ピンクレンジャー!
休み時間は地獄だ。
「瑛斗、1年の子達が呼んでるよ」
「え?あ、うん」
「瑛斗、この手紙お前にだってさ」
「え?あ、うん」
「瑛斗、お前のアドレス○○に教えていい?」
「え?あ、う・・・ダメ」
だーーー!
・・・疲れる。
「おいおい大丈夫かー?」
「レオ君・・・助けなさい」
「ったく、贅沢王子だな」
レオはある提案をした。
「お前が彼女つくればいいんだよ」
俺は溜息。
「お前・・・簡単に言うなボケ」
・・・あ、舌打ちされた。
んなことわかってんだよ。
出来ないから困ってんだよー!
「瑛斗せーんぱい♪手紙読んでくれましたぁ?」
・・・。
いきなり登場。
ピンクピンクした集団。
5人ぐらいで・・・レンジャー?
「なんでメールくれないんですかぁ?」
何のことだ・・・
まず誰だ君は・・・
一緒にいるピンク達が小声で応援してる。うぜぇ。
「マミ待ってたんですよ・・・ずっと」
マミ?知りません。
そしてここは教室のド真ん中です。
邪魔してはいけないオーラが教室をまとう。
「マミのこと嫌いになったんですかぁ?」
まず知らねぇ!
うるうるさせた目で見つめられる。
ちょっと待て。俺が悪いみたいじゃねーか。
・・・。
「ちょっと来て」
俺はマミとやらを引っ張って屋上へ。
廊下でザワつく奴はシカトだ。
――――――――
「瑛斗せんぱい・・・」
目がキラキラしている。
ラメでも入ってんのか?
「マミ嬉しい・・・」
あぁ、勘違い。
俺は今きっと遠い目をしているだろう。
「・・・勘違い」
あ、出ちゃった。
マミとやらはパッと顔を輝かせた。
「勘違いじゃありません!マミも好きでした!」
なんですか?
なんなんですか?
「も」って・・・
「俺、好きじゃないんだけど」
ピンクレンジャーのリーダー・マミの表情が変わった!
あ、なんか赤鬼さん思い出した。
元気かな・・・
青鬼さんもいるかな・・・
「せんぱいっ!!!」
やばい、自分の世界に入ってしまった。
「・・・何?」
イライラするなぁ。
「こんなに好きなんですよ!」
「俺は無理」
「・・・っ!」
ひるんだ!
押してやるぜリーダーさんよ!
「大体やり方が嫌だ」
マミが凶暴化しそうだ。
しかし俺は続けた。
「皆の前であれはちょっと・・・空気読んでよ」
「な・・・?!」
おや?マミの様子が・・・
俺はポケ○ンの進化映像を思い出した。
「ひどい・・・先輩そんな人だったなんて」
みるみる顔が赤くなる。
「もう戻っていい?」
聞いてみた。
「勝手にしてくださいっ」
「ん、どうも」
あぁ、すがすがしい。
俺は屋上を後にした。
――――――――
「ギャオー!ちょーむかつく!」
立派な鳴き声と、ガンッという音がした。
・・・。
「おめでとう!マミは凶暴戦隊ギャオレンジャーに進化した!」
ま、こんな感じっすか。
いや、センスねぇな。