ボスモンスターを生成
十階層を作る前にここのモンスターを決めないとな。ミラージュボックスの他にも新しいモンスターがいるみたいだし。
「ところでゴーレムはどんなのが召喚できるようになったんだ?」
「ブロンズとアイアンだね。防御力はぐっと高くなったけど物理無効の能力はなくなったよ。あと変わり種としてはタールゴーレムなんてのが増えたね。火が付くと身体が燃え上がって敵を攻撃するみたいだよ。その代わり燃え尽きたら死んじゃうみたいなんだけどね」
「マスター、そのアイアンゴーレムを9階層の小迷宮に配置するのはどうでしょうか? 一種のボスです」
アルティと俺が今造った階層に召喚するモンスターについて話しているとヴァイスも加わってきた。
「面白いな、じゃあ小迷宮のモンスターはゴーレムで統一してみようか。あとは他に何か経験値やドロップアイテムが良いやついる? 少し探索者を集める餌みたいなのを入れたいんだ」
「前に闘った純金のゴーレムとかのことですよね。あれはドロップアイテムが金のインゴットでご主人様はたいそう喜んでいた記憶があります」
「オーレムか、感覚的にアイアンの二段階上かな。召喚できないよな?」
「そういうモンスターは僕の召喚リストにはないよ。ただ始めのボスモンスターみたいにモンスター生成のスキルを使えば造れるかも? ただ回復は遅いから倒されてから次のモンスターを生成するまでのインターバルは長いよ」
そう言われてアルティのステータスを確認すると普通に全快になっていた。回復が遅いっていっても2日か3日程度で回復するならボスとしてはいいんじゃないのか? そう尋ねると
「それはこの間のレベルアップで最大値は回復したみたい。ただレベルが上がるとレベルアップの間隔も長くなるし、次にいつ召喚できるかわからないんだよ」
他の迷宮でもボスは連戦できずにリポップまでに時間のかかるものが多い。それに召喚陣も時間辺りの召喚数に制限はあるのだ。そう考えたら召喚間隔が開くことも問題はないだろう。それじゃあ小迷宮のボスはオーレムにして他にも今までの召喚陣で召喚できるゴーレムを配置しよう。
「それじゃあ僕の体力を分け与えてモンスターを生成するね。どれぐらいの体力で作ればいいかな?」
「今の最大値の回復量はどれくらいなんだ? それによってはモンスターの強さを抑えないといけないからな」
「うーん、詳しくはわからないけど一時間で1%も回復はしないはず。だから体力をほとんど使うと次までに百時間以上かかると思うよ」
HP最大値の回復量はMP回復量と違ってとても少ないらしい。半分でも百時間と考えても全快するのはゲーム時間で4日くらいになるのか。
すると三分の一くらいで考えればいいかな。それだったら4000か。
「それじゃあ4000で行こう。できるか?」
「わかった。じゃあイメージを教えて。僕はそのゴーレムを見たことがないから」
「名前だけじゃ、ダメなのか? イメージといっても口で説明するとなると」
「特徴をはっきりした方が同じモンスターでも強くなるからね。しょうがないな、口で説明できないなら」
説明に悩んでいるとアルティが不意に顔を寄せてきた。戸惑いながら後ろに反って距離を取っても更に顔を近づけてくる。そして肩を押さえられて更に鼻先がくっつきそうになるがその前におでこがぶつかった。目の前にかわいい女の子の顔があるとはわかっているがその状況から逃れようと身を捩る。しかし肩に体重を預けられているので逃れることはできなかった。
「落ち着いて、ヘタレ。この状況でその金のゴーレムのことを想像して。そうしたら僕にイメージが流れてくるから」
落ち着くために深呼吸をする。だけど吐いた息がアルティにかかったようでちょっと色っぽい声でくすぐったいと言われて更に心臓は高まる。目をつぶってオーレムのことを想像しようにも額から伝わるアルティの熱が正常な思考を邪魔してくる。どれくらいの時間が経ったのか、額からの熱は消えて目の前にアルティの顔が見える。
「雑念が多くてわからないよ。もっとはっきりとイメージしてくれないと。ヴァイスも見たことあるんだっけ?」
「ええ、ありますよ。トレースしますか?」
「うん、よろしく」
呆けているうちに話がまとまったようで、アルティとシャインの顔が近づき、額をくっつけていた。さっき自分とアルティもあんな感じだったと思うとまた恥ずかしくなってくる。そして視線を逸らしているうちに終わったらしい。
「よし、これで精巧に作れるようになったよ。じゃあヘタレが細かい部分を決定してね。マスター権限だから」
アルティがそういうと共に目の前にステータスウインドウが表れた。しかしステータスの各値は書かれておらず、選択肢が存在するだけだ。
【 種族名 オーレム
大きさを決めてください
形状 人型(固定)
高さ ーーm
重さ 4000kg(固定) 】
大きい方が強いかな。だったら4m位でいいか。
【 種族名 オーレム
大きさを決めてください
形状 人型(固定)
高さ 4m
重さ 4000kg(固定)
DEF -30%
MDEF -30%
SPD +80% 】
【これでよろしいですか?
