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世界を書き換えられる転生幼児は、 評価を保留させたまま学園を出る  作者: 黒羽レイ


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24/33

神界サイド 順調という名の安心

 神界・第三管理局。


 今日の会議は、短い予定だった。


「次、教育段階ログの確認です」


 下級神が、淡々と水晶板を操作する。


「対象――レオン」

「人界評価、経過観察」


 神々の反応は、薄い。


「あー、あの静かなやつか」

「まだいたね」


(※存在感がない)


 ログが表示される。


対象名:レオン

段階:初等教育

人界評価:

・成績:上位

・突出:なし

・問題行動:なし



「……優等生寄り?」


「いや、“普通よりちょっと上”だな」


 管理神が、頷く。


「想定通りだ」

「過剰成長の兆候は見られない」


 別の神が、ログをめくる。


対比対象:

アーヴィン・ルクレール

評価:高

推薦ルート進行中



「ああ、こっちはいいね」

「分かりやすい」


「こういうのがいると安心する」


(比較対象が優秀だと、なお安心)


 下級神が、遠慮がちに補足する。


「一応、レオンには――」

「独特な思考傾向が見られますが」


「“独特”?」


 管理神が、鼻で笑う。


「誤差だろう」

「その程度で逸脱扱いしていたら、管理が回らん」


「人界でも、保留評価だ」

「問題になっていない」


 別の神が、画面を拡大する。


神界評価:

重要度:低

脅威度:低



「ほら」

「完璧じゃないか」


「むしろ理想的だ」

「伸びすぎない」


 誰かが言った。


「……伸びすぎない、って」

「評価としてどうなんだ?」


 管理神は、即答した。


「最高だろう」

「管理しやすい」


 全員が、頷く。


 その瞬間、

 ログの端に、小さな注意表示が点灯する。


補足:

自己認識更新頻度:上昇



 だが。


「ん?」


「気のせいだな」

「教育段階では、よくある」


 誰も、深掘りしない。


 管理神が、まとめに入る。


「結論」

「対象レオンは、安定」


「今後も、特別対応は不要」


 判子が押される。


神界判断:

監視レベル:低



 会議は、それで終わった。


 神々は、満足して散っていく。


 ――誰一人、疑問を持たない。


 なぜなら。


 問題は、何も起きていないからだ。


 その頃、人界。


 小さな部屋で、

 レオンは一冊の本を閉じた。


 内容は、簡単な魔物図鑑。


(……外の世界、か)


 パネルが、静かに反応する。


内部状態:

選択肢の検討開始



 神界は、安心している。


 管理は、成功したと信じている。


 だが。


 選択は、すでに始まっていた。


 それが、

 神々の見落とした、

 ただ一つの変化だった。

ここまでご覧いただきありがとうございます。


次の投稿からは、1日1回の更新になります。


ブックマークをして、楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。

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