スーパ ロンメル!
たった一人残って何が出来るのだろう。
指揮官としての罪滅ぼしか。
そんな後ろ向きな行動を 砂漠の狐 “ロンメル” 元帥が選択するだろうか。
“シュルツ大尉” の“アイアンハーケン”が浜辺に向かう後ろ姿を確認すると、“ロンメル” は胸の懐中時計を取り出す。
蓋にはナチス最高位の勲章《大鉄十字星賞》が刻まれている。
〈カチッ〉と蓋を開けると懐中時計が現れる。
その蓋の裏には在りし日の妻と子供たちの写真が格納されている。
暫く愛おしげに眺めると、またいつもの冷徹な軍人の表情に戻る。
搭乗している“アイアンハーケン”のハッチを開ける。
外では幾本もの樹の根が大蛇のように這い回っている。
数本が“シュルツ大尉” の“アイアンハーケン”に追い縋っていた。
“ロンメル”は腰のショルダーバックの蓋を開ける。
中には青赤黄緑紫黒白の7色に色分けされたボタンが並んでいる。
青のボタンを押す。
〈ウィーン〉と機械音が唸りだす。
身体の四肢の骨に沿った部分の硬質の皮膚樹脂の中から金属板がせり出してくる。
せり出した金属板は左右に開き、腕、足各四肢を丸くロールケーキの様に包み込む。
身体も金属の鱗がせり出して鎧の様に覆い尽くす。
顔頭部分は首の付け根からせり出して頭、顔を覆い尽くす。
覆い尽くした後、目の部分が窓の様に開く。
耳の辺りは円柱の筒がせり出す。
それは地球内部の空洞世界にある地底楽園シャンバラの超科学技術が生み出した改造人間だった。
青ボタンで
“エルヴィン・ロンメル” の脳に高純度のヴリル溶液が注入され脳細胞の使用率はほぼ85%を叩き出す。
その能力を最大限に活かせるボディーがこの “ロンメル・2000(ツヴァイタウゼント)” となる。
脳の使用率が85%の改造人間…。
通常の人間は脳の1%も使っていないという。
化け物だ。
ただ、85%の世界の真価は誰も見たことがないので想像すら出来ない。
やはり、“ロンメル” は改造人間だった。
やはりね。
スーパ ロンメル だったのか!




