不思議。謎。
平凡な毎日。
俺にはスリルが足りない。
「ま、いいや」
廊下を歩くと後輩やらが騒いでいる。
うぉ、なんかぶつかってきた・・・
え、あ・・・何これ、紙・・・アドレス?
トイレに行くまでの数秒間で色々収穫。
いつもながら怖い。
トイレの個室に入って物色。
ピンクの便箋にノートの切れ端。
油断させといて・・・呪いの手紙とか?
こんなスリル悪くない。
結構チキンな俺。
「んーと、す・・・すきで・・・す、愛して・・・ます」
字が丸い。読みにくい。そして重い。
これは一種の呪いだな。
「メール待ってます、か・・・」
アドレスが書かれた紙。
前に似たような紙を渡されてメールしなかった。
泣きながら「待ってたのに!」というあの顔が
今でも頭から離れない・・・女って怖い・・・
チャイムが鳴って、慌てて教室へ戻った。
「あ、トイレすんの忘れた」
――――――――
「あー、彼女ほしー」
放課後、レオが呟いた。
「・・・そうだな」
怖くない彼女がほしい。
「お前が彼女いないなんて不思議だよな」
その言葉が不思議です。
恋すらしたことないなんて、俺おかしいのかな?
ださいのかな?どうすれば出来る?
レオは小学校の時から友達で、部活とかも一緒だった。
中学の時にこいつに彼女が出来て、俺も続こうと思った。
高校に入っても女を好きになったことなんかなくて、
逆に怖くなっていく気がする。
そろそろホ○だと思われそうだぜ・・・
「ま、お前は火がつくと消えなさそうだしな」
謎の言葉を残して、先に歩き出すレオ。
「火・・・か」