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世界を書き換えられる転生幼児は、 評価を保留させたまま学園を出る  作者: 黒羽レイ


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14/33

神界サイド 神々はログを信じすぎている

 神界・第三管理局。


 いつものように、

 いつも通りの会議が始まっていた。


「はい次、王都養育院の定期ログ〜」


 下級神が、だるそうに画面を切り替える。


「えーと……例の赤ん坊、レオンですね」


 神々の反応は、薄い。


「あー、いたね、そんなの」

「光るやつだっけ?」

「這うのが速いんだよね?」


(※情報が雑)


 ログが拡大される。


個体名:レオン

年齢:0

現在環境:王都養育院

行動記録:

・泣かない

・騒がない

・異常値なし



「……地味だね」


 一柱の神が、ぽつりと言った。


「逆に怖くない?」

「赤ん坊で“異常なし”って」


「いやいや」

 別の神が笑う。


「異常あったらすぐ分かるって」

「今は完全に“安全枠”だよ」


 下級神が、念のため補足する。


「一応、魔力のログはこちらです」


魔力状態:

安定(外部影響下で沈静)



「ほら!」

「普通じゃん!」


 その瞬間。


 ログの端に、小さな注意書きが浮かぶ。


※安定条件:

 世界認識文言の一時編集を確認



 沈黙。


「……え?」


 一柱の神が、画面を凝視する。


「今、何て言った?」


「えっと……」

 下級神が読み直す。


「“世界認識文言の一時編集”です」


 別の神が、首を傾げる。


「そんな機能……あったっけ?」


「ないよ?」

「少なくとも、赤ん坊用には」


 ざわつき。


「え、待って」

「編集って、どこを?」


 ログが、さらに展開される。


編集対象:

・魔力状態の表現

・自己定義文言



「……数値じゃなくて、文章?」


「文章!?」

「それ、設定ファイルじゃん!」


 会議室が、一気に騒がしくなる。


「いやいやいや」

「ローカルでしょ?」

「ローカル編集なら、問題ないよ!」


 最上位席の管理神が、片手を上げる。


「落ち着いて」

「“世界全体”には影響してない」


「今はね」


 別の神が、小声で言う。


「……今は」


 管理神は、気にせず続ける。


「それに、ほら」


 別のログを表示。


行動評価:

従順

無害

静穏



「完璧じゃない?」

「理想の管理対象だよ」


 下級神が、遠慮がちに手を挙げる。


「あの……もう一点……」


「まだあるの?」


「はい……」


 ログが切り替わる。


備考:

言語能力 実装時期 → 本人選択



 ――沈黙(2回目)。


「………………」


「誰だよこれ設定したの」


 全員が、そっと視線を逸らす。


「いや、初期設定じゃない?」

「昔のテンプレじゃなかったっけ?」


「テンプレに“本人選択”入れるなよ!」


 管理神が、咳払いをした。


「まぁまぁ」

「言語なんて、いずれ喋るでしょ」


「そうそう」

「そのうち勝手にね」


 下級神が、小さく呟く。


「……“選ばなかったら”?」


「ん?」


「……いえ、何でもありません」


 管理神は、ログを閉じる。


「結論」

「今は問題なし」


「評価:低脅威」

「対応:様子見」


 判子が、ポンと押される。


神界評価:

重要度:低



 会議は、それで終わった。


 神々は知らない。


 その“無害で静かな赤ん坊”が――

 自分がどう評価されているかを、正確に理解していることを。


 そして。


ローカル編集履歴:

評価文言 →「低脅威」保持中



 この一行が、

 後に神界で「伝説の慢心ログ」と呼ばれることになるのを。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

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これからもどうぞよろしくお願いします!

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