一年たって
俺は15才になった
身長が伸びて170センチになり坊主扱いされる事はなくなった
南の街へ来て一年以上たって街の人達ともかなり仲良くなったしジャンさんやヨシさんには敬語で話さなくなっている
薬草畑は順調だ 山や林のような環境に近づけたのが良かったのかジャンさんの薬草畑は全面が上薬草になった その為、店で売っている薬草は全て上薬草になりバカ売れだ
その為、人手が足りなくなりヨシさんが息子のポーさんへ手伝いを頻繁に頼むようになり兵士を辞め店の仕事をしている
役場の人達とも仲良くなった
特にダースさんとは一緒に狩りや釣りなどに行ったりする 最近は俺が15才になって見習い兵士になれる為しつこく誘われている
タエさんとワークさんにも誘われる 目立たなくて名前が表に出ない裏の仕事があるそうだ 響が怖い
いろいろお世話になった銀行の受け付けの女の人は元気だ どこであっても挨拶をしてくれる 今だに名前は知らないけど
ユウ君とは休みの度にあう 勝負である ユウ君は家からの仕送りがあり働く事がないそうだ その為、俺の休みの度に勝負をする為に来る
剣とナイフの刃が切れない物を使い戦う 俺がギフテッドを使わなければかなり互角の戦いだ ユウ君もそれで納得している 実力を上げるには互角の戦いが一番効果的だそうだ
ちなみにユウ君は戦う度に裸になっている
俺には転変 遷移のギフテッドを使っているのはわかるが転変で何にギフテッドを変えているのかわからなかった
タマは電気だと言っていた 俺にはそれもわからなかったが、生まれる前の記憶が‘動かすための力’と言った
ユウ君の動きがギフテッドを使うと速くなるのはその為か 俺のギフテッドと近いと思った しかしなぜ、服が燃えて無くなるのはわからなかった
そして、俺とタマは今、林の中にいる あの薬草を見つけた場所だ
薬草は取り尽くし、ただの広い場所になっている
蛇のモンスターは出るがダガーでヌルヌルごと体を簡単に切れるので問題ない
今日は休みで午前中にユウ君と勝負をした後ここに来た
俺はここでギフテッドの練習をしたり狩りの為に爆弾を作ったりしている
家で爆弾を作る訳にはいかない
俺は半年前にギフテッドの制御の才能が物を操る事だと気づいた コップを落した時にゆっくり落ちていったのだ タマがそれを見て制御の力だと言ってわかった 毎日使っているコップだったので俺のギフテッドが少し浸透していたのだろう
制御の物を操れる力は操る物を常に持ち歩き自分のギフテッドを浸透させて操れるようにする
俺はタマと何を操るか一ヶ月ほど考えた
とりあえずトラのモンスターや蛇のモンスターを想定しながら命を守るのに役にたちそうな物を考える
剣 槍 盾などは持っていると俺の動きが遅くなってしまうのでダメ
ダガーを操っても今までと攻撃力も守備力も変わらないからムダ
ナイフを増やしても手数が増えるだけで目くらまし程度だからムダ
武器ではないが鎖はどうだろう 相手の動きを拘束して止められるのではないか? でも、歩く度にジャラジャラうるさそうだ 目立ってしまうからダメ
紐なら・・・弱い ダメ
そんな感じで一ヶ月たちある日、鉄の棒が目に入った
この鉄の棒は林で薬草を見つけた帰りに何となくナイフより役にたつかと思い拾った物だ
ここで生まれる前の記憶が“パイプ”と言った
俺がこのパイプを持っている時タマが言った
『それが良い 軽いしそれ一つを操れるようになると三つ操れるようになるのではないか?』
三つ? パイプを回すと三つに分かれた 俺はこれだと思った
ギフテッドが浸透した後は三つに分けて背中にでも背負っておけば邪魔にならないし攻撃にも防御にも使えそうだ
問題は予想どうりにパイプを分けて三つ操れるかだ
そして、今日それをこれから試す
この半年間パイプを持ち歩き、ギフテッドを流し浸透させ 周りには制御のギフテッドだとばれながら頑張ってきた 邪魔だった
『タマ パイプ操ってみるよ』
『おうっ 頑張るのじゃ』
まず、手からパイプを離す
パイプが空中に浮いている
感覚的には俺のギフテッドとパイプが糸でつながっていて持ち上げて空中に留まっている感じだ
『良いぞ 次じゃ』
俺はそのままパイプの上の方だけを回すように集中する
〈キュキュ〉
回っている もう少しで取れる
〈カコッ〉
取れた!
『・・・・』
『やったのじゃ 成功じゃ』
パイプは二つに分かれて空中に浮いている よし!
長い方のパイプヘもう一度同じことをする
〈キュキュ〉
〈カコッ〉
三つに分かれた
『・・・・』
『やったのじゃ』
パイプが三つに分かれて浮いている 成功だ
このまま空中で移動させてみる
〈ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ガシャン〉
『あっ!』
〈ボト ボト ボト〉
パイプは空中でパイプ同士ぶつかり地面に落ちてしまった
『なんじゃ どうしたのじゃ』
『難しい! どこに集中したらいいかわからない』
『練習じゃな』
『でも、とりあえず成功だ タマのアイディア凄い ありがとう』
『気にするな我の仕事じゃ』
この後、夕方になるまで練習をして少しだけ上手く操れるようになった
その頃、南の街ではある噂で騒いでいた
いくぞ




