表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界を書き換えられる転生幼児は、 評価を保留させたまま学園を出る  作者: 黒羽レイ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/10

神界サイド 管理ログ:言語未実装案件について

 神界・第三管理局。


 そこは、世界の仕様とログを監視する部署だ。

 壁一面に浮かぶのは、無数の世界ウィンドウ。


「……で?」


 椅子にだらしなく座った神が、欠伸混じりに言った。


「例の赤ん坊、また何かやったの?」


「はい……やった、というか……」


 報告担当の下級神が、困ったようにログを拡大する。


個体ID:人族・男児

識別名:レオン

年齢:0



「言語能力、未実装のままです」


「それ、普通じゃない?」


 別の神が首を傾げた。


「赤ん坊だよ?」


「いえ、問題はそこではなく……」


 ログがさらに展開される。


意思伝達:

・感情誘導(成功率:高)

・非言語コミュニケーション(成功率:中)

・誤解誘発による回避行動(確認)



「……誤解誘発?」


「はい」


 下級神は、淡々と続ける。


「泣きそうな表情で危険行動を止めさせています」

「身振りで状況を誘導しています」

「本人は“言語を意図的に使っていない”と推測されます」


 沈黙。


「……え?」


 数秒後、別の神が笑った。


「いやいやいや、無理でしょ」

「赤ん坊が“使わない”選択するとか」


「それ、普通は“できない”から実装されてないだけだし」


 議場に、軽い笑いが広がる。


「気にしすぎだよ」

「たまたま感情表現が豊かな子なんでしょ」


 その時。


 ログの端に、小さな注釈が浮かんだ。


備考:

言語能力実装時期:本人選択



「……ん?」


 一柱の神が、画面を指差す。


「これ、誰が設定した?」


「……初期設定です」


「初期?」


 神たちは顔を見合わせた。


「そんな仕様、入れた覚えある?」


「いや、普通は“成長段階で自動実装”だよね?」


 空気が、ほんの少しだけ変わる。


「……まぁ」


 最上位席にいた管理神が、軽く手を振った。


「誤差だよ、誤差」

「言語なんて、早くても遅くても大差ない」


「それに――」


 ログを見つめながら、にやりと笑う。


「今はまだ、何も“壊して”ない」


 その言葉に、神々は頷いた。


「そうそう」

「発光も収まったし」

「這うのが速いだけだし」


 下級神は、少しだけ迷った末、最後のログを表示した。


注意:

当該個体は「世界認識文言」を部分的に改変可能

影響範囲:ローカル



 沈黙。


「……それ、前からだっけ?」


「いや、あれは……」


 だが、管理神は興味なさそうに言った。


「ローカルでしょ?」

「世界全体に影響しないなら、放置でいい」


「むしろ――」


 笑って付け足す。


「面白いじゃない」

「観測対象としては、当たりだよ」


 会議は、そこで終わった。


 ログは「様子見」にチェックが入り、

 対応優先度は――低。


 神々は知らない。


 その“言語を持たない赤ん坊”が、

 すでに世界の前提条件を読み、使い分け始めていることを。


 そして。


将来予測:

神界想定:低脅威

実際危険度:未測定(算出不能)



 この一行が、

 後に「最大の見落とし」と呼ばれることになるのを。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