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Ghost helpers!  作者: 北風
第一章
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24/38

23話 沖花 ××

「あ、杏菜。やっぱりここにいた」

『桃菜? お兄ちゃんと帰ったんじゃ……』

「えっとね、ちょっと訊きたいことがあって来たんだ」

『……何?』

「うーん……違うならそれで良いんだけどね……単刀直入に訊くと……


覚えてる?」


『──!!』


「あ、やっぱり」

『な、違、何のこと……』

「あ~、駄目だよ。やっぱ嘘下手だね、杏菜。これじゃあバレるのも当然だよ……」

「で? 覚えてるんでしょ? 死んだ瞬間(とき)のこと」

『…………覚え……てる……』

「何であの人にそれを言わなかったの? 私を庇ってたの?」

『…………』

「馬鹿だね」

「言っちゃえば良かったのに」


私に殺されたって(・・・・・・・・)


車道に突き飛ばされて(・・・・・・・・・・)死んだって(・・・・・)


『…………』

「分かってるよ。罪悪感を覚えてるんだよね」

「自分が殺されたのは、自分が私を追い詰めていたせいだ、って思ってるんだよね」

『…………』

「でもね、桃菜がそうやってお人好し気取ってるせいで、桃菜を救ってくれた人達が傷付くかもしれないんだよ」

『!? どういう……!』

「分かってないね。自分が何で死んだか」

『……え? それは……桃菜が私を憎んでた、から……?』

「まあそれは事実だよ。私は杏菜を憎んでいた。でもそれは殺す程じゃあ無いよ」

『え?』

「嫉妬が理由で人を殺すなんて虚しいだけだよ。私が杏菜を殺したのは、もっと明確な利益があったから」

『え? ……え?』


「私ね……お兄ちゃんが好きなの」


『    』


「親愛でもない。恋愛でもない。そんな言葉で括れない程、大好きなの」


『             』


「お兄ちゃんに嫌われるのは何よりの恐怖」

「お兄ちゃんに愛されることが私の全て。お兄ちゃんにとっても、私が全てであって欲しい」

「だから、杏菜の分の愛も欲しくなったの。それだけ」

『あ……あぁあ……』

「あ、やっと反応した」

「その感じだと、分かったみたいだね」

「そうだよ」


「お兄ちゃんと仲良くするあの人達の分も、私は欲しい」


『っ……桃菜ぁ!!』

「わ、怒んないでよ」

「大丈夫、私だってあの二人には感謝してる。本当、してもしきれないくらいに」

『……っ……』

「でもね、私は自信がある。あの人達に勝てる自信が」

『嘘……できるわけない!』

『桃菜はまだ子供だよ!? 力も弱い。私のときみたいに、上手く行くわけがない!』

「ううん、上手く行くよ」

「子供とか大人とか、力が強いとか弱いとか、関係ない」

「殺せる力より殺す勇気と覚悟。それが大切なんだよ」

「戦場で強力なミサイルや爆弾があっても、それが使える人がいないと人は殺せない」

「逆に、小さな拳銃一丁でも、引き金を引く覚悟さえあれば人は殺せるんだよ」

「生憎、私は桃菜を殺した今、何も後悔してない」

「お兄ちゃんに愛して貰うためなら、何でもできるんだ!」 

『……っ!』

「それにね、杏菜も聞いてたでしょ?」

「お兄ちゃんは、私がどんな罪を犯しても味方でいてくれるって!」

「あれ、物凄く嬉しかった!!」

『……桃菜』

「私、あの言葉を聞いて勇気が湧いたの! 今はもう何も怖くない!」

『桃菜!!』

「……何?」

『あの人達に、あの人に、手を、出さないで……! お願ぃ、だから……!』

「…………それは、杏菜次第だね」

『……え?』

「手を出して欲しく無かったら、お兄ちゃんから人を遠ざけてよ」

『遠ざけ……る?』

「お兄ちゃんを一人にしてよ。もう誰にもお兄ちゃんの愛を取られたくないの」

『そん……な……どうやって……』

「それくらい考えれば分かるでしょ?」

「上手く行ったら私はもう誰にも手を出さないって約束するよ」

『…………』

「大丈夫だよ、お兄ちゃんの事は私が何十人、何百人分も愛すから。お兄ちゃん、寂しくないよ」


「それじゃあね、杏菜」


「別に急かしはしないけど、待ってるよ」



「期待してるよ」



「私はまだ、この話を終わらせる気は無いから」




「今日までの事は序章も序章」




「これからが、本番だよ」






「美しい兄妹愛を描いた物語は、ハッピーエンドじゃないとね」

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