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エリーゼのために。

地獄の業火、煉獄。

 

 〈シュルシュル〜〉と、4体の影が同時に “ちるな” に襲い掛かる。

 が、その瞬間地面が裂けて凍てつく空気が噴出する。

 冷気と地面の温かさの寒暖差で〈ゆらゆら〉と水蒸気が立ち込める。

 裂けた地面の割れ目からオルゴールの音色が聴こえる。

 哀愁漂うエリーゼのためにが奏でられている。


 辺りの空気が一変している。

 きっと普通の人がその場にいたら全身に鳥肌が立ち、心臓が握り潰されるほどの悪寒を感じただろう。


 裂け目の底から、


「ククククク “ちるな” ちゃん助けようか? ククククク」

「いやいや、“ちるな” ちゃんに襲い掛かるとはそりゃもう心臓は握り潰さねばなりませんな、ククククク」

「“シャドウ” 君等はコチラに来たまえ!遊んであげるから」

 現れたのは、地獄の執政官 “夢魔公爵ギヒノム卿” だった。


「影が好きなようだから薄ーくぅ薄ーくぅ引き延ばして影そのものにしてあげよう」


「クッ」と笑いかける声がした後、“夢魔公爵ギヒノムレ卿”と“シャドウ” 君等は掻き消えていた。

 裂けた地面も何事も無かったように閉じている。

 オルゴールの音色が徐々に地中の底に消えて行く。


 〈ギギギ〜〉硝子を爪で引き掻くような堪え難い音を伴って地面に裂け目が現れる。

 裂け目の中は真っ暗な闇、深い深いその奈落の奥底に煮えたぎる煉獄(れんごく)の業火のうねりが見える。

 業火の中には亡者が蠢いている。


 その裂け目の崖から “シャドウ” が手を突き出し叫ぶ。

「助けて〜〜お願いだから殺してくれ〜助けて」

 兵士は割れ目の中にある天井がない四角い壁で囲まれた部屋から叫んでいる。

 床はポロポロと崩れ落ちた床の隙間から奈落に渦巻く煉獄の業火が見える。

 本物の地獄が口を開けている。


「どうもお行儀が悪い!君は千回生き死にを繰り返しなさい!ククククク」

 と声がした途端、〈ギュン〉と裂け目が閉じて消える。


 バケモノという簡単な表現では表せない魂が凍りつく恐怖そのもの。


 窪地を遠巻きにして囲んでいた10名程の兵士達も恐怖の伝播で頭髪が真っ白になっていた。

 短機関銃を構える気力も失せてダランと短機関銃をぶら下げて呆けた表情で立っている。

 その内の一人が〈グニュグニュ〉ともがきながら地面に沈んでいく。

 またその隣と次々に地面に沈む。

 数名続くと流石に他の兵士が気づきその場から逃げ始める。

 だが兵士は次々に地面の亀裂に沈み行く。

 沈み行く兵士の表情は恐怖に引きつり叫びをあげたまま顔が硬直していた。

 それは沈み行く兵士にべったりと巻き付く “夢魔公爵ギヒノム卿” の覗き込む眼差しの顔があった。

「アーリア人の魂は噛み応えがありそうですね」

「優秀であると自画自賛ですからして少し楽しみなのです」


 10名の兵士は死後の苦痛を先に味わいながら消えた。


 地の底から声がする。

「 “ちるな” ちゃん、こちらは気にせずにそのゴルゴーン3姉妹の姉を懲らしめなさい」


「ありがとう公爵!そうさせて頂きます」



戦いは神世のレベル。

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