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クロスロード・ネーゼリア  作者: ニーベ
3/11

プロローグ3

 強くなれると意気込んだボクを絶望のどん底に突き落とした事実。

 それは、そもそも10万年前の転生者たちがどうしてジエンドクラスなんて言う常軌を逸した力を持っていたかの理由。

 それはその当時、10万年前にはレジェンドクラスやジエンドクラスの魔物がそれこそ今のSクラスの魔物の様に、或いは更に際限なく溢れ出て、この世界に侵攻してきていたから。


 そもそも、魔物とはどこか別の世界からこの世界へと侵攻して来る脅威だって説明はしたよね。

 そう。魔物はこの世界、ネーゼリアの住人ではなく異なる世界からの侵略者なんだ。魔域と呼ばれる領域からこの世界に侵攻して来る侵略者。

 しかも、どうしてこの世界に侵攻して来るのかの理由は一切不明。そもそも意思の疎通がまったくできないからね。

 一応、かつて人型の魔物、それも知能の高いオーガの上位種とも言われるSクラスのラセツなどに対話を試みた事があったらしいんだけども、完全に聞く耳もたずでこちらを攻撃して来るだけだったそうなんだよね。

 そう。魔物はこの世界への侵略者なんだけども、その在り方はこの世界を征服する為に送り込まれた先兵と言うよりも、この世界の生物を殺し尽す為に放たれた殺戮者と言った方が良い。

 そう、異世界からこの世界に現れた魔物はただ、この世界に生きる者を殺す為だけに行動し続ける。

 土地の征服とか或いはは略奪なんて行為すら一切しない。魔物はただ殺戮だけを目的としてこの世界で暴れ回る存在。


 でだ。そんな魔物の侵攻を受け続けているのに、ただ黙って侵攻され続けているなんて訳はないんだよね。

 これまで幾度となく試しても進行そのものを完全に防ぐ事は出来なかったらしいんだけども、魔物の侵攻を抑える事には成功しているんだよ。

 そう、この世界には魔物の侵攻を防ぐための封印システムが存在する。 

 それがこの世界、ネーゼリアの空に浮かぶ2つの月の内のひとつカグヤ。なんとこのカグヤ、10万年前の転生者たちが造り出した人工天体なんだって。

 月を造り出すとか一体何なのって思うけど、それくらいのモノじゃないと魔物の侵攻を食い止めるための封印を展開する事も維持する事もムリみたい。

 とりあえず、10万年前の転生者たちはそんな人工の月を造り出してこの世界を魔物の脅威から守る、封印を世界に施したんだ。

 それでも、封印で脅威が激減しているらしいのに、ボクの感覚から言ったら十分過ぎる脅威に晒されているように思えるんだけども、普通に10万年も平和に世界が存続しているんだから、問題ないんだろうね。

 そんな人工の月カグヤに護られる事で、ネーゼリアの平和が守られてきたんだけども、そのカグヤの封印がそろそろ切れてしまうらしいんだよ。


 と言うか、この世界魔物の脅威から世界を守るための封印システムの展開を10万年周期で行い続けて来たみたい。

 逆に言うと、どんな強力な封印を施しても、10万年で確実に封印が破られ続けて来たとも言えるみたい。

 それで、また新しい封印を10万年ごとにかけなおすんだって。

  

 それを何千、何万回と繰り返しているんだってさ。


 それを知った時にはさすがに目が点になったよ。

 えっ? この世界ってそれこそ何億年以上も魔物の脅威にさらされているの? ってね。

 というか、いつまでも脅威に晒されているくらいなら、逆にこちらから進行して車物の世界に乗り込んでそれこそ世界ごと滅ぼしてしまえばいいのにって思ったよ。

 いや、ひょっとしたらこれまでに何度か逆振興をかけたりもしているんだけども、魔物を全滅させるとか、相手の世界を滅ぼしてしまうとかはできなかったのかも知れないけどね。


 そんなことより問題なのは、今がちょうど魔物の進行を防ぐ封印システムが展開されて10万年後ってことだよ。

 つまり、ちょうど新しい封印システムを造り直さないといけない時期なんだよね。

 ついでに言うと、その前に、新しい封印が完成する前に、今のカグヤの封印が破られて今までとは比較にならない魔物の進行にさらされることになるのも確定なんだって。


 うん。どうも10万年前の転生者たちも封印が破られた後、押し寄せる魔物の進行を食い止めながら新しい封印をカグヤを苦労して造り上げたらしいよ。

 しかもそれは、これまで幾度となく繰り返されてきたことなんだって。

 つまりは、どうやってもこれまでの封印が破られてしまう前に新しい封印を完成させてしまうことは不可能だってことらしいよ。


 だから、いずれ今のカグヤの封印が破られて、これまでは異界からの侵攻が防がれていたレジェンドクラスやジエンドクラスの魔物が数え切れないほどこちらに、この世界に襲い掛かってくる日が来るって事。

 いやどうなのってホントに思うよ。

 少なくても星を簡単に破壊できるような魔物がそれこそ万単位で攻めてくるっていったいなに?

