救い。
淡いブルーの洞窟を抜けると…。
ドアの中は空洞、トンネルだった。
ぽっかりと訪問者を待つかのように静に佇む。
少し肌寒い。
導かれている訳だろうから先に進む!
トンネルの壁は、瑠璃色の美しい鉱石で淡くブルーに〈ぼわ〜〉と輝いている。
まるで氷河の中の洞窟。
ずっと見ていたい。
トンネルを抜けると、真っ白な雪の世界だった。
〈ギュッギュッ〉と、ほんまものの雪国な感触が雪だ。
〈ギュッギュッ〉音しかしない静寂な世界。
針葉樹だろかツンドラな風景。
風は吹いてなく寒くもない。
そんな雪景色の世界に少年が居た。
雪の中にぽつんと立ってキョロキョロと周りを見回している。
小学二年、三年だろうか。
なんと半ズボン姿じゃないの!
少年は〈トトとっ〉と走り去り視界から消えた。
シーンとする静寂の中、私は少年が走り去った方向へと歩き出す。
暫く歩くと木々の間に〈キラキラ〉と瞬く小さな金色の光の粒。
〈キラキラ〉と手招くように舞う金色の帯。
〈ギュッギュッ〉と、進む内に森が途切れて視界が開けて来た。
ぽっかりと、白い空き地が現れ視界が開けた。
空き地の真ん中に大きな木が立つている。
金色の光は、その木に向かって〈キラキラ〉と曲線を描きながら、〈ふわ〜りすーい、ふわ〜りすーい〉と
飛んでいく。
おや、木に何かが突き刺さっている。
大きな槍だ。
その槍は泣いていた。
そう泣いているのを感じる。
どんどん槍の思念が頭の中に流れ込んでくる。
私は気がつくと槍の前に立っていた。
槍は慟哭している。
とても大切なものを失った哀惜に満ち溢れている。
そして槍はその後を追う事を決めて自己崩壊を始めた。
その槍は、
「もういい」となったんだね。
〈チリーン〉澄み渡る鈴の音。
“この槍はゲイボルグ。
神話の頃より神器と謳われ幾千年もの間、心を許す唯一の友“クー・フーリン” と共に駆けてきた。
その絆は悠久を超え、絶大なる信頼感。
“栗原博美” あなたはこの神と等しき神器の心を救ってあげれますか?
あなたが受けた人の世の哀しみは、あなたが心底望む。
仁なる境地の筈。
救いなさい!
古の神代の時代の神器ゲイボルグ。ゲイボルグにも意思があり自らの終焉を今…。




