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与那国島特務航空団の初陣

いよいよ、2人の主人公が戦闘に突入するものの、西側兵器とテクノロジーの優位性で無双しちゃうから戦記ものとしては全く面白味の無いものになってしまいます。

でも、でもこれから敵のハードルが上がって徐々に戦記物っぽくなっていく予定ですので、もうしばらくお付き合い下さい。

私が、与那国島の陸上自衛隊基地に赴任する羽目になった202X年の4月12日、着任と同時に知ったのは、台湾海峡事変における台湾防衛軍支援の為に台湾島がVTOL空母いずもの艦載機群が台湾空軍の制空権奪還の支援を目的とした日豪合同艦隊が目標海域に到達前に中国艦隊から放たれた巡航ミサイルの先制飽和攻撃で手酷い損害を被って、日豪合同艦隊は撃沈された艦船の乗員を救助するのもやっとの状況まで追い込まれ、可能な限り生存者を救助したら西方つまり公海上にしゃにむに逃走し、中国海軍の射程圏から脱出を図り辛うじて全滅を免れたという事実だった。

自己紹介が遅れましたね、自分は、綾瀬晴夫二等空尉、昨日までは航空教導隊に所属する新米パイロットだったのです。

そこで航空戦技研究や基地祭などでの展示飛行をやっておりました。

自分は、配属されたてのペーペーですが、隊のベテランパイロットの方達からも、『お前は筋が良いから、しっかり訓練して、早く戦力になってくれ。』などと言葉を掛けて頂いていましたし、訓練も高度な内容で充実した日々を送っていました。

私の、自衛隊における運命が変わったのは、防衛庁技術研究本部の技官で海自の主力艦であるVTOL空母の艦載機として採用されたF-35BライトニングⅡの改良型のプロトタイプの開発設計者である伊久間薫一尉に新型機のテストパイロットに指名されたからです。

伊久間一尉は、痩せぎすで不健康そうな肌色をしており、いかにも研究者という感じの人物でした。

なんでも、彼は私の操縦技術に惚れ込んで、かなり上の方を動かしてテストパイロットに抜擢してくださったそうです。

私は、後に当時の上官から正式に辞令を受け取りテストパイロットとして、与那国島の陸自基地に赴任したのでした。


基地に着任すると早速、パイロットスーツに身を包まれた伊久間一尉に笑顔で迎えられました。

『やあやあ、おつかれ綾瀬二尉、疲れている所申し訳ないが早速出撃だ!』

『出撃でありますか?』

私は、何を言われているのか、意味を咀嚼しようと復唱した。

『向こうで、シュミレーター訓練は十分こなしてくれたと真鶴教官から聞き及んでいる。それに今回はVTOL離着陸を繰り返すだけの簡単なお仕事だ。それだけで大戦果をあげられるんだから、ぼったくりも良い所だ、早くあの車に乗り込みたまえ。』


基地から5kmほど離れた鬱蒼と木々が生い茂った山間部が急に開け、トンネルのような大きな横穴が山と水平に穿たたれており、その手前は1辺300mの正方形状に平地に慣らされており、全面に滑走路用舗装が施されていました。

『ここが、我々与那国島特務航空団の基地だ、さあ君も早速このパイロットスーツに着替えてF-35BライトニングⅡ改(仮)に搭乗してくれ。』

『一尉殿、肝心の機体は何処にあるのですか?』

『そこの、山に穿った横穴の中だ、これは掩体壕も兼ねているのでね、それでミッションのだが今回は、プロタイプ初号機にトマホーク2発積載し、掩体壕前の広場で垂直離陸、機体が約200m上空に達したら、自分が後部座席の誘導兵器管理システムを使用して、トマホークを発射する。』

『トマホーク巡航ミサイルは、台湾周辺に包囲展開している中華共産主義国艦艇をここに居ながら全て射程内に捉えてるいので、トマホークがあるうちは、撃って撃って撃ちぬいて、中華海軍を俺たちで殲滅するぞっ!』

『しかし、一尉殿、そんなことしたらここはステルス機だから探知されないでしょうが、元からある陸自基地に向けて、熾烈な報復攻撃があるのでは?』

『それは問題無い、基地の陸自戦力もここと同じような極秘裏に作った隠蔽基地に展開が終わっているから、連中の報復ミサイルが雨あられと基地に降り注ごうが、人員も兵器・物資も既に搬出が完了しているから、基地のあった地面をそれはそれは深く掘り返すだけさ。それから一尉殿は止めてくれ、俺はこれでもまだ30前なんだから、公の場でならともかくこの島にいる間は、薫と呼んでくれ。俺も、晴夫と呼ばせてもらう。これからお互い命を預け合う戦友になるのだからな。』

『はっ、では薫・・さん。』

『よし、機体の準備は既に完了している、早速乗り込むぞ!』

『ラジャー!』


複座のF-35BライトニングⅡ改(仮)初号機に晴夫が火を入れると、洞窟の中からゆっくりタキシングして、前方の垂直離着陸場に進み出た。

『よし、晴夫、相対高度200mまで上昇したらホバリングしてくれ。』

『ところで、こいつのコードネームは何ですか?』

『あー、そいつは考えて無かったな。うーん、まあナイトメア・クリーパーⅠでいいんじゃないか。』

『忍び寄る悪夢ですか・・・なんかクトゥルーみたいですね;;』

『そうそう、俺たちで中華軍兵士のSUN値をがりがり削ってやろうぜ。日豪合同艦隊のかたき討ちだからな!』

弱めのGとやや心地よい浮遊感につつまれたのも数秒、機体は目標高度に達してホバリングを開始した。

俺は、既に軍事衛星情報や早期警戒機から送信される敵艦船のデーターリンクを確立していたので、後は最終チェックして、パイロンから切り離してトマホーク巡航ミサイルを発射するだけだ。

