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地下基地

大黒様の祠前で消えたじいちゃんとばあちゃん。


年寄りだから、貧乏だから、お人好しだからと蔑んでいると、実はあやしい奴らだったらどうする。

高見を決めている連中の存在が、ただの凡人である事を見えないままに一生を終える可哀想な人なのかも知れないね。

 

「ジョウセンシャ 2メイ」

「シキベツコード オキナ」

「シキベツコード オウナ」

「トモニ シキケンゲン サイジョウイ」

「ゼンシキケンゲン イジョウ カンリョウ」


 〈ポワン〉と無機質な空間の壁全体が(ほの)かに(とも)る。


 翁:オキナ、嫗:オウナは、あの “鈴之助” のじいちゃん、ばあちゃん。


 仄かな明かりの中、二人は白銀の宇宙飛行士の船内服の様な服装に成っている。

 一番見違えたのは二人とも人の容姿ではなかった。

 頭から順番に銀色の短髪に前頭葉が発達して大きく迫り出している。

 アニメの二頭身キャラの様な大きなブルーの眼、鼻と口は無し。

 身体は人型だが一つだけ違うのは腕が四本ある事。


「“鈴之助” の覚醒度合いは50%ほど、これ以上の覚醒は今後憂慮すべき」

「しかし、古きもの; “クトゥール” の攻勢は日増しに強くなっている」

「その時が来たのではないか」


「いいえ、現段階でも “鈴之助” には過酷な状況。覚醒よりも隠遁し静かに見守るべきです」


「“オウナ”、君は人間の情に感化されていないか」

「いいえ、エンペラー星人としての役目は見失っていません」

「私は “鈴之助” ちゃん、いえ、エンペラー星雲帝国の “ミューラ” 王子様を危険に近づけたく無いだけです」

「 “ミューラ” 王子の覚醒のための刺激となる戦闘は必要ですが、相手があまりにも異常で異質過ぎます」

「エンペラー星雲の崩壊から逃れて幾万光年かけて見つけた安住の地での生活を敢えて危険に晒す事はありません」

「ただ、数万年前にこの地に不時着した私達に救いの手を差し伸べてくれた “尊きお方” への恩義は最優先で尊ばねばなりませんけど」


「“オウナ” の危惧は分かるが、あの古きものは私達の存在を知っているのかここ日向の地を攻撃目標として何度となく侵略を繰り返す」

「殲滅しなければ何れ由々しき状況となるだろう」


「ピタゴラス、敗走後の“ハイドラ” の追跡状況を報告しろ!」


 《ハイ “ハイドラ” オヨビ “インスマス” ノ コンセキ ハ ショウメツ》

 《アラタナ テキノ シュツゲン ナシ》

 《ケイカイレベル ツウジョウ》

 《“ハイドラ” シュツゲン ザヒョウ ノ ケイカイ ハ ライリュウ 3キ デ ジッシチュウ》


「雷龍3機で警戒態勢なら先ずは大丈夫でしょうが海中も気になります。蒼龍も1機海中偵察に出しましょう」

「ピタゴラス、蒼龍1機を偵察に発進させよ!」


 《ソウリュウ 1キ カイチュウ テイサツ ニ ハッシンセヨ》


「“ミューラ” 王子様に冷凍カプセルからお目覚め頂いたのは、この地が数千年波風なき安堵の地と判断した為」

「しかしお目覚めと同時にこの侵略の手の激しさは敵に意図する事がある様にしか思えません」

「時間観念が希薄な古きもの; “クトゥール” にしては、絶え間ない攻勢の仕方に別の何者かの意思を感じます」

「“尊きお方” とのコンタクトは出来ていますか?」

「王子に目覚めて頂いた状況でのこの状況は危険度が高過ぎます!」

「せめて “尊きお方” のお力添えを得ていないと不測の事態の発生までは対応出来ません」


「ピタゴラス、“尊きお方” とのコンタクト状況を報告して!」


 《トウトキオカタ トノ サイゴ ノ アクセス ハ スウセンネン ヲ サカノボリマス》

 《トウトキオカタ ノ スウセンネン マエノ シネン ト オナジ ハケイ ヲ ケンチ シタ バショ ガ アリマス》

 《セッショク スル タメニ ドグウ033 ヲ ハケンサセテイマス》

 《イド:33.637375 ケイド:130.452401 》

 《チメイ フクオカケン カシイ 》

 《チカクニ モト セイホウ ホウメングン サイゼンセンキチ》


「首尾よく “ドグウ039” が、“尊きお方” とコンタクト出来れば活路は見出せます」

「吉報を祈りましょう」


「こうなると光子力超速反応炉(あまてらす)へのエネルギー充填も急がねばなりませんね」


「ピタゴラス、光子力超速反応炉(あまてらす)への充填(じゅうてん)進捗は?」


 《ゲンザイ 95% “ハイドラ” ノ エイキョウ デ リュウミャク ノ マナ ガ ゲンスイ》

 《100% マデ アト 48ジカン ト 05ビョウ》


異星人。

エンペラー星人、世にはその存在が噂されるけど。

居るとしたらそうだね。

もう人間に紛れているよね。

当たり前か。


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