◯・迷宮
今回は7000字超えています。
1話4000〜11000字を目安に書いていきます。
---翌朝---
「おはようコズミン。よく眠れましたか?」
「ピィ!」
話し掛けると擦り寄ってくるコズミンが可愛い。
実に爽やかな朝だ。
宿の一階に降り食堂に向かうと既にボルベルトが椅子に座って石版のようなものを眺めていた。
「おはようございます。それは石版ですか?」
「ああ、新聞みたいなものだ」
「ラリッサさんはいつ頃来るんですかね」
「知らないな。君の方が詳しいんじゃないか?」
「ボルベルト先輩も分からないんですか? 昨日初めて会ったわけではないんですよね」
「私は他人との関わりを避ける主義だ。君は違うのか?」
「……同類です」
食事が運ばれてきたので二人で黙々と朝食を摂った後、ラリッサを待つことにした。
「昨日の本、読み終わったのか?」
「飛ばし飛ばし読み終えました。今日は村をぶらぶらしたいのでお返しします」
ボルベルトが返却された書物を眺めながら目を細める。
「返してもらってもな。私には不要だ。いくら知識があったところで現物がなくては意味が無い」
「魔力供給石の入手方法について情報がないか村で集めてきましょうか」
「そうしてくれ」
「ところで先輩はどうやって情報収集してるんですか?」
「私は歩き回って情報を集めるなど非効率なやり方はしない。あらゆる情報が向こうからやって来るんでね」
その時、外から足音が近付いてきた。どうやら待ち人が来たようだ。
「おはようございます!」
ラリッサは見慣れない半透明の小鳥を連れていた。
「おはようございますラリッサさん。その小鳥は?」
「え! ポナカンが見えるのですか!? この小鳥は魔力供給石に宿る精霊さんなんですよ!」
「ピピピ」
ラリッサが頭の辺りを撫でると嬉しそうに囀りだした。
「そのポナカンと魔力供給石はセットなんですか?」
「いえ、魔力供給石を装着するとポナカンの方からやって来るんです。ポナカンは情報の伝達や魔物を倒した時に発生するエネルギーを換金可能なものに変換してくれるので、私にとっては欠かせない大切なパートナーなんです」
「なるほど。それは便利ですね」
「でしょう? ところでルギーさんはどちらに行かれるのですか?」
「村の散策ですかね。昨日はちょっとしか見れなかったので」
ボルベルトが新聞を読みながら一言だけ口を挟んだ。
「では私は一人でのんびり過ごすとするよ」
ラリッサと共に村を回る事となった。
ラカワノン山の麓に位置するギザヘボ村。山の恵みを受けているのか色とりどりの果実や野菜、工芸品などが目に入る。どれもこれも興味がそそられるものばかりだった。
「あのラリッサさん、ピピケッケ族と魔物のアントは姿形似ていますがまったく違う種族なのでしょうか?」
「あー、そうですね。確かにアントはピピケッケ族の先祖に当たるようで外見上、最も似ていると言われていますが根本的に違う存在です」
「どう違うんですか?」
「伝説によるとラカワノン山を長きに渡り守護してきたアントは祝福を受け、地底神ジガウルアスの支配から開放されたそうです。地底神ジガウルアスアスはかつて四十万年に渡り地上に君臨した再建者で、魔物を使役し地上を支配していた神です」
「つまり魔物の方がより古株で恐ろしいと?」
「はい。私も所属するロードネブナンド騎士団の創設者であり再建者でもあるヘルドロス様がジガウルスアスの軍勢を退けて以降、魔物との大規模な戦争は起きていません。地底神と地上神は、不可侵条約を結んでいますので」
「ロードネブナンド騎士団はどんな役割を?」
「ヘルドロス様が組織した王国直属の組織です。主に魔物討伐と治安維持を担っていますが、それだけではありません。他国を監視し王国の領土や国民を脅かす可能性のある危険因子の発見と排除も行っています」
「そんな役目の騎士団が村でのんびりしてて大丈夫なんですか?」
「ふふ、そういう仕事は騎士団の上の方に任せておけばいいんです。あなたも人のこと言えないじゃないですか〜~」
ラリッサと他愛もない話をしながら散策をしていると前方から女性が一人猛烈な勢いで走ってきた。赤い服に赤い髪、両手に松明を持っている。ヤバい奴だ!
