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コント:優しい彼女

作者: 暮影司

男「いやー、俺なんかと付き合ってくれるなんて本当に優しい彼女だよな。優しい女の子大好き! 今日は初デートだ、失敗しないようにちゃんとデートマニュアル読み込んできたから絶対大丈夫だ、よし」

女「ごめんごめん、待った?」

男「ううん、今来たところだよ」

女「え? 約束した時刻から4時間も経ってるのに今来たところ? 完全に遅刻してんじゃん。時間どおりに来てたら最悪なんだけど」

男「ごめん! うわー、いきなりマニュアルと違うなー。そもそもこんなに遅刻すると思ってなかったー」

女「まぁ許してあげる」

男「優しいなぁ……あ、そうだ。服を褒めないとな。えっと、その服装すっごく似合ってるね」

女「は!? 男が女装するために着てるような服が似合ってるとか最悪なんだけど」

男「ごめん! うわー、またマニュアルと違うな―。デートにはオシャレしてくると思ってたー。っていうかそれ言っちゃうんだー。そういう設定に触れること言っちゃうんだー」

女「まぁ許してあげる」

男「優しいなぁ……じゃあ、まずはランチに行こうか」

女「は!? もうとっくに食べたんですけど!? また食べろっていうの? 太っちゃうじゃん!」

男「ごめん! 11時に待ち合わせだったからまだかと思って」

女「もう3時過ぎてるから。バカなの?」

男「ごめん!」

女「まぁ許してあげる」

男「優しいなぁ……。じゃあ、動物園に行こうか。女の子はみんな可愛い動物が好きらしいから」

女「は!? そんなところ行って猿にうんこ投げつけられて大事な服が汚れたらどうすんの!?」

男「ごめん!」

女「まぁ許してあげる」

男「さっき男が女装するために着てるような服って言ってたけど本当は大事な服だったんだね」

女「パパから貰ったからね」

男「うわー、やっぱり優しいんだなー。お父さんのこと好きなんだね」

女「違う違う、パパ活の方」

男「パパ活の方!? え!? え!?」

女「だって本当のパパはもう……」

男「うわ! そういうこと!? ごめん!」

女「まぁ許してあげる。本当のパパはもうカード止められてて何も買ってくれないからね。

男「パパ生きててよかった~」

女「だからショッピング行こう」

男「あ、うん! ショッピングね。行こう行こう」

女「ほらペットショップだよ」

男「あー。そうだよねー。やっぱり女の子はみんな可愛い動物が好きだよね。デートマニュアルに書いてあったとおりだ」

女「わ~美味しそう~」

男「美味しそう!?」

女「このドッグフード」

男「ドッグフードね!? びっくりした~。へ~、和牛を使用かぁ。確かに美味しそう。」

女「買って~、ねえ買って~」

男「ああ、うん。もちろん。犬飼ってるんだ?」

女「パパに食べさせる」

男「パパに!? パパ活の方の!?」

女「本当の方の」

男「本当の方の!? いや、パパ活の方ならいいってことでもないけど」

女「パパは高血圧で塩分が駄目だからドッグフードがちょうどいいんだ」

男「なるほどね~。やっぱり優しいんだよな~。買うよ~」

女「ありがと。ひとつあげるね」

男「優しいな~。犬飼ってないけどね~」

女「今度味の感想教えてね」

男「食べなきゃいけないんだ……」

女「あ、見て。かわいいランジェリーショップ」

男「うわー。こういうのドキドキしちゃうよ~。マニュアルだと避けたほうがいいって言ってたけど」

女「一緒に入りましょう。選んでもらおうかな」

男「うわー。恥ずかしいけど嬉しいなー」

女「このピンクのブラジャー似合うかな」

男「に、似合うよ。買ってあげるね」

女「やったー、喜ぶよ。パパが」

男「パパが! パパ活の方の!?」

女「本当の方の」

男「本当の方の!? パパ活の方がまだ良かった! 良くないけど!」

女「パパはピンクの下着が好きだからね」

男「もう! 優しすぎて付き合うの無理!」



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