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人外の存在。

 

 “シュルツ大尉” の“アイアンハーケン” は追い縋って来ていた樹の根の拘束を受ける事なく浜辺へと向かって行った。

 粉塵爆発の爆煙が治まると長い杖を持った黒いフードを被った僧侶が立っていた。


 “ロンメル” はスコープを通してその男の分析データを眺める。

 ※音声ガイダンスも聞こえる。

 《身長:190センチメートル、体重:80キログラム、趣味:魔法のロッド集め…。》なんで分かる〜!

 《異様なエネルギー反応有り。》

 《あの個体は生体エネルギー:エーテルで覆われています。》

 《エーテルの純度は99.99%。》

 《経過観測結果でエーテルは周りの生体から吸収されているのではなく個体の内部よりの発生を確認。》


 数多の錬金術師が生の理を追求する先で夢描いた世界。

 尽きることの無い生体エネルギーの泉。

 それは不死を意味する。


 エーテルの純度は、生命エネルギーの強さ。

 普通の人間なら20%もあれば普通に生きている状態。

 超人アスリートの位置なら35%ほどだろう。

 純度が高まる程生体を動かす効果が高まるようだが更に高まると未知の能力の開花がありそうだ。

 もしかしたらそれは誰も神さえも知らない領域かも知れない。


 不死を会得し溢れ出る生命エネルギーで自然を操る。

 “ドルイドマスター 森羅万象” 。

 彼は遥かケルト人が世界を謳歌していた頃、ケルト人とダーナ神族とコミュニケートする役目を担っていた特殊能力を生まれ持った僧侶の一族。

 ケルト文化の特徴である文字による継承ではなく、口伝えでの伝承を行う役割も担っていたので基本的に長寿となる鍛錬も行う僧侶だった。

 ただダーナ神族との交流はそれだけで人外の能力を身も知らずに得る事になった。

 “ドルイドマスター 森羅万象” は継承してきた代はなく、初代がそのまま生き永らえた事らしい。

 ローマ人、一神教信者の侵略でケルト人が淘汰される中でドルイド僧は異端のシンボルとして徹底的に迫害された。

 それでも未知の力を得た人外の“あやしい奴ら”は生き永らえた。


 一方的な侵略に争わず、隠遁を選んだドルイド僧たち。

 その総帥が此処に静かに現れた。


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