はい
いいえ 】
うん、よろしくないね。ゴーレムなのにすばやさが上がって防御が落ちるなんて。どういう理屈だ? もっと大きくしてみるか。
【 種族名 オーレム
大きさを決めてください
形状 人型(固定)
高さ 5m
重さ 4000kg(固定)
DEF -70%
MDEF -70%
SPD +200% 】
【これでよろしいですか?
はい
いいえ 】
ダメだ。耐久紙のゴーレムになった。すばやさが特化しても基礎値は低いだろうし。小さくしよう。自分よりもちょっと大きいくらいでいいか。
【 種族名 オーレム
大きさを決めてください
形状 人型(固定)
高さ 2.5m
重さ 4000kg(固定)
DEF +20%
MDEF +20%
SPD -30% 】
【これでよろしいですか?
はい
いいえ 】
これでいいか。ゴーレムらしいステータスだし。はいを押すと次の項目が浮かび上がる。
【 種族名 オーレム
攻撃方法を選んでください(最大100%)
近接物理 ーー%
近接魔法 ーー%
遠方物理 ーー%
遠方魔法 ーー% 】
どうすればいいんだ? 何の技を使えるかもわからないしこの%が何を表してるかもわからない。とりあえずアルティに聞こうか。
「う~ん、ちょっと待って。……。……えっと、種族に合わせた攻撃方法をAIがパターン化して実行するってある。それで%は優先度と威力みたい。わかった?」
やってみないとわからないというのがわかった。しかしゴーレム系ならこれでいいだろ。
【 種族名 オーレム
攻撃方法を選んでください(最大100%)
近接物理 80%
近接魔法 ーー%
遠方物理 20%
遠方魔法 ーー% 】
【これでよろしいですか?
はい
いいえ 】
はいを押すと次の項目が浮かび上がる。
【 種族名 オーレム
攻撃優先度を選択してください
近い順
遠い順
被ダメージ率順
体力の高い順
体力の低い順
回復及び支援スキル行使順
近接武器優先
遠距離武器優先
ランダム(時間周期)
ランダム(戦闘毎) 】
さてどうしようか。近い順、遠い順は囮役一人でタゲ取られるから弱いし却下。被ダメージ率順は普通のモンスターにもボスにも多いタイプ。補助役優先は上手く嵌まればいいけど。体力の低い順も捨てがたいけどな。
う~ん、どうしようか。難しいな。だけどやっぱり基本の被ダメージ率順かな。
【 種族名 オーレム
攻撃優先度 被ダメージ率順 】
【これでよろしいですか?
はい
いいえ 】
さて、はいを押す。決めることが多くて疲れてきた。だけどまだまだ次の項目が浮かび上がる。
【 種族名 オーレム
ボーナスステータスを振り分けてください(最大100%)
ATK --%
DEF --%(+20%)
MATK --%
MDEF --%(+20%)
SPD --%(-30%) 】
これは0のままだとステータスが0になるのかそれともボーナス無しなのか。アルティに確認すると
「別に0なら0でもいいし、場合によってはマイナスでもいいみたいだよ。マイナス分の半分の値が他に振れるみたい。色々試してみたら」
本当だ。マイナスの数字にもできる。なら魔法を使わないから魔法攻撃力を減らして他に振ろう。
【 種族名 オーレム
ボーナスステータスを振り分けてください(最大100%)
ATK 100%
DEF 25%(+20%)
MATK -100%
MDEF 25%(+20%)
SPD --%(-30%) 】
【これでよろしいですか?
はい
いいえ 】
攻撃特化のステータスになるはずだ。はいを押す。するとウインドウには
【 製作者 マモル
種族名 オーレム
召還コスト 4000
黄金のゴーレム。本来の金より重いため防御力は高いが素早さは低い。攻撃力がとても高いため全ての攻撃が一撃必殺の威力を持つ。特に近距離で放たれる黄金のパンチは並の防御力では防げない。しかし遠距離でも地震や投石で攻撃が飛んでくるので注意。
通常ドロップ 金のインゴッド
レアドロップ オリハルコンのインゴッド 】
【保存しますか?
はい
いいえ 】
はいを押す。これでようやく完成みたいだ。召喚獣の欄にも新しく生成モンスターの枠ができて一番上にオーレムは載っている。
最後に召喚陣を小迷宮の九階層奥のミラージュボックスを守る位置に置いて、間隔は四日と設定しておいた。他のゴーレムの召喚陣も忘れずに四体程置いた。これで九階層は終わりだ。最後に十階層の生成だ。




