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曼荼羅。

 

 峠道を“ぬらりひょん爺” と一緒に連れ立って下る。

 峠から見える谷の集落に明りが灯り始める。

 何かホッとする情景だ。


「“ぬらりひょん爺” さん、僕の知識ではね、貴方は妖怪の総大将だと思うんだけど、そうなのかな?」


「ほっほほ」

「そうじゃな〜、儂は巨大な湖に面する西の妖を束ねる“(おそ)れ組み” の(おさ)にして全妖の総大将じゃ」

「東は、海を背にする地。そこの鴉天狗“白鴉ハクア” の姫が頭領する“妖し組み”」

「南は、砂塵とカルデラ活火山が噴火を絶やさない火の国の若君“伊吹丸(いぶき)” が束ねる“牛頭(ごず)組み”」

「北は、雪の冠が絶えることのない切り立った山脈が連なる山岳地帯に棲む雪女の“雪姫” の“白夜組み”」


「折角じゃて 宴 を催すかえ」


 宴 とは全妖怪の主だったもの等が集う親睦会のようなもの。

 通常は100年単位で定期的に行われる。

 前回は70年ほど前になる。


「今回は“御君様” も居ら得る事じゃし、曼陀羅 も開催とするかの」


 曼荼羅 と言葉が出た途端、周りの空気がどよめく。


「これは一大事、一大事」と目には見えないが至る所にいるだろう妖怪達が騒ぎ何処ともなく走り去って行く。


「ほっほほ」

「現金な奴らじゃて」


 曼荼羅 は大きな決め事を図る場合に開催される武闘大会の事、優勝者は破格の報償と願いを叶えて貰える。

 参加者は自由参加となるが基本東西南北での名だたる者が参加する。

 準備期間は無く開催は急遽決定してその時点での強者が競う事になる。

 参加登録条件は勿論妖である事と所属団体名を明らかにす事の二つ。


「あわてもの等がまだ 曼荼羅 の階級は申しておらんに」

「曼荼羅 激 とする!」

「ほっほほ」


「そんな急に決めていいの?」

「懇親会の準備やうーんと武闘会の練習とか、期間が必要じゃないの?」


「“御君様” はまだハッキリと覚醒はして居らぬようじゃな」

「その感じならまだ物質具現の理はまだ知らぬだろう」


「“ハクア” から教えてもらったよ!想った物が現れる力だよね」


「そう、半分は正解じゃな」

「現れるという表現よりも引寄せるが正解じゃ」

「“小豆小僧” に“御君様” がくれた どんぐりはアレは引き寄せた どんぐりじゃて」

「しかも“御君様” 程の力の大きさだと儂以上じゃから想像もつかぬ所から取寄せてるじゃろう」

「現にどんぐりを貰って大喜びの“小豆小僧” は数千年に一度訪れるかどうかの進化をしておる」

「儂も齢は数千年はあるが、“小豆小僧” の進化を見たのは初めてじゃ」

「然も3段階も進化しおった…。」


 あの どんぐり は一体何で出来ており何処から引き寄せたのじゃろうて…。


「まだ続きはある、物質引き寄せと変幻の力じゃ」

「これは儂の知識じゃ、実際どの様なものかは分からん。が“御君様” が持つと伝わる伝説じゃて」


 二人話し込みながら歩いていたので最後尾となっていた。

 みんなはもう村落の中に着いて居た。


 “ぬらりひょん爺” の手配で大きな屋敷が宿地として用意されていた。

 朧に灯る明かり。

 異形の風体の妖が往来する通り。

 どこか懐かしい空気が漂う空間。

 ここは確かに日本の空気が流れている。


 “ゆうや” は呟く。

「“みなみ” ちゃん、この空気はきっと現代に“みなみ” ちゃんを返してくれる!きっと」

「きっと」


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