犬でもキジでもない。
「おーい、瑛斗っ」
誰かが俺の名前を呼んだ。
振り返ると予想通りの奴。
「おう、やっぱレオか」
「なんだよ、やっぱって」
「気にすんなって」
軽く殴れた。
「お前また告られてたじゃん」
「ん?・・・あぁ、赤鬼さん?」
「は?赤鬼?」
「あ、途中で青鬼・・・クッ」
あぁ、思い出し笑い。
「意味わかんねーよ」
ウケてる俺を見てウケるレオ。
「だっだからっ、ブハッ、顔がっ、クッ・・・」
「説明になってねーよ」
ちょっと引かれた。
――――――――
落ち着いた俺は全部を説明した。
「はいはい、そういうことか」
納得したレオは涙目をこする。
「つか・・・見てたなら助けろ」
ポカッと殴る。
「いてっ、邪魔しちゃ悪いじゃん」
いやいやあんた・・・
親友が鬼に襲われてるんよ?
言おうとしたけど、やめた。
照れくさい。
「こんだけ告られてて良い子いなかったのか?」
レオの言葉にハッとした。
「良い子はいるだろうけど・・・」
よく知らないし。
そんな俺にレオは軽く溜息をついた。
「お前なー・・・、最初から両想いなんて普通ないぜ?
まず付き合ってみれば良いじゃん」
「・・・そういうもんか?」
とりあえず連絡先聞いて俺に教えろよ、と
言った彼に俺のアッパーが炸裂した。