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エピローグ きっとこれからも。

「遊びに来たよ、ツィア」

「勇者様っ」


 ある日、私のカフェに勇者様が遊びにきてくれました。

 魔法使いさんも、戦士さんも一緒です。


「落ち着ける空間じゃない。素敵よ」

「いいジュースが味わえそうだな!」


 みんなの笑顔は眩しくて、相変わらず元気なことにほっとします。


「あれから、大丈夫でしょうか。旅の方は……」

「問題ないよ。しっかり動けてる」


 勇者様が怪我ひとつないという様子で、そう言葉にします。

 それを聞いて嬉しい気持ちになります。勇者様が無事なことに。


「ツィア、私ね、回復魔法も覚えたんだ!」

「凄いですっ、それなら」

「ちょっと無理ができるようになったの。勿論、危ないことはしないようにしてるけどね」

「無事が何よりだからな! 俺たちは安全な旅を送ってるよ!」


 順調そうな旅を続けていること、それが私の励みになります。

 私ももっと頑張らないといけないという気持ちになるくらいには。


「そういえば、この前別のパーティーにあったんだ」

「別のパーティー、ですか」

「そこにはおやっさんと呼ばれる強い人がいて、その人がツィアのことを褒めてたんだ」

「……あの冒険者さんですか!」


 あの冒険者さんは不思議な縁が多いみたいです。

 まさか、勇者様とも会っていたなんて。


「知らない技を教えてもらったりしたから、強くなれたんだ」

「これもツィアが繋いでくれた縁のお陰かも?」

「……私のカフェの活動も力になるんですね」

「そうさ、繋がりは力になるんだ」

「勇者様」


 眩しい笑顔でそう言葉にする勇者様。

 やっぱり、勇者の器に相応しい存在です。


「あっ、この前はお嬢様にもあったんだ」

「メイドと仲良しだったお嬢様、ですか?」

「その人もツィアを褒めてた。料理が美味しいって」

「嬉しいですっ」

「そのお嬢様も俺たちの旅を支援してくれるって言ってくれた、心強い存在になってくれたよ」

「わわっ、びっくりです」


 なんだか話せば話すたびに勇者様との縁が増えていくのがビックリで、声に出ちゃいました。

 けれども、嬉しい気持ちでいっぱいです。

 こういう繋がりは素敵なものなのですから。


「戦うだけが全てじゃないんだ」

「つまり……」

「繋がりを作る力、それも強さだと俺は思うんだ」

「こうしてカフェで出来た縁っていうのもあるからな、きっとツィアが活躍したらもっともっと縁が増えていくはずだ!」

「応援してるわ」

「……頑張りますっ」


 それと同時に、夢を抱く。

 小さくて、それでもしっかり持ちたい夢。


「私は、この喫茶店を皆さんの帰る場所にしたいですっ!」


 無事に戻って仲良くできる空間。憩いの場。

 そういう空間にしたい。

 力で相手をやっつけるだけが全てじゃない。

 縁を紡いでいくことだってきっと力なんだ。


「素敵な夢ね」

「オレたちのおふくろみたいになるってことか!」

「お、お母さんはまだはやいですっ」

「でも、安心するよ。こうやってみんなで談笑できる場所があるっていうのはさ」


 勇者様が再び手を差し伸べてくれます。

 初めて会った時のように。


「これからも、よろしく。ツィア」

「……はいっ、こちらこそよろしくお願いします、勇者様!」


 握手して、再び仲間であることを共有しあう瞬間。

 優しい気持ちでいっぱいになりました……!

 そして、勇者様は私のカフェでいっぱい楽しんでくれて……夢のような時間を過ごしました。









 世界が完全に平和になるのはまだまだ遠いかもしれません。

 魔物がまだいっぱいいる世界、どんなことがあるかなんてわかりません。

 それでも、私は縁を紡ぎ続けます。

 勇者様と仲間だったものとして、そして平和を愛するものとして。

 自分を傷つける魔法だけが力ではないのです。きっと、助け合っていくことも力なはずだから。

 私たちは前を向いて、進んでいくのです。きっとこれからも。


「そうだ、そろそろカフェの名前を付けないと! 名前は……」


 旅人が集まる場所。

 そのカフェの名前は決めていました。

 カフェ・エトランジェ。旅人が訪れる喫茶店。


「よし、今日も開業です!」


 明るく、まっすぐ、私らしく。

 今日も勇者様の仲間として恥じない活躍ができるように頑張ろう。

 青空快晴。どこまでも、未来が続いていくと感じられる素敵な色をしていた。

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