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超時空要塞天鳥船(あまのとりふね)

 

 伝説は本当だった!

 夜空が幾万もの瞬きに埋め尽くされる。

 数千もの大小様々な宇宙船が超巨大な時空要塞を取り囲む様に整然と船隊を組む。

 圧倒的なその威容が怒りに満ちている。

 もう地球自体が消滅しても不思議では無い状況だ。


 神代の時代の遥かな昔に人たる過程の存在が畏れおののき仰ぎ見たその光景が広がっている。

 ただ、その眼差しは慈愛ではなく、今は怒り、憤怒に満ち満ちている。

 そして絶望が来るだろう。


 もう人の世もいつ終わってもおかしくはない。


 《コノヨ ヨ オワレ》

 《コノヨ ヨ オワレ》


 超量子電子頭脳 “ピタゴラス” の音声ではなく。


 幾千もの宇宙船全てから醸し出されてくる思念が告げる。


 《コノヨ ヨ オワレ》

 《コノヨ ヨ オワレ》


 人の浅き世は終わりを告げるのは必定。


 “ちるな” と対峙する“ゴブリン” は野性の本能のままに地面にしゃがみ込み震えている。

 震えようが泣き叫ぼうが微塵も事態は変わらない。


 “ちるな” がハッとして “エインセル” を呼ぶ。

「エインセルちゃん、“鈴之助”ちゃんを異次元から此方に連れてきて!早くお願い」


 目の前の空間に青い渦が現れる。

 青い渦の中からフランス人形が出てくる。

 その後ろから “鈴之助” が現れる。


「 “鈴之助” ちゃん、お仲間に無事だよと教えてあげて!」

「皆さん、 “鈴之助” ちゃんが居なくなったと悲しんでいるから」


「分かったたい、おねーちゃん」


「皆んな〜ここに僕はおるとよ〜」


 あ、声を張り上げても聞こえないよね。

 う〜んと、「 “エインセル” ちゃん、“森羅万象” さん居るかな〜」

「疲れて寝てるよ」


「いいや聞こえてるよ!」

「“ちる” ちゃん居るよ、儂は何処にでも居る」

「御用はなんだい」


「 “森羅万象” さん、私と “鈴之助”ちゃんを天空に挙げて欲しいの」


「えーと、これで良いかい」

 地面から例の樹の根が数十本出てきて絡み合って束になる。

「この上に乗ってご欄」


 “ちるな” と “鈴之助” が乗ると、絡み合った樹の根の外側に細い枝が幾重にも芽生えてまるで柵の様になる。

 樹の根は物凄いスピードでグングン空に向かって伸びる。


 地表の“ゴブリン” 等が米粒に見えるくらいに上昇して止まる。

 〈ビュービュー〉と風が吹き荒れている。


 “鈴之助” は声を張り上げるが風の音に掻き消される。


 “ちるな” が諭す様に話す。

「“鈴之助” ちゃん、貴方は“尊きお方” の大切な大切な八行の勾玉、えーと宝物なの」

「貴方は大切な人々を沢山沢山助ける力があるの」

「心の内にある光を想って目を覚まして欲しいの」


「“ちる”ねーちゃん、その力は“じいちゃん”や“ばあちゃん”に美味しい物を食べさせてあげれるの?」


「“鈴之助” ちゃんが目を覚まさないと“じいちゃん”や“ばあちゃん”は多分もうすぐきえてしまうよ」

「美味しい物はね、“ちる”ねーちゃんが沢山用意する!約束!」


「分かった!」


 “鈴之助” は、意を決して目を閉じて心の内を見つめる。

 心の中、瞼の裏側に漆黒の渦が現れ、青、赤、黄と虹色に輝き〈パーン〉と消える。


 “鈴之助” の第三の眼が静かに開く。


 開いた途端、目の前ミリ単位の隙間を開けて超時空要塞 “アマノトリフネ” が瞬間移動の様に現れる。


 “エインセル” が仰ぎ見る樹の根が伸びる上空が真っ暗な影に覆われる。

 それは超時空要塞 “アマノトリフネ” 全長4000メートルが大空に忽然と現れたからだ。


 数千の宇宙船群も近隣に移動して来る。

 そして、静かに全砲門が“ちるな” に向けられる。


 超量子電子頭脳 “ピタゴラス” の音声が響く。

 《ジジョウ ヲ オキカセ ネガオウカ》

 《ユウキュウ ノ トモヨ》



古の巨船の出現。

エンペラー異星人の怒り。

全砲門が“ちるな” を照準する。

まだまだ話は加速して行きます。

が、“ゆうや”の旅も少し騒がしくなって来ました。

100話目を区切りに、

第1章の0 君を追いかけて の続き

第1章の1 君を追いかけて に入りますね。



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