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私の幻想旅記  作者: ある旅人
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オークマ島 港にて

 船に乗って一時間弱、オークマ島という島に着きました。港の雰囲気は私の島とそれほど変わりはありません。大小様々な船が縄で繋がれていて波に合わせて揺れています。船着場から町を繋ぐ道の両側は露店が軒を連ねていました。店員は声を張り上げて客の呼び込みをしています。色とりどりのテントに店名が書かれており、大半が食べ物を売るお店でした。そのため、おいしそうな匂いがあちらこちらから漂います。観光客か地元民なのか良く分かりませんが、多くの人でごった返していて、活気に満ち溢れていました。

 お昼にはまだ早いですが、露店の食べ物を一つ買ってみることにしました。何件もある露店の中から選んだのはマリンストーンキャンディ。マリンストーンとはコウセキコシラエという全長八メートルもある深海魚の胃の中に作られる薄ピンクの半透明の鉱石です。これを溶かして果物を閉じ込めて固めたものがマリンストーンキャンディです。

 さて、マリンストーンキャンディには色々な種類があるわけですが、その中でも私が選んだものがプモールです。初めて見る得体のしれない果物ですが、鮮やかな紫色と四方八方に枝分かれした見た目が珊瑚さんごのようでとても可愛らしかったのです。

 早速いただきましょう。手触りは少しざらざらとしています。一口かじってみると、カリカリといわゆる飴を噛む音がします。噛んだところから塩の香りがするのですが、味はほんのり甘いです。おおよそ普段出会うことのない香りと味の組み合わせに戸惑ってしまいますが、決して不釣り合いということはなく、むしろよく馴染んでいます。

 キャンディの部分を食べ進んでいよいよプモールの実食です。思い切りかぶりついてみます。ぱりっと皮が弾ける音とともにジューシーな果汁が口いっぱいに広がります。みずみずしい果肉は固めの食感で食べ応えがあり、噛めば噛むほど甘酸っぱい実の味を楽しむことができます。両方同時に食べると、キャンディに果汁が絡み、果実の酸味とキャンディの甘みを絶妙な塩梅で楽しむことができます。

 あっという間に完食してしまいました。手には潮の香りがしっかり沁みついていました。

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