら耐えられず泣きまくるかもしれない
ここで鞄からタマが飛び出した
〈ポヨーン ポヨーン ポヨーン〉
『あっ タマ!』
『えっ 玉?』
『我はタマじゃ 』
『喋った?!』
『タマ なにしてるの!?』
『自己紹介じゃ』
『?』
なんで、出て来て喋ってるの?他の人の前では喋らない約束だったのに
するとサチさんの目に鋭さが無くなった
『かわいい タマちゃんって言うの?』
『!』
『私はサチよ よろしくね』
『うむ よろしくじゃ』
『タマちゃんはモンスター?』
『違うのじゃ 我は人口生命体じゃ』
『なに、それ?』
それからタマの人口生命体の説明に始まり今までのいきさつを全て話していた
夜が明けてきた
爪がわれた




