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“アイアンハーケン” 登場。 超量子電子頭脳 “ピタゴラス”推論不能…。

 

「何をビビってるのよ、見掛け倒しのハーケンクロイツだわ」

 “薬剤師風の女” は、後退したゲシュタポ司令官に軽蔑込めて声をかける。

「異星人のプリンス様が覚醒しちゃったじゃないのよ、面倒くさい〜」


 ゲシュタポ司令官は、無線機で何か話している。

 兵士達に更に後退するように命令する。


「ハ〜ン、後退じゃなく早く来なさいってもーう、腰抜け!」


 その頃、沖合の潜水艦の上部ハッチが開く。

 そこから大型の輸送ヘリが大きなコンテナを抱えて舞い上がる。

 数分後、後退している兵の前にコンテナが投下される。

 地面に激突する瞬間に逆噴射が作動してフワリと着地する。


 コンテナの横にあるハッチからゲシュタポ司令官と副官兵士二人が中に入る。


 “鈴之助” の横にいつの間にか龍騎兵が20騎並んでいる。

(はら)え!」

 号令一下、龍騎兵の攻撃が開始される。


 ナチス兵はサブマシンガンの掃射が弾かれるのを認識すると、腰にぶら下げている2本の筒の1本を引き抜き筒に内蔵されているトリガーを引っ張り出して龍騎兵に照準する。

 トリガーを引くと筒から射出されたのは小型ミサイルだった。

 龍騎兵は回避行動をとる。

 20騎それぞれミサイルの射線を外すべく移動する。


 ミサイルは自動追尾があり、回避行動の龍騎兵を追い回す。

 一つまた一つと着弾する。

 彼方此方(あちらこちら)で爆発が起きる。

 着弾された龍騎兵は、電磁シールドの展開で大きなダメージは受けない。


 反転攻勢でナチス兵を攻撃すべく、回避場所から急行する。

 ミサイルの威力が判断できたので今度は電磁シールドを前面に展開して迫る。

 龍騎の蒼色の冷凍光線の射程まであと僅かの地点でナチス兵が2本目のミサイルを放つ。

 龍騎兵は体を斜めに(かわ)しつつ直撃を回避させるように直進する。


 ミサイルが着弾する。

 しかし爆発しない。

 不発?

 いやどのミサイルも爆発しない。

 電磁シールドに絡め取られて空中で停止している。

 〈ププッピーン〉と電子音がしてミサイルの四方から霧が噴出する。


 着弾された龍騎の様子がおかしい。

 〈グラグラ〉と不安定な飛行となり墜落する。

 飛行している龍騎はほぼ居なくなる。

 龍騎を失った龍騎兵は飛び降りて身構える。


「感謝しなさいよね司令官!異星人ども怠惰粒子を混ぜたナノ寄生虫のお味は如何かな」

「光属性のエンペラー星人のテクノロジーは真逆の暗黒素粒子に弱い事は研究済みなの〜」

「怠惰の(しょう)気の中で死滅しなさい」

 〈キャッキャキャ〜〉


 機動力を失った龍騎兵は苦戦を強いられる。


 ナチス兵もサブマシンガンの弾に怠惰粒子をコーティングした特殊弾を使い始めた。


 “鈴之助” の周りをガードしている龍騎兵も退路を探し始めた。


 〈ガゴーン〉とあの巨大コンテナの扉が吹き飛ぶ。

 〈ガシン、ガシン〉と地響きをたてながら “アイアンハーケン” が姿を表した。

 7、8メータはある、まるで小さなビルが動いている感じだ。

 手首に実装されているシュマイザー機関砲を掃射し始める。


 龍騎兵は堪らず電磁シールドを展開するがポータブルエネルギーなので展開数に限りがある。

 これは極めて不利な状況に陥ってしまった。


 更にナチス軍の攻勢は拍車をかける。

 1体の “アイアンハーケン” の後ろにあと2体居たのだ。

 計3体の“アイアンハーケン” 。

 ナチスが得意とする電撃機械化部隊の畳み掛ける攻勢だ。


 先頭の“アイアンハーケン” の拡声器からゲシュタポ司令官の声がする。

「諦めたまえ、もう勝ち目はない!我らに投降しなさい非道な仕打ちはしない」


 応えるように竜騎兵が電撃ライフルから電撃を放つ。

 その龍騎兵目掛けて、“アイアンハーケン”の頭頂部のキャノン砲が火を噴く。

 〈ポン〉と軽い射出音の後、〈ドガン〉と龍騎兵の居た場所に大きな窪地が出来る。


 その頃、翁:オキナ、嫗:オウナが居る秘密の地下基地は危機的状況に超量子電子頭脳 “ピタゴラス” があらゆる可能性を想定して救出作戦を推論していた。

 だが、面の殲滅は超ハイテク兵器を使用すれば容易いが、点の救出には点を守りつつの作戦となるために強力な武器よりも個の力と戦略が必要で推論結果にはリスクゼロが算出出来ずに推論の空回り状態に入り込んでいた。


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