不浄ある時、現れるは誰。
”ボブゴブリン“ は、ほぼ人間と同じ知性と感情を持つ。
暴力的な本能優先の “ゴブリン” とは大きく異なる。
ただ野生が多く残る部分があるために仲間を大事に思う気持ちは人間よりも強いかも知れない。
ゆうなれば知性の冷徹さが無い。
彼ら “ラストバタリアン” 等がヴリル機関主宰ブロンドの女指揮官 “マリア・オルシック” との逃亡の末に辿り着いた地球の空洞にある世界アガルタ。
アガルタはヴリル機関の “マリア・オルシック”の念話能力を通してコミュニケートに成功した異星人スメラン星人が築いた地底王国。
スメラン星人は地球の地上に降り注ぐ紫外線で遺伝子障害を起こし種の存亡の危機となり地底、地球に存在する空洞世界に逃れた。
地球空洞への入口は南極の氷層数千キロを穿ち、マントル泥流層の蟻の戸渡ほどの幅のチタン層のトンネルを抜けて辿り着く奇跡の空洞。
極寒の氷層と獄炎のマントル泥流層に護られた地球の奇跡。
超科学を用いてアガルタを築くが、スメラン星人の遺伝子障害は深刻で次の世代を生み出す事はもう不可能だった。
彼らスメラン星人は滅びゆく肉体の代わりに機械の身体を充当する研究に没頭した。
機械の身体、アンドロイドボディーを傀儡に彼らは変わらぬ世代で生き続けていた。
そのアガルタに精神感応、念話でコンタクトしたのが “マリア・オルシック” だった。
彼女の導きでナチスのオカルト部隊、そして “アドルフ・ヒトラー” と巡り会うことになる。
だが彼等には紫外線が付き纏う。
厳重にコーティングしたアンドロイドボディー、生の脳を守る超合金のシールドをも侵食して数千年も生き永らえたスメラン星人の同胞が一人一人と倒れ地表での活動は終止符を打たれた。
第二次世界大戦でナチス崩壊後に忽然と姿を消したスメラン星人は地表から逃れる理由があった訳だ。
この地球の空洞には先住民が居た。
それが “ボブゴブリン” 。
“ラストバタリアン” 等は当時は少年兵だった。
“マリア” と地球空洞まで辿り着いた時は、護衛の兵士もここまでに通過した難所で命を賭して守り切り、残り
数十名となっていた。
そこを“ゴブリン” に襲撃されて残りの護衛兵も次々に倒れ全滅するのを待つ状態まで追い込まれていた。
この窮地を“マリア”の念話でのSOSを聞いた“ボブゴブリン”等が助けてくれた。
“ボブ” と “ラストバタリアン” とはそれ以来の仲となる。
四方を囲まれたこの窮地を金色の光が一閃する。
聞き覚えのあるあの凛とした声がする!
「フラガラッハよ、海神マナナンの力を示せ」
金色が疾った後の崩れ落ちる悪意どもに目もくれず、“ちるな” が駆け寄る。
「間に合って良かった!」
「“森羅万象” 様から言付かったのです。」
「立場の行き違いではなく、その真意の想いに目を向けて真なるものを見失うなと」
「真なるものが奏でる音色に耳を傾けたら此処に導かれました」
「助太刀致します!生きるのです。」
腰の刀が〈カタカタ〉と鳴動する。
「不浄を滅します、お覚悟召され」