「おーー! ラリッサさんじゃねーか!」
女性は俺達に気付くと速度を落としながら近付いてきた。鮮やかな赤を基調とした服と髪はやたら眩しい。ラリッサの表情もぱあっと明るくなる。
「おはようございますテラさん!」
「おう、おはよう! で、そっちの兄ちゃんは誰よ?」
「自分はルギー・ドライリアムズと言います。今日自分で付けた名前ですがね」
自己紹介をするとテラと呼ばれた女性がニカッと笑った。
「あたしは傭兵のテラ! よろしくな兄ちゃん!」
赤い服を着た女性は快活な挨拶と共に自己紹介をした。あの眼鏡とは違い人懐っこい性格のようだ。
「よろしくお願いします」
「んで? ラリッサさんは今日は何の用でここに来たんだ?」
「ラカワノン山の調査です。でも山の怒りに触れちゃいまして村まで撤退して来ました。ポナカンを通じて騎士団へ連絡しましたので今は待機中ですね〜〜。テラさんは?」
「あたしも仕事だよ。迷宮でお宝を探すんだ」
ラリッサはテラとの会話に夢中で俺のことを忘れていたようだ。暇潰しに村の中央にある噴水広場に立ち寄りコズミンと一緒に水を掬って遊ぶことにした。
水を優しくかけてやると、コズミンも尻尾で水を飛ばしてくる。相手は蛇だがまるで青春のようだ。
「随分楽しそうだけど兄ちゃん。今暇か?」
背後から声をかけられたので振り向くとちょっと引き気味のテラがいた。
「え、まあ」
「よし! じゃあ一緒に迷宮に行こうぜ!」
いきなりの提案だった。突然のお誘いに戸惑っているとラリッサも賛同し始める。
「いいですね! ルギーさんも行きましょうよ〜〜」
コズミンもピィピィ鳴いている。多数決で勝てそうにないので頷くしかなかった。
「ルギーさん、迷宮では魔力供給石が手に入る事があるんです!」
「え、本当ですか? それは願ったり叶ったりですがそんなに簡単に入れるもんなんですか?」
「大丈夫ですよ。任務の最中は勝手な行動を禁じられていますが今は臨時無職ですし」
「同じだな! 傭兵なんて無職と同じだし!」
(臨時無職って何だよ)
やたらハイテンションなテラを先頭に俺達はギザヘボ村から少し離れた場所にある岩場へと到着した。迷宮の入り口はこの付近にあるという。
「兄ちゃんは転移者なんだろ?」
「よく分かりましたね」
「馴染んでない転移者は一目見れば分かるさ。んで、村にはどのルートで到着したんだ?」
「えっと孤島でゴルデに襲われ、ラカワノン山では爆弾に襲われ、ラリッサさんを含めた騎士団と共に命からがら逃げてきたという感じです」
テラの表情が一気に曇る。
「そいつは災難だったな……。でもあたしと同じで運が良いよ。地獄のような日々を生き延びたんだからさ、これからは好きに生きな」
テラは歯を剥き出しにしてガハハと笑った。明るそうに見えて、彼女も苦労したんだろう。
「ルギーさん、入り口がありましたよ」
ラリッサが指差す先には巨大な岩壁があった。割れ目こそあるが浅く、外からでも行き止まりになっているのがわかる。
「入り口って何処ですか?」
「まあ見てな」
テラが壁に近付き手をかざすと割れ目が横に広がっていった。中は広く一歩踏み入れるとひんやりとした空気が流れ、足元は崖になっていた。
「これはどういう仕組みなんですか?」
「迷宮は基本的に隠されていてな、壁に手をかざして魔力を集中させるとこういう風に道が開くんだよ」
「ちなみに中に人間がいる間は入口が閉じられる事はありません」
テラの説明にラリッサが付け加えた。
穴を覗いてみると中は暗く、地上の光が差し込んでいる場所以外は何も見えない。戸惑う俺を尻目にテラは慣れた手つきでロープを取り出していた。
