表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放令嬢は、n回目の人生で幸せを掴む ~幸せになるためには絶対負けられません!~  作者: 極北すばる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/6

第二章 辺境の開拓者

 ルチアがノースゲートの領民に会うと、彼らの生活の厳しさがすぐに明らかになった。土地は痩せ、冬が長く、作物はほとんど育たない。飢えと病気が蔓延し、希望を失っている者が多かった。


「これでは、いくら私が王都の生活を捨てて辺境に来たところで、領民もろとも行き詰まってしまうわ」


 ルチアは領主館の片隅に隠されていた古い地図と、前世で得た知識を組み合わせた。


「この土地は寒いけれど、土壌そのものは火山灰を含んでいて、改良の余地があるわ。そして、この地図のマーク……これは温泉だわ!地熱を利用すれば、温室栽培ができるはず!」


 彼女の魔法の出番だった。


 ルチアは毎朝、領地で最も痩せた土地へ向かい、魔法を使った。


「《グリーン・ブレス》!」


 彼女の手から淡い緑の光が放たれると、カチカチに固まっていた土が徐々に柔らかくなり、生命力を取り戻していく。その作業を何日も続けると、土は水を保ち、肥料の定着が良い、豊かな黒土へと変化していった。


 さらに、ルチアは領民と共に古い水路を修復し、近くの川から水を引いた。彼女は前世で読んだ農業の専門書を思い出し、地元の薬草を使った簡単な治療法や、作物の連作障害を防ぐ方法を指導した。


 最初は疑いの目を向けていた領民たちも、ルチアの献身的な努力と、土地が確実に変わっていく様子を見て、徐々に心を開いていった。


「お嬢様は……本当に『悪役令嬢』なんかではなかったんですね」


 ある老いた農夫が涙ながらに言った。ルチアは静かに微笑んだ。


「私はただ、ここで生きていきたいだけです。みんながここで、お腹いっぱいの食事をして、温かい冬を過ごせるように。そのために、あなたの力も貸してください」


 ルチアは、王都にいたときよりも遥かに充実した日々を送っていた。社交界での虚飾や、王子への淡い想い、そして断罪の恐怖……すべてから解放され、彼女は初めて自分自身として生きている実感を得ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