 そんな状況下で世界を守りながら新しい封印を、それこそカグヤ並みの、月ほど巨大な封印のための機関を作り出さないといけないんだよ?

 普通に考えてムリがあるよね。

 いや、だからこそ、10万年前の転生者たちはその時のために、自分たちが作り出した兵器なんかの遺産を、当時の世界を守った魔物の脅威に対抗する術を残してくれているんだけどさ。

 それでもね、なに、ボクってひょっとして世界を守るためにこの世界に転生した勇者的な立ち位置なの?

 なんて思いながら更な読み進めるとさ、そもそもがこの世界の転生者てのが魔物の脅威から世界を守るための存在みたいなんだよね。

 10万年前も、それ以前の新たな封印によって世界を守る戦いの時も、数え切れない程の転生者が生まれて、そして彼らが中心となって戦って来たみたいなんだ。


 言ってしまえば転生者ってのは勇者ってよりもこの世界の防衛機構?

 何この世界の神的な存在が世界の存続の為に造り上げたシステムの一部的な感じなんだけど。


 と言うかふざけるなと言いたい。

 自分の世界は自分で守れ。

 なんでよその世界から引っ張って来るかね。

 イヤ、この世界に転生してしまった以上、ボクは地球じゃもう死んでるんだからどうしようもないんだけどね。


 なにはともあれ、もう既に転生してしまっている以上。ボクがその10万年ごとの戦いに巻き込まれるのは確定なんだよね。

 うん。どう考えても普通に死ぬよね。

 まあ、唯一の救いは別にその戦いに巻き込まれるのがボクだけじゃないって事かな・・・・・・。


 うん。さっきから10万年前の転生者たちて言っている事から解るように、10万年前の魔物の脅威に対抗しながら新しい封印システムを造り出した転生者は1人や2人じゃない。

 なんか数十万人は確実にいたみたいだよ。ヘタをしたら100万人を超える人数が転生して来たんだって。

 

 つまり、次の新たな封印をするための戦いがじかに迫っているらしい今の状況なら、ボク以外にもすでに何万人もの転生者が居るのは確定なんだよね。

 同士と言うか、同じ被害者の会。

 1人じゃなくて彼らと一緒に事に当たるのが救いと言えば救い。


 と言うか、何万人も転生者がいるなら割とすぐ近くに居たりしてもおかしくは無いハズなんだよね。

 できれば、色々と相談できる理解者になってくれる転生者に会えると嬉しいんだけど。


 なにはともあれ、いつまでも落ち込んでいられないのも確かだよね。

 て言うか、今のカグヤの封印が何時破られるのかが判らないのがもの凄く不安なんだけども、いくらなんでも今日明日とか1年後とかそんな事はないよね?

 最低でも数十年の猶予があると信じたい。

 だってさ、今から準備を始めたとして、5歳児がそんな戦いに何とかついて行けるくらいに強くなるのにどれくらいかかると思う?

 ホントに最低でも10年や20年くらい時間があってくれないとどうしようもないよ。

 まあ、確かめようがないから諦めてとりあえず、ひたすら強くなるために努力するしかないんだけどね。

 後、重要なのが10万年前の転生者たちが残してくれた遺産の回収。

 

 ぶっちゃけ、努力しても全然強くなれなかったりしたとしても、遺産の兵器があればなんとかなるんじゃないかなって思うし。

 封印が破られてから慌てて遺産を回収して使おうとするんじゃ遅いからね。

 どんな物が残されているのか確認もしないといけないし。


 なんだけどもとりあえずは後回しなんだよね。

 だって5歳児が世界中を回って遺跡の発掘とかムリだし。


 だからとりあえず今やれる事は修行。

 本気でどこまで強くなれるか判らないけどね。

 何もしないで後で後悔したくないし。今日からでも強くなるために頑張るよ。


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