「ロープで降りた先はもう迷宮だからさ、魔物が出るぜ」
ロープの先端に括り付けられたランタンが周囲を照らす。テラとを先頭に慎重に歩を進めると洞窟内の作りが変わった事に気が付いた。岩壁の表面の石が発光して明かりを確保している。
「迷宮って意外と明るいんですね」
「地底神の数少ない優しさってところですかね。迷宮は地底神の領土なんですけど、魔物の溢れる迷宮に飛び込んだ勇気ある人間に贈られる餞別だと言われています」
「なるほど、勇気ある者には慈悲を与えるってやつですか」
それから暫く無言で歩くと分かれ道が見えてきた。
「やっぱ一本道じゃないか。んじゃラリッサさん、地図を書いてよ」
ラリッサはポーチから紙とペンを取り出すと迷宮の地図を書き始めた。
「ここから地図を書きながら進みますので魔物への対処は任せましたよ」
再び迷宮を進み始めた。分岐路があれば必ず足を止めて地図を描く。
「ルギーさんって魔法使えないんですよね?」
ラリッサは地図を描きながらでも会話できるようだ。
「魔法どころか剣を見るのも初めてですよ」
「ほんとかよ! そんな人間もいるんだなあ……。んじゃあラリッサさんがいなかったら今頃どうしてたんだ?」
「自分一人だったら山で死んでいたかもしれませんね」
「そんじゃあ兄ちゃんは相当ラッキーだったな!」
「ですね」
俺達が呑気に喋っていると急に目の前が開けた。円形状の広場に出ると足元に石が転がっていた。そして奥には黒い湖が巨大な広がっており他に通路はない。どうやら終点のようだ。
「お、魔力供給石あんじゃん!」
どうやら地面に転がっているのは全部魔力供給石のようだ。
ラリッサが地図を描き終えゆっくりと立ち上がる。
「おかしいですね。魔物と一度も遭遇する事なく最深部に到達出来るなんて」
「偶然分かれ道の先に集まっていたんじゃないか?」
赤髪はラリッサの疑問に鼻歌交じりで答えながらせっせと魔力供給石を拾い集めていた。
「赤の魔力石が多いなあ。あ、水色もあるわ。兄ちゃん、これにしておきなよ」
差し出された水色の魔法石を受け取った。ラリッサとお揃いだな。
ボルベルトの本が正しければ水色の魔法石は【吸収】の力が備わっていたはずだ。盾を展開して攻撃を防ぐ防御寄りの能力が得られる。
「魔力石が見つかって安心したぜ。ラリッサさんへの報酬は売り上げから払うからさ」
「いえ、報酬は結構です。代わりに今夜奢って下さいな」
ラリッサが朗らかに笑う。気になるのは奥の黒い湖だ。底が見えない程に深く、風が吹く度に水面がゆらめいている。
「あの湖って何ですか?」
テラは拾ったばかりの魔力供給石を手にしたまま警戒する事なく湖に近付く。
「あの黒い水は迷宮の最深部に必ずあるものなんです。潜って調査した人もいたらしいですけど魔力濃度が高過ぎて命に関わります」
「俺も何度か挑戦したんだけど全然ダメだったな。まず潜れねーし」
テラはガッハッハと豪快に笑いながら魔力供給石を光にかざした。するとすぐに小さな火が灯る。
「あっつ! これ発動してんじゃん!」
「装着者がいないのにそんなはずは……」
ラリッサがテラの手に握られた魔力供給石に触れると、ゆっくりと火が灯り始めた。
「どうして発動したのでしょうか? もしやルギーさんですか?」
「いやいや! 自分マジシャンじゃないんで」
「マジシャン?」
(そこ突っ込んでくれないと寒くなるだろ〜)
「おい、兄ちゃん! これ握ってみなよ!」
俺は言われるがまま石を手に取ると、突然コズミンが赤い魔力供給石に噛み付き、丸呑みした。
「ピギャー!」
