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更に深くダンジョン生成

 現実世界で1日を過ごしログインするとゲーム内では2日が経っているはずだ。急いでダンジョンへの転移陣を抜けてコアルームに行くと


「あっ! ヘタレだ。あの後何組か侵入者が来て僕もレベルアップしたよ。いま12レベル」


 アルティが俺に気付き声をかけてきた。報告自体もただレベルが上がっただけなので問題が起きたわけではなさそうだ。そして10レベルを超えたので


「お! やったね。これで次の階層が作れるな。それでえっと、侵入者ってちゃんと撃退できたの?」

「おかえりなさい、ご主人様。侵入者は吾輩が出ることもなく撃退できました」

「そうだな~、大体3階層のマッドゴーレムとシャドウウルフにやられてたぜ。1組だけそこを突破したやつも次の階層の状態異常でやられてた」

「ガブ、口調をもうちょっと何とかしなさい。マスターが寝た後6組の侵入者がやってきました。そしてその中で3階層を抜けたのは探知能力に優れて、スピードが速いチームでした。迂回しながら最小限の戦闘で抜けていったんです。しかし次の階はモンスターの密度が高かったので囲まれてしまい状態異常やマギレオンの奇襲で死にました」

「そっか、じゃあまだ大丈夫そうだね。他に何か変わったことはある?」

「それが…、昨日までは人が来ていたんですが今日はまだ誰も来ていません」


 コマンドを開き時間を確認すると昼は回っていた。それなのにまだ誰も来ていないということは何かあったのだろうか? 最初の確認しにきたメンバー含めて7組の探検者が来たと言っているので一日に2組か3組の探検者が来ていたのであろう。そうするとまだ来ていないというのはちょっとおかしい。それに現実世界が夜なのでログインしているプレイヤーも増えていてプレイヤーの動きが活発になる時間帯なのでなおさらだ。少し掲示板で噂話を集めてみることにしよう。

 新ダンジョン調査スレと失敗談スレにうちのダンジョンのことが書かれているのを目にし、関わるところを全て流し読みすると主にこう書かれていた。

 調査スレはモンスターの種類や地形の見取り図が書かれており客観的に見たダンジョンのあらましが分かるようになっていた。しかし3階層まではそれなりの情報だが4階層はさっきガブとシャインが言っていたようにまだ1組しか侵入者がいなかったので出現モンスターも全ては書かれていなかった。マギレオンについても一切書かれていなかったのには驚いたけど失敗談スレにそのときの状況も載っていた。

 ファンタジーマッシュに囲まれて味方が幻惑状態で攻撃してきてそれをちゃんと避けたのに死んだ、そのときの死因はわからない、とか幻惑状態でAIに操作を取られてブラックアウトしていたからわからなかった、とか書かれていて誰もマギレオンを見ることができなかったから調査スレに情報が上がっていなかったらしい。

 失敗談スレに複数パーティで疑似レイド組んで攻略してみないか、みたいなこっちとしてはお帰り願いたいものまであった。とりあえず様子見な感じに扱われているようだ。それに初心者にはおすすめできないダンジョンの中にも紹介されていたので、侵入者の減った原因はここら辺にもあるのだろうと納得した。

 とりあえず掲示板を見て次の階層はテーマを迷路にしようかと思った。道の細い迷路なら大量のプレイヤーが来ても分散したり通路で並べなかったりして多対一の状況にならないから有効だと思う。しかし迷路を本当に真面目に作るとどれだけ通路を造らなければいけないのだろうか。とりあえず1階層ごとのダンジョンポイントは1000ぐらいに抑えたいし、今回の撃退によって稼いだポイントも320ポイントとあまり効率の良いものではないから今の状況だとそこまであてにすることもできない。

 やはり危険を冒しても欲しいと思わせる餌も必要だろうか? 

