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前の話の投稿で出すのが遅れて申し訳ありませんでした。
この話で一旦最終回です。
全て無事終わった。
今は、ナシャルターザとその部下達を拘束し、未来に連行している。
扇、杏優は一応手当をうけた。
そして、異常はなかった。
「あなた達、2人に異常がなくて良かった」
「でも、お前は両肩怪我したけどな」
「大丈夫よ、未来の医療技術ならすぐに治るわ」
「そうなのか」
この先のことは扇も分かる。
お別れだ。
当たり前よ事だが、冬花は未来人なのだ。
この時代に普通なら居ては行けない。
だから未来に帰らないといけない。
それに怪我を早く治療するために。
冬花は、今扇の部屋にいる。
話があるからだ。
「私達、タイムレンジャーはこの時代でナシャルターザ達が起こした事件を片付けたら未来に帰るだけど、その前にあなたの記憶、私に対する記憶を消さないといけないの」
どこか申し訳なさそうだ。
「あぁ、漫画とかアニメでは定番だからな」
「ちょっと何言ってるか分からないけど、承諾ってことでいいのね」
無言で頷いた。
これで終わりだ。
全て無事に終わった。
杏優も無事。
これで満足だ。
(だけど、なんだよこの気持ちは)
「扇くん」
いきなり呼ばれ、少し驚いた。
「なんだ?」
「私達、タイムレンジャーはあなた達の前から消えるけど、今回のような事件が起きないようにこれからも保護観察して行くから、もうこんなことが絶対起きないから」
「そうか、ありがとう」
時間が無くなっていく。
終わりが近い。
冬花は時計を見ると、最後の言葉を口にした。
「扇くん、短い間だけどありがとう。私はあなたに会えて良かった」
そう言うと、扇の記憶がプチンと途切れた。
扇は最後に。
(消えないでくれ)
こう願う。
叶わない願いを。
願ってしまう。
───起きてもありますように。
×××
扇はベットで目覚めた。
いつの間にか昼寝でもしていたようだ。
全然記憶にない。
喉が乾いたから下に降りていく。
リビングでは、これまた珍しいことに妹の杏優もソファーで寝ている。
風邪を引かないように毛布をかけた。
冷蔵から麦茶を取り出し、コップにつぎ飲んだ。
喉の乾きは取れたのに、喉に骨がひかかっているような違和感だけが残った。
本当にこの家には、杏優と扇しかいなかったのかと。
考えてしまう。
だけど、誰がいたような痕跡はない。
当たり前なのだ。
誰もこの家にいるはずはないのだ。
それなのに、そう思ってしまう。
いや、それどころかこう思ってしまう。
「居て欲しい」
すぐさま自分が言ったおかしなセリフに違和感を覚えた。
「なんで俺はそう思ってしまうんだ?」
分からない。
どれだけ考えようとも分からないのだ。
なぜ分からない。
全て分からない。
頭を手で抱えていると、声がする。
「兄っちどうしたの?」
「なんか、俺は大事なものを失った」
「大事なものって何?」
「それが分からないんだ、 でも大事なんだ」
こんな事を言われておかしいと思わないやつ等いない。
自分でもおかしいと思う。
でもだ。
それくらい大事なものだった。
これだけはハッキリと言える。
「ねぇ、兄っちはその大事なものをどうしたいの?」
「見つけたい、取り戻したい」
「そっかなら、見つけよう。どんなに時間がかかっても絶対見つけよう」
「......」
杏優は、前向き扇を分かろうとする。
いや、分からなくても!扇のためになることをしようとする。
杏優は、扇に笑って欲しいから。
「2人ならきっと見つけられるよ」
そして、杏優は笑顔で微笑んだ。
×××
タイムレンジャーの本部に冬花は帰ってきていた。
そこには、井上の姿もある。
ここでは、壊れたタイムマシンを直している。
「ねぇ、井上先輩......」
「どうした?」
「なんで、あの時代に来れたの?」
「可愛い後輩のためだからだ」
冬花は、近づき井上の足を踏みつけた。
本当に痛そうにする。
少女は、目を細めながら「ちゃんと答えろ」という感情を乗せていた。
これにすぐさま気づいた井上は話を始める。
「別に大したことじゃない、ここから過去に行く前に昔の金を渡しただろ?」
「はい、確かに受け取りました」
「あの金にちょっと細工しておいた。だから、冬花がどこに行ってもすぐ駆けつけるようにしておいた」
言い終わったあとだった。
冬花は身を引いている。
距離を取る。
「それってストーカーみたいじゃないですか」
「ちげーよ、お前にもしもの事が会ったら嫌だからだよ」
冬花は後ろを向くと「でも」そう口にした。
そして、井上の方を振り返りながら、
「井上先輩、ありがとう」
微笑みながら確かにそう言った。
井上は見とれてしまう。
さくらんぼ色の頬が綺麗だ。
「まぁ、今回は許して上げます。その代わり、星野屋のメロンパンお願いしますね」
「あぁ、いいよ。今回は頑張ってくれたしな」
「じゃ100個ぐらい頼むかな」
「そんなに食えんのか?」
流石に100個は多いだろと言わんばかりに質問した。
でも、冬花は即答で答える。
「食べきれない時は、井上先輩お願いしますね」
「結局、俺が食うんだな......」
どこか元気がない。
けど、どこかいつも通りだ。
「まぁ、仕方ねぇな。あっ、そうだ雪菜も呼ぶか?」
「それはやめてください」
即答。
本当に嫌そうに言った。
「分かった、分かった」
こうしていつもの日常が始まる。
今日も冬花はタイムレンジャーとしての仕事に取りかかる。
「よし、仕事頑張るか」
《完》
全て読んで下さった皆さん、お分かりの通り変な終わりをしました。
続き、続編を希望する方で自分の代わりに書きたいという人がいましたら教えて下さい。
どういうことかと言いますと、他の人に続編を書いてもらいたいということです。
この話までお付き合いありがとうございました。