驚いたのかコズミンは俺の手から飛び降りると、地面を縦横無尽に駆け回っている。その様子を見たテラがゲラゲラと笑った。
「何だよそれ! 魔力石飲み込む使い魔初めて見たんだけど!」
石を飲み込んだコズミンから突然光が溢れ出す。その光は徐々に輝きを増し、眩しさで何も見えなくなる程だ。
「おい何だこの魔力! 二人とも離れろ!」
コズミンの体から溢れ出る光は次第に弱くなり呆気に取られている俺達に向かって威勢良く鳴くと、コズミンが一回り大きくなっていた。
「どゆこと? 兄ちゃんの使い魔って魔力石が主食なのか?」
「コズミン……さん?」
テラもラリッサも目を丸くしている。どうやら魔法石を吸収した事でパワーアップしたらしい。
一回り大きくなっているが胴体はやや短くなり腕が生えている。腕には小さな羽が生え懸命にパタパタと動かしているが地面から一ミリも浮いていない。
「その姿は一体……」
ラリッサの問い掛けに答えるようにコズミンは大きく「ピィ!」と鳴くと俺の肩にひょいと飛び乗った。
「ま、ご飯を食べて成長したって事でいいじゃんね。魔法石一個食べられちまったけど面白いものを見せてくれたし許してやるよ」
「はあ……」
困惑するラリッサと納得するテラ。一先ず、魔力石を入手するという本来の目標は達成したためギザヘボ村に帰還する事となった。
「いや、驚いたな。まさか魔法石を食べるなんて。食費がとんでもない事になりそうだなぁ」
歩きながらもテラはコズミンを興味深そうに眺めていた。
村に戻った俺達はそのまま近くの食堂へと足を運んでいた。テーブル一杯に並べられた料理の殆どは果物を丸焼きにしただけのものだったがコズミンは笑顔でバクバクと食べていた。
それにしても底無しだな。食費で破産する事にならなければいいのだが。
「やあ君達。戻りが遅かったじゃないか」
話しかけてきたのはボルベルトだった。睨むような目付きは公の場でも変わらない。
「ボルベルト先輩、どうしてここに?」
「村長の所に用があってな。君達は何処に行ってたのかね」
「迷宮に行ってました」
俺の一言にボルベルトが驚愕の表情を浮かべる。
「君達だけで行ったのか?!」
「はい、成り行きで……」
「成り行き……。まあ騎士団のラリッサさんがいれば可能か。ところでその蛇は躾けていないのかね」
いつの間にかコズミンが屋外のテーブルに並んだ料理を片っ端から口に放り込んでいた。その食べっぷりに食堂にいた他の客も驚いているようだった。テラに至っては指差しながら笑ってやがる。
「コズミンおいで」
俺の言葉も虚しくコズミンは次々とテーブルに並べられた料理を平らげていく。
「てめぇは……」
席に座っていた男が立ち上がり俺達を怪訝な目で見ている。友好的ではなさそうだ。
「ボルベルトてめぇよくも騙してくれたな?!」
矛先が向けられたのはコズミンではなかった。男はボルベルトの胸ぐらを掴もうとしたが、ラリッサに腕を掴まれていた。
「彼に何か用ですか?」
ラリッサが笑顔で問い掛けるが目は笑っていない。
「乱暴はやめて下さい」
男は一瞬顔を歪ませたかと思うと舌打ちしラリッサの手を乱暴に振りほどき去っていった。
「お騒がせしました」
ラリッサが周りの客達に一礼すると人々は再び食事を再開させた。
「おい眼鏡のおっさん、あんたヘイエンラーに好かれてるみたいだな?」
今度のテラは真剣な表情だった。
「ヘイエンラー?」
「さっきの男だよ」
俺が聞き返すとラリッサが教えてくれた。ヘイエンラーとは領土権が曖昧なエンラーピッドを不法に占拠している組織で、略奪に誘拐、殺人など何でもやる極悪非道な奴らだそうだ。
「ああ、実はヘイエンラーのリーダーとは知り合いでね。君達には関係のないことだ」
