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真鳥彩花は七海さんを憎んでいる

 私は真鳥彩花。

 小さい時からずっとあっくんと一緒で通った学校も全て同じのいわゆる幼馴染みです。

 学校がある日は必ず一緒に登校、家でもたまに私の家にご飯を食べにきてくれるぐらい仲が良いです。

 そんな私に秘密があります。


 それは私はあっくんの事が好きで好きでしょうがない事です。

 

 初恋は保育園の時、確か11月22日いい夫婦の日にあっくんに初恋をしました。

 それからずっと大好きでたまりません。

 ですが、中学校高校に上がるにつれ他の男子達の視線を少しずつ浴びるようになり、数十人の男子から告白されたりしました。


 正直、吐き気を催すぐらい気持ち悪かったです。

 もう私はあっくんしか受け付けないんだなと心から思いました。


 私のこの思いは妹の朱音あかねだけが知っています。

 でも朱音は「その気持ちは病気だよ」と言って引きます。

 なぜでしょう?

 好きな気持ちに病気? ありえない。

 

「はぁ〜私のあっくん今日もかっこいいなぁ〜ハァ……ハァ……」


「おねぇちゃん冷蔵庫のプリン……ひっ!」


「なに朱音」


「また写真増えてる……何枚あるのそれ」


 そうです。

 私はあっくん写真をいっぱい持ってます。

 今はスマホをプリンターに接続するだけで簡単に写真にできちゃうから便利ですよね。

 アルバムに保管? そんな無駄なことはしません。

 飾りますよちゃんと。


「ウォークインクローゼットの中だけでも2000枚はあるかな、でも足りないよぉ〜ハァ……ハァ……」


「うわー! 舐めるな舐めるな! あっきーがかわいそう!」


「そうだ朱音、これ見てよ」


「ノート……? ひっ!!」


「あっくんの髪の毛これでちょうど6000本目だよ。ノート七十五冊分」


「恐ろしい……」


 私はあっくんの髪の毛をコレクションしています。

 主に肩についてる髪の毛をそっととってパックに入れて持ち帰ります。

 それが今日で6000本目。

 お部屋に行ったらもっと採取できるけどバレたら嫌なのでそこまでしません。


「おねぇちゃんコレがあっきーにバレたら絶対嫌われるね。そしたら私があっきーに……ちょっ! 痛い痛い痛い! 髪の毛掴むな!」


「いくら朱音でもそれをしたら頭に濃硫酸かけるよ?」


「そこで濃硫酸とかワードが出てくる時点で恐ろしい……」


 いくら妹といえどあっくんは渡しません。

 あっくんは一生私と寄り添わないといけないのです。


 そんな私の愛情に邪魔をするとんでもない汚物があらわれたのです。

 思い出すだけでもハラワタが煮えくりかえりそうな気分です。

 

「七海雫……汚物は消毒いや、殺菌だァ……」


 あっくんは私のもの。誰にも渡さない。

 あんなに馴れ馴れしく私の居場所に居座るなんて。

 しかも手作り弁当だなんて、私もした事ないのに!

 でも、そんな怨念もあっくんの写真を前にすると空気中の酸素よりも薄くなる。


 そしてその横に私が一番大切にしているものがあります。

 それは小学生の頃二人で作った手作りの『婚姻届』と花を結んで作った『指輪』です。

 本物と比べるとただの紙切れと葉っぱですが、私にとっては宝石よりも価値があります。

 

 拙い字で大きく『こんいんとどけ』と書いてあり、下にはあっくんの名前と私の名前を書く記入欄さらに下に行くと『この名まえをかいたふたりは永えんのあいをちかいます』と書かれています。

 

 お互いに名前を書き、拇印を押してあるのです。

 もうこれは結婚したようなもの、そして次は『子作り』をしないといけません。


「ハァ……あっくん好きぃ……大好きぃ……あっくんあっくんあっくんあっくんあっくんあっくんあっくんあっくんあっくんあっくんあっくんあっくんあっくんあっくんあっくんあっくん好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き」



「オッケーグーグレ。近くの脳神経外科」


 ***


「あ、ダメだ病院見つかんないや」


彩花「なんで病院探してるの?」


朱音「え? 自覚ないの?」

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