『フォックス2!』

掛け声と共に2発のトマホークミサイルが高速で放たれる。

地を這うように高速で安全なルートを初弾が飛翔してゆき、あっという間にキャノピーの視界から消えた。

『よし、機体を着陸させる。』

インカムのヘッドホンから、晴夫と地上の整備部隊を率いている郷間班長から返事があった。

ちなみに、トマホークは初期慣性誘導、終末アクティブホーミングなので超長距離射程を持つ撃ちっぱなしミサイルである。

着弾するまで、目標機の方向を向いてレーダー照射し続けるなどの煩雑な操作は必要ない。

なので、掩体壕に収容されたら、さっさと2人共コクピットから降りて、ハンガー内のパイロット待機エリアへ移動した。

整備部隊のメカマン達は、あっという間に機体のそれぞれの持ち場について整備を始めた。

オリジナル機体は、限界まで高性能を追い求めたので、整備性が良いとは言い難いが、俺はその辺も手を入れて国内民生用の高性能部品で代替し、その他構造を工夫して作業性の向上等を図り、現代戦闘機としては、帰還してから整備を終えて再出撃まで30分弱まで機体稼働率を上げる事ができた。

もちろん、俺一人の手柄では無く、つてを頼って民間のエンジニアにHELPしてもらっている。

俺も自然科学者の端くれではあるものの、一人で出来る事には限りがあり、頼れる人がいるのならコンセプトだけ伝えて後は、こまめに進捗状況を確認するくらいに止めていた。

そうでもなければ、こんな短期間にオリジナルより汎用性と信頼性が高い機体に改装するなんて俺のスペックでは俄然不可能なのだから。


そうこうしているうちに、中華海軍空母002番艦に向けて放ったトマホークミサイルが丁度着弾する様子を無人偵察機のカメラ画像で見る事ができた。

着弾箇所から船体は真二つに破断してあっと言う間に波間に沈んで行った。

やはり、予想通りというべきか、中国は金になるAIやエレカーなどの最先端技術に人的資源と巨額の資金を投入しているが、ローテク、ミディテクを一通り習得する前により儲かる高性能品、高付加価値品に移行してしまったために、今回の場合は、船舶の溶接技術や応力設計、また、高性能兵器のバルカンファランクスなどもトマホークをまったく迎撃していなかった。

まあ、トマホークの飛び抜けたステルス性と高速性能を確実に迎撃できる兵器は西側にすら、最新鋭艦に搭載されているのみだろうから。

そういう事に付けても、現政権が中華共産主義国がレアメタルを我が国に禁輸措置をした報復に軍事転用可能なシステムLSI、高性能ICなどの輸出規制を行ったのは賢明な措置だった。

今、慌てて高付加価値電器、電子部品の内製化に取り組んでいるようだが経験者もいないのに、量産のノウハウを得るまで一体何十年懸けるつもりであろうか。

つい最近まで、金型さえまともなものが作れなかった事からみても、自明の事実だと俺は思う。

まあ、在留邦人のエンジニアに教えを請うくらいの謙虚さがあれば打開する可能性もあるものの、中華思想、つまり世界の中心が我が国であるという思想があるのは中華とフランスだけだそうだけれど、フランスに関しては言うまでもなくEU域内での集団安全保障や地域交易圏の成熟によってその考えは薄まっているようには見える。

だから、世界で一番プライドが高い彼らが、かっての属国(漢の倭の菜の国王の時代のノリが今も続いていると想像すればわかりやすいかもしれない)の人間に教えを乞う事などありえない、特許や知的著作物を盗むのは得意だからそっちでカバーしてるんだろうけどノウハウを文書化する物好きはそうそういないからこれもあまり心配いらないだろう。

こうして3分間出撃と30分の休憩をトマホークの備蓄が尽きるまでエンドレスで2昼夜繰り返した。

我々よりも働きっぱなし整備班の方が相当消耗しているはずだけれども、彼らは一人の脱落者も出さず、最後までやりとげた。

本当に完璧な仕事士だと思う。

それで、与那国島特務航空団の戦果がちょっとすごい事になっていた。

まず、撃沈は空母4隻全て、駆逐艦の約5割に及ぶ23隻撃沈、フリゲート艦も18隻撃沈と凄まじい戦果になっていた。

まあ、相手の見えない安全な所から、こそこそ出所をごまして攻撃するというとかなり卑怯に聞こえるものの、それを実現するための高度な技術と努力と調整力の結果なのだからそこは敗北を潔く受け入れて貰おう、まあ、自分の夫や恋人、息子を殺された大勢の女性達の消える事のない憎しみを受ける事になるのはかなりしんどい。

地獄に1回落ちるくらいでこの罪償えるのだろうか?

そして俺自身、相手を殺したのだから自分も殺される覚悟くらいは持つべきだと思う。

戦闘の描写が淡白でごめんなさい。

でも、現代戦って基本ルーティンワークですから。

特に、今回みたいなワンサイドゲームだとね。

『明日があなたにとって素晴らしい1日になりますように~♪』


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