「あんたあんな連中とつるんでたのかよ」
テラの呆れた視線がボルベルトに刺さる。俺も同感だ。ラリッサは溜め息を吐いていた。
「あの男、きっとまた来ますよ。一人では何も出来ない連中ですから次は大勢を引き連れてやって来るでしょう」
ラリッサの警告にボルベルトの表情が一気に引き締まった。
「君達に頼みがある」
俺とテラは互いに見合った後、嫌な予感がするなと視線を交わした後、ラリッサに顔を向けた。
「ラリッサ、君は騎士だ。困っている人を見捨てたりはしないだろう? ヘイエンラーから私を守ってくれ」
「おいおっさん! 自分を山の精霊の使いだとか言ってピピケッケ族を騙し村にタダで住まわせてもらってるのは知ってんだぞ。これ以上村に迷惑かけんなよ」
テラが声を荒らげる。ラリッサはやれやれと首を振っていた。
「ボルベルトさん、あなたに残された選択肢は二つです」
ラリッサが真剣な顔でボルベルトに向き合う。
「一つ、ヘイエンラーと和解する。その場合、騎士団はヘイエンラーとの一切の交渉を禁じられていますので私は手を貸すことは出来ません。二つ、村を出て安全な場所に身を隠す」
「それは出来ない。私は戦いが苦手なのだ。村の外では生きていけない」
ラリッサは首を横に振った。
「選択肢は二つです」
ボルベルトがぐうの音も出ないといった様子で呻いていると、テラが腕を組みながら口を開いた。
「なあ眼鏡のおっさん、提案があるんだけどさ」
「何だね」
「ここに赤の魔力供給石がたくさんある。リーダーと交渉してみろよ。ヘイエンラーは剣術が素人同然だか魔力供給石を死ぬほど欲しがってる。魔力供給石の受け渡しに俺も同行してやるよ。だが交渉するのはあんただ。どうする?」
「むう……。なるほどな」
「なあ君、どう思う?」
「あ、自分ルギーという名前です」
「そうか。ではルギー、君はヘイエンラーと交渉すべきだと思うか?」
突然ボルベルトに話を振られて言葉につまる。正直に答えるしかないだろう。
「えーと……。自分はヘイエンラーのリーダーとは面識がないので、そいつの人柄とか関係性とか全く分からないんで何とも言えないです。でも」
「でも?」
ボルベルトが聞き返す。
「村にこのまま隠れ続ける事が出来ない上に騎士団も対処してくれないというならテラの提案に乗るしかないかと」
俺は嘘偽りのない言葉を口にした。赤の魔力供給石を奴らが欲しているなら、交渉次第ではうまく立ち回れるだろう。もちろん下っ端ではなくリーダーと交渉する必要がある。
「うむ……。ルギー、君がそう言うのなら話に乗ってみよう」
ボルベルトはラリッサに向き直り、少し考えてから口を開いた。
「ヘイエンラーとの仲介を頼む」
「分かりました。では明朝出発しましょう」
「おっし、決まりだな! 逃げんなよ」
魔力供給石はテラの収入源のはずだが、何だかんだで面倒見がいい奴だなと思った。
その夜、皆と食事をしながら雑談をした。ポナカンを通して指令が送られてきたらしく、調査は打ち切り俺を安全なラプリアセント王国まで連れてくるよう言われたらしい。何故かボルベルトについては言及されなかったとの事だ。
どのみちギザヘボ村からラプリアセントまではヘイエンラーが違法占拠するエンラーピッドを通らないといけないので騎士団も少し時間を割いて、ボルベルトの交渉に付き合ってくれる方向で調整してくれた。
ようやくエンジンがかかってきました。
次話からストーリー進行を早めていきます。
2024/02/19 誤字脱字を修正。あとラリッサさんが水色の魔力供給石持ちだった事をうっかり忘れていた(汗