ゲシュタポ司令官の正体。
あやしい奴がここにも居た。
「私は殿を務める」
「それが最良の作戦である、司令官の役目を果たす」
「即刻、作戦開始!」
砂漠の狐と呼ばれたあの 智将 “ロンメル将軍” のような冷徹な戦略立案。
「ハイール ヒットラー」
と了解の代わりに声をあげる “シュルツ大尉” は無線に音声が拾われない様に声を押し殺して号泣していた。
だが“ロンメル司令” に声が聞こえたようで粛々と語りかける。
「諸君らの可能性を激烈なる鍛錬を耐えた君らを見て私は確信した」
「我が闘争は総統閣下と違える形となり、超エリートである君らまで巻き込みこの様な僻地での作戦に従事させてしまった事は申し訳なく思う」
「冷徹なまでに任務命令を遂行する意志力は君らエリート中のエリートであるゲシュタポの血の所以」
「君らはまだ20歳そこそこで若い!これからも生きて大事を成せ!」
「一人でも多く生きるのだ!」
「行け! “シュルツ大尉” 仲間達と生きるのだ! 全力で撤退せよ」
ゲシュタポ司令官の正体は正真正銘の “エルヴィン・ヨハネス・オイゲン・ロンメル元帥” 閣下その人であった。
彼はゲシュタポの宝と言われたこの部隊の責任者であり親代わりだった。
ゲシュタポの宝とはナチス ヒトラーが強力に推し進めた人類の進化を意図的に行う優生政策の結晶。
人類の中でも極めて高い能力を秘めた人類と位置付けるアーリア人(純粋ゲルマン人)の純血DNAを持つ幼児を誕生させ、その育成教育にナチスの叡智を惜しみなく注ぎ込んだ。
そして 超人のポテンシャルを持った “ラストバタリアン” を誕生させた。
しかし戦局が悪化すると人類の新たな進化を求めた結晶である “ラストバタリアン” さえも前線に投入する愚かな参謀本部だった。
それに異を唱えた為に “ラストバタリアン” 部隊共々に一切合切引っくるめて左遷された。
ただ彼は第二次世界大戦時に秘密警察に服毒自殺を強要されて自宅の森の中で果てた筈。
年齢的にも今目の前に立つその姿は余りにも若過ぎて違和感がある。
一体 “ロンメル元帥” は何故ここに存在するのか?
ロンメル、砂漠の狐と連合国から恐れられた智将。
もう一つの顔は稀に見る騎士道精神の持ち主と敵味方双方から敬服された人物。