 ちょっと珍しいモンスターを召喚すればその素材目当てのプレイヤーも集まるし、または経験値の多いモンスターならレベル上げのために誰かが来るかもしれない。そういうことを念頭に置きながら造っていこう。コアルームの中央のテーブルの横の椅子に座り新たな階層を造ることにした。

 まずはフロアを造って階段も1セット造る。そして一番細い通路のペンを持ち、まずは適当に曲げながら交差点ができないように1本道を造る。その道から枝分かれして行き止まりの道や同じところに戻ってくるような道をたくさん造りごちゃごちゃと迷路を造っておく。そして仕上げはその迷路を包むような周回の通路をうねうねと曲げながら造り環状線とした。もちろん環状線と中を繋ぐ通路もいくつか作るが中には行き止まりも作った。

 これで壁沿いにずっと行っても最初の入り口に戻ってきてしまう迷路の完成だ。

 階段は迷路の中心に小部屋を造ってそこに設置しよう。そして7階層だ。

 とりあえず階段を置くための小部屋を造ってから、一つ、試したくなったことを試す。階段を設置した小部屋を造ったところとはできるだけ離してもう一つ小部屋を造る。そしてアルティに


「この階段のある部屋からこっちの何もない部屋に一方通行の転移陣って作成できる?」

「うん、やってみるね!」


 そう言って呪文を唱え始めたが、アルティが呪文を唱え終わっても何も起こらない。アルティの方を見ると彼女も苦笑いしていた。


「出口がない部屋への転移はできないみたい。多分双方向の転移陣とかなら作れるよ。どうする?」


 出口がない部屋に閉じ込めるのはだめなのか。それじゃあどうしようかと思っているとガブが寄って来て耳元で面白い案を囁いてきた。敬語とか一切なかったけどヴァイスには話している内容が聞こえなかったらしく、いつもの雷は落ちなかった。そしてガブの案に必要なことをアルティに確認する。


「それは階段でもいいのか?」

「うん、多分大丈夫。だけどこんなにすぐに次の階に移らせちゃうの?」


 アルティはこの2部屋を転移陣で結んだだけの階層にしてしまうと思ったのか、ちょっと首を傾げながら上目遣いでこちらを見上げてきた。


「そうじゃない、そうじゃない。例えば階段を下に向けたらどうだ?」


 そう言いながら6階層を表示し環状線の外側にもう一つ小部屋を造り、細い通路で環状線に繋げた。そしてその小部屋に2つ目の登り階段を設置して7階層のもう一つの小部屋に繋げた。


「もう一回、一方通行の転移陣作成してみて。先に造った方が入口ね」

「う~ん、わかった。一応試してみる」


 半信半疑のようで首を傾げながら呪文を唱え始めていたが呪文を唱え終わると転移陣が作成されていた。良かった。成功した。


「へぇ~、こんなんでもいいんだ。そうすると転移陣を踏むと下の階に戻らなくちゃいけないんだね」

「ガブ、ありがとね。それじゃあ7階層造ろうか」


 褒めてやるとそれをまたヴァイスに自慢しに行っていた。ヴァイスは悔しそうだったが、ヴァイスとガブじゃ思考のパターンが違うからヴァイスじゃ思いつかなかったと思うぞ。

 7階層も迷路を造る。転移した先のゾーンも小さいながらも迷路を造り、そちらに飛ぶ転移陣もたくさん用意した。

 8階層、9階層と迷路のパターンは変えたが全て同じ仕組みで造っていき、最後に9階層だけは小迷宮に登り階段は無く、行き止まりとし大きめの部屋を設置した。


「さて、十階層を作る前に小迷宮のモンスターを召喚するかな。何が良いだろうか? みんな意見はある?」

「ちょっと召喚コストが高いけどマッドゴーレムより強いゴーレムも召喚できるようになったよ。それに鬼火やミラージュボックスみたいな新しいモンスターも増えてるよ」

「ミラージュボックスか、宝箱に化けていて近づくと所持アイテムをぶんどって逃げてくやつだよな。それでも貴重なアイテムとかをドロップするモンスターだから探索者を集める餌にはなるのか。ドロップするアイテムは俺が決めるのか?」

「敵から奪ったアイテムの数とレア度によってドロップアイテムがランダム生成されるみたいだよ。ただこのモンスターを召喚するときに1000M必要みたいだね。トレジャーボックスの中から自動的に支払われるみたいだけどどうする?」

「9階層の小迷宮に1体置いておこうか。行き止まりでもメリットはあるみたいな感じで」

「了解~、じゃあ一番奥に設置しとくね」


 さて、ミラージュボックスは置いたが侵入者を増やす餌としては物足りないかもしれないな。それにボス以外のモンスターだな。強めのモンスターを配置していくか、それともドロップアイテムが希少なものを落とすモンスターか。とりあえず他の召喚できるモンスターも把握しないと。


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