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ダンジョンコアが仲間になりました  作者: 千羽 鈴兎
2章 ダンジョン生成
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クリエイトダンジョン

 自宅で身の回りのことを8時間のうちに整えてまたIDにログインした。目が覚めるとやはり寝た部屋と違う部屋で起きることになったので頭の中が少しこんがらがるが、周りを見渡してみるとシャインの実家だというのがわかり少し落ち着く。誰も部屋にいなかったので居間に出てみるとアルティとシャインがケーキと一緒にお茶を飲んでいた。多分あのケーキはシャインのお母さんの手作りなんだろう。

 ドラゴンも長命種なので自分の好きな趣味をこれでもかっていうぐらい極めている者が多い。シャインのお母さんは結婚してからこっち家事を極めにいってるらしい。なので手作りケーキもそこらへんのお菓子屋さんに劣らないくらい美味しいし、部屋もピッカピカに掃除しているし、他の家事仕事も抜かりがない。

 そんなケーキを食べている二人をうらやましく思いながらもそうは思われないように気を付けながら後ろから声をかける。突然声をかけられて驚いているようだが構わずにさっき現実世界で思いついたことを話す。まずはダンジョンの場所についての話とそれに付随して思いついた内部構造の話だ。

 ちなみに話している間にシャインのお母さんが俺の分のお菓子とお茶も持ってきてくれたので美味しくいただきました。


 そして思いついたダンジョンはこんな感じだ。

 場所は大陸中央の都市チェンタの西の山脈だ。ここに南のアレックス王国の首都と同じ場所にあるアレックス湖に注ぎ込む川の源流がいたるところに湧き出している地域がある。ここは最初に訪れる大都市のクラウンから発令されるクエストために誰もが一度は通る地域であった。そして序盤だからこそ周りの敵はあまり強くなく、初心者から中級者の経験値場となっていた。

 まずはその源流から流れる谷川の滝の裏に入口を持ったダンジョンを造ればいいんじゃないかという意見。

 これは最初は見つけにくいということもあるが逆にだからこそいま見つかったと錯覚させることもできる。

 それにダンジョンが完成したら自分でギルドに報告してマップの登録をしてもらうつもりだ。そうすれば誰かしらの目に留まってお客さんが増えるかもしれないからだ。

 そして最初は洞窟型のダンジョンだが上層に登るにつれて寒くなっていき、最後は壁が氷の塔のダンジョンにしてみたいと思った。それが内部構造の話だった。

 アルティは二つとも可能と答えたので今回のログインで結果を出したいのですぐに下見をしに行こうと思い、またシャインに乗って外から飛び立とうとした。

 しかし、後ろから待ったがかかった。


「マモル殿、やはりダンジョンをここに作らないかのう? ここならわし達ドラゴンが面倒を見るしはっきり言ってそんじょそこらの探索者なぞ一捻りじゃ。お主のダンジョンをクリアできるものなどおらんじゃろうくらいになる。そしてその対価として子供を守って欲しいのじゃ。最近北部からの密猟が我が連邦の中で蔓延っておる。せめてできるならばわしらの種族を筆頭に全ての獣人や亜人を守りたいのじゃよ。のう、わしらのお願い聞いてもらえんかのう?」

「守りたいのは山々なんですが最初から最強じゃゲームにならないし面白くないんですよ。最大限できることを努力して行い最高の結果を出すために考えるというのがシミュレーションゲームでは大事なんですよ。最初から半チート、ボスキャラ級のドラゴンしか出ないダンジョンなんてクソゲー以外の何物でもないんです。その密猟者のことは今度別の形で相談に乗ります。そして俺にできることならば協力しますんで今回は行かせてください」

「そうかの、では行くがよい。また近いうちに来ておくれ。そしてラーヴァのことは承った。わしらがあいつの顔を見に行くときについてきておくれ」


 長老はそういい胸を張った。


「わかりました。じゃあシャイン、今度はゆっくり慎重に飛ぼう。方角はこのまま北の山脈に向かってくれ。この竜の谷に流れている川を遡って行くよ。そして山脈の境に着いたらまた上空を旋回してくれ」

「マモル、それでいい。とにかくドラゴンに命令を出すときはそういう風に細かく速度ややることを指令するんだ。今度は広場壊さないで来いよ」


 最後にドラゴンの乗り方について語ったのはシャインのお父さんだった。今回は及第点がもらえたらしい。しかし次に来るときは広場に降りるとき、気を付けて着陸しようと心に決めた。

 そして俺たちはドラゴンの谷を飛び立った。


 そしてほんのちょっと飛ぶだけで山脈と平地の境に着いたので上空をシャインに旋回してもらった。そして少し開けている辺りに降り立つ。とりあえず地図に乗ってる大きい滝を見に行くと近くにダンジョンがあったりたどり着くのが難しいところにあったりした。しかし一つだけ十分な条件を満たす滝と地形があった。

 それは山脈にある鉱山に行くための岸壁に造られた道の一つでそれなりに通行人が多い道の横にある滝だった。 いつもなら景色の一部だが見かたを変えると滝の後ろに少しばっかし足場があるのがわかる。しかも別にここら辺にはダンジョンが無いようだ。

 即決でダンジョンを造ってもらうようアルティに頼むと


「わかった。ここでいいのね。もう造ったら動かせないからね」


「無限の可能性を持つ洞穴よ侵入者を惑わし糧とし成長する迷宮よいまここに新たな洞窟の誕生を告げる」


『クリエイトダンジョン』


 その呪文が唱えられると滝の後ろから光が漏れ出し視界を白に染め上げた。光が収まり目が見えるようになるとアルティの姿が消えて滝の裏には洞窟があった。

 思わず駆け込んでしまうが洞窟の中には人影がない。


「アルティ、どこに行ったんだ?」


 駆け込み一番にそう叫んだが何も返事がない。


「アルティ、もしかしてダンジョンができたらお前の体は無くなってしまうのか?」


 マモルはそうつぶやき、いま新しくできたダンジョンをふらふらと視線が定まらないまま歩き出した。

 まるでそれは幽霊のようだったと後にそれを見ていたものは語